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耳より健康トレンド
【第61回】 2017年2月25日 工藤 渉
アレルギーはなぜ起こる?毎日同じものを食べるのは危険
「果物」「野菜」「芋類」でもアレルギーを発症するケースがあります
アレルギーの日は知っている?
急増中の「食物アレルギー」
さる2月20日は「アレルギーの日」だった。日本人の研究者・石坂公成がアレルギーに関わる抗体「IgE抗体」を発見し、1966年米国の学会で発表した日である。アレルギーの日の前後1週間を「アレルギー週間」として、全国の日本アレルギー協会支部では患者や医療従事者向けに様々な啓発活動を行っているという。
アレルギーといえば花粉症を思い浮かべる人が多いだろう。人をとりまく空気にアレルギーの源が含まれ身体が攻撃されるというのは、考えてみれば恐ろしいことだ。同様に怖いのは、常日頃に口にする食品がアレルギーの源になってしまうことだ。
厚生労働省によれば日本国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているが、「食物アレルギー」が急増したのはここ15年ほどのことだという。1才未満の乳児で最も多く発症しているが、その年代に限ったことではなく小児から成人まで幅広く患者が見られる。これまではほとんど存在しなかった「果物」「野菜」「芋類」などによるアレルギーの例も報告もされているという。
免疫が誤作動し
食物を異物とみなす
食物アレルギーとは、言葉のとおり本来無害なはずの食べ物に対して、免疫機能が過敏に反応してしまう状態を指す。免疫は有害な細菌やウイルスなどの病原体から身体を守るためのものである。正常な状態だと、食物を異物として認識しない仕組みが働き、免疫反応を起こさずに栄養として吸収する事ができる。しかし、免疫反応を調整する仕組みに問題があったり、消化・吸収機能が未熟だと、食物を異物として認識してしまうことがあるという。
アレルギー反応はこのように異物として認識された食物の成分(食物アレルゲン)を排除するために起きるものだ。腸から吸収されたアレルゲンは血管を通して全身に運ばれるため、眼・鼻・のど・肺・皮膚・腸などでさまざまな症状が現われることになる。もちろん食物を摂った時だけでなく、触ったり、吸い込んだり何らかのかたちでアレルゲンが体内に入った場合には同様にアレルギー反応が起きる。反応は、くしゃみ、鼻水、じんましんといった直接生死には関わらないが生活の質を著しく下げるものから、呼吸困難、血圧低下といった命を落としかねないものまでさまざまだ。
変化に富んだメニューが
食物アレルギーを予防する?
以上はアレルギーのメカニズムに関する説明である。なぜメカニズムが起動するのか、「本来無害なはずの食べ物に対して、免疫機能が過敏に反応してしまうのか」については分かっていない部分が多い。対処法は多く、自然に治ってしまうことすらあるが、決定的な治療法はないのだ。
子どものアレルギーの説明には向かないが、大人がアレルギーを発症する理由として考えられるのが「一線を超えてしまった」説だ。例えば40歳にして花粉症を発症した人は、それまで40年間にわたって花粉を浴びてきたことで、ついにその人の許容量を越えてしまったということになる。科学的根拠は乏しいが納得できるセンではある。
この理屈で考えると、食物アレルギーの場合には「毎日続けて食べているもの」が原因物質になりやすいので、せいぜい一日おきにすべきという説がある。つまりさまざまな食材、さまざまな料理を食べるほどアレルギーに関しての「一線を超える」リスクが低くなるのだ。
一週間、3食をなるべく違った食材で組み立てるのは難度が高いが、栄養バランスの観点と、食生活を充実させるためにも意義のあることではあるだろう。米のような、それこそ毎日食するものの場合、銘柄を変えるといった対処法もある。ただしほとんどの病気と同様にストレスもよくないので、まだ発症していないのに神経質になるのも考えもので、悩ましいところである。
ちょっと敷居が高いが
有望な「経口免疫療法」
アレルギーに決定的な治療法はないと述べたが、期待できそうな治療法は既にある。経口免疫療法と呼ばれるものだ。簡単に言ってしまうと、原因の食物をあえて少しずつ摂っていくことにより、結果的にその食物を食べても大丈夫になるというもので、花粉症などでも同様の理屈による治療が行われている。
「あえて少しずつ食べれば治るんじゃないの?」という発想自体は怪しげな民間療法でも行われていることだが、経口免疫療法の場合「ほんの微量から始め」あくまで「医師の管理下で」続けるという点が異なる。実際に成果が出ているため注目されている療法だが、長期の通院が必要なうえ、必ず良くなるとは限らない。二の足を踏む人も多いというが、症状が辛いなら試す価値はあるだろう。
(ライター 工藤 渉)
参考URL:
ニッポンハム食の未来財団 食物アレルギーとは
https://www.miraizaidan.or.jp/allergy/about.html
厚生労働省 食物アレルギー
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf
厚生労働省 アレルギーの現状
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf
日本アレルギー協会 アレルギーの日
http://www.jaanet.org/aboutus/syuukan.htm
独立行政法人国立病院機構 相模原病院 経口免疫療法とは
http://www.hosp.go.jp/~sagami/sinryouka/syounika_keikoumeneki.html
http://diamond.jp/articles/-/119298
カラダご医見番
【第331回】 2017年3月2日 井手ゆきえ [医学ライター]
不安・うつはがんの初期症状?結腸・直腸、膵臓などで関連
うつ病など気分障害と身体の病気は強く関連し、うつ病があると心筋梗塞の発症リスクは4倍以上に上昇する。近年はがんとの関連が指摘されている。
先日、英国から特定のがんと気分障害の関連を示唆する研究報告があった。
解析対象は1994〜2008年に英国保険サービスが実施した16の国民健康調査(HSE)に登録した16歳以上の非がん男女、約16万3000人分のデータ。登録時点で精神的健康を評価する「GHQ-12」に回答している。
GHQ-12は、職場のストレスチェックでもよく使われる調査票で、睡眠障害の有無、決断力、判断力の状態や抑うつ気分の有無などを測る12の質問項目から成る。
たとえば過去4週間に「問題を解決できなくて困ったことがあったか」という質問に対し、「全くなかった(0点)」「あまりなかった(0点)」「あった(1点)」「しばしばあった(1点)」という4段階で回答するもの。精神的な問題がない0点〜強い抑うつ状態の12点で評価される。
今回の調査では、平均9年半の追跡期間中に1万6267人が死亡。このうちがん死は、約4人に1人に当たる4353人だった。
喫煙歴や肥満など他の影響因子を補正し、がんと気分障害との関連を解析した結果、GHQ-12スコア12〜7点の抑うつ気分がより強い人は、6〜0点の人よりも結腸・直腸がん、前立腺がん、膵臓がん、食道がん、白血病で死亡するリスクが高いことが示された。特に、結腸・直腸がん、前立腺がんはGHQ-12スコアが上がるに従って死亡数が増加した。
研究者は「うつ病など気分障害は、特定のがんが未診断、あるいは初期のうちに先行して発症している可能性がある」としている。
がんに先行する気分障害は「警告うつ病」ともいわれ、膵臓がんでは早期発見の手がかりになるといわれている。
思い当たる原因はないにもかかわらず急に抑うつ症状が出た場合は、念のため血液検査や画像診断でがんの可能性を探っておこう。身体からのSOSで早期発見できればラッキーなのだから。
(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)
http://diamond.jp/articles/-/119354
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