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カロリー偏重の栄養計算はナンセンス…厚労省推奨の食事もバランスがメチャクチャ!
http://biz-journal.jp/2017/02/post_17983.html
2017.02.10 文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事 Business Journal
この連載の読者のなかには、栄養士や管理栄養士の方もたくさんいらっしゃいます。そういう方々の反応は二分されます。「自分たちが学んできたことと違う。だからここに書かれていることは信用できない」と考える派と、「こんなことは聞いたことがなかった。こんな情報があったのならもっと早く知りたかった」と考える派です。
どちらの派に属するかは別として、栄養士や管理栄養士には優秀な方が多いことは事実で、さらにその仕事は過酷を極めることもあります。その割には、彼ら、彼女らに対する世間的な評価は低く、片隅に追いやられている感は否めません。一般の方はあまりご存じないかもしれませんが、例えば社員食堂では、まともにデスクすらないケースも多く、病院などであてがわれる部屋は地下で窓もなく狭いケースも多々あります。
そこでどんな仕事をしているかというと、主にカロリー計算を中心とした栄養計算です。ほとんど無意味なことです。実は、カロリーは栄養とはなんの関係もありません。食品が持っている熱量を表したものです。それは、実際に食品を燃やし、1リットルの水の温度が何度上がるのかを計って、それをその食品が持っている熱量(カロリー)と決めているのです。同じことが私たちの体の中で起こるわけでもないのに、なんの意味がある数値でしょうか。
同じ一杯のごはんを、Aさんが食べた場合と、Bさんが食べた場合では、消化のされ方も違えば、代謝のシステムも違います。つまり、体の中での使われ方は千差万別のはずなのに、誰が食べても同じカロリーで計算して「多い、少ない」と言っていること自体がナンセンスです。
■カロリーよりも栄養素で判断すべき
カロリーよりも、むしろN/Cレートを考慮すべきです。N/Cレートとは、食品が持っている栄養素の密度のことで、Nは栄養素という意味のニュートリエントを意味し、Cはカロリー、レートは割合、比率を表します。私たちは、食事をするときにこのN/Cレートを考慮のうえ、栄養素の密度の濃い食品を選択したほうがいいのです。
N/Cレートが高ければ、栄養素の密度が濃いということになります。例えば、お米であれば白米より玄米のほうがN/Cレートが高く、野菜であれば皮付きのまま料理したほうがN/Cレートは高くなります。砂糖にはカロリーはありますが、栄養素をまったく含んでいないのでN/Cレートは最低の食品といえます。反対に、海藻類などはカロリーはほとんどないにもかかわらず栄養素はたっぷり含まれているので、N/Cレートが高い食品です。
そのようなN/Cレートの高い食品のなかから、私たちに必要な必須栄養素と植物栄養素を、満遍なく過不足なく取り入れられるように工夫するのが本来の栄養士の仕事ですが、現状はそのような意味のある仕事はさせてもらえていません。そもそも、そのような考え方を教えられていないのです。
なぜ、そういう重要なことを学校で教えないのかというと、教える側が自分の学んできた古い栄養学を錦の御旗のように掲げ続けているからです。栄養士や、管理栄養士になろうとする人たちも、最初は無知です。その無知な人たちにとっては、学校で教えられることがすべてなのです。教えられたことを、そのまま真に受け、正しいと信じ続けている人も大勢います。
どこかおかしいと思っていたとしても、学校を卒業してすぐに働き始める人がほとんどです。そんななかで、何かをきっかけに自分が学校で学んできたことが稚拙で、役に立たないものだということに気づく人がいます。
本当に大事なことは、「炭水化物とたんぱく質が1グラム4キロカロリーで、すべての油は1グラム9キロカロリー」といった知識ではありません。炭水化物には単純炭水化物と複合炭水化物があり、そのうちのどちらが食べるに値するかを知ることのほうが重要です。また、ただたんぱく質を摂るのではなく、たんぱく質の原材料となるアミノ酸をどのようにして摂取するかを考えるほうが大切なのです。
油はすべて同じカロリーだからといっても、どれを食べても同じではありません。どのような脂肪酸組成であるかが重要で、それを知ることによって、どの油を選択するかを決められるのです。
■厚労省、農水省の推奨する食事はひどい
このようなことを知った栄養士や管理栄養士たちのなかには、「こんな重要なことを知らなかったのか」と、一時的に失意のどん底に落ちてしまう人もいますが、もともと頭脳明晰な人たちなので、這い上がってきます。そうなったときは、強いです。
そもそも、「食事を通じて人々を健康に導きたい」「食の大切さを多くの方々に伝えたい」という意欲を持って、栄養学を学ぶことを決意した人たちですから、今までの「何か変」「どこかおかしい」という疑問が払拭されれば、自分の本来のミッションをまっとうしようとします。これからますます、そういう人たちが増えることでしょう。
ぜひ一度、厚生労働省や農林水産省のホームページに出ている、日本人の食事の目安とされる「食事バランスガイド」を見てください。いかに愚かで、実現性のないものであるかがおわかりいただけるかと思います。
何と何がどのようにバランスされているのか、まったくわかりません。そもそも「バランス」とは何かをわかっていない人が作成したのだと思います。主食には白米、白いうどん、白いパンなどが並んでいますし、主菜、副菜のところは思わず吹き出してしまうような内容です。何よりおかしいのは、牛乳や乳製品がなければ食事が成立しない構成になっていることです。
栄養士、管理栄養士の方々は、これからの超高齢社会に向かうにあたり、重要な職責を担っています。そのことを自覚しつつ、これまで学んできたことを礎にして、正しい栄養学を修め直し、本当の意味で社会の役に立つようになってほしいと願う次第です。そのために必要なのは、勇気です。一歩目を踏み出す決断力です。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)
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