糖質制限すると動脈硬化になる: 糖質制限食は人体に危険! 動脈硬化、心筋梗塞のリスク増大…リノール酸過剰摂取 糖質制限食の落とし穴 糖質制限食は、文字通り糖質を摂らない食事法ですから、ご飯やパンのほか、うどん、パスタ、ラーメンなどの麺類(十割そばは除く)など、日本人が慣れ親しんでいる主食を断たなければいけません。そのほかにも、イモ類をはじめとした炭水化物、アボカド以外の果物など糖質を含む食品はNGで、砂糖の多い清涼飲料水や菓子類は論外です。 一方、主食代わりのたんぱく質、脂質をメインにビタミン、ミネラルなどは、十分な量を摂らなければいけません。魚、牛、豚、鶏、卵、大豆製品(豆腐、納豆、枝豆)、ナッツ類、キノコ、葉野菜、大根、バター、乳製品などです。調味料は、トマトケチャップは不可ですが、マヨネーズは可。少量の醤油も良いようです。サラダ油やごま油、オリーブオイルなどの植物油もOKとなっています。 こうしてみると、主食がないつらさはありますが、肉や大豆製品、ナッツ、マヨネーズなど、おなかも気持ちも満たされそうな食材も多いので、実践している人が多いのもうなずけます。 しかし、こうして広まりつつある糖質制限食には大きな落とし穴があります。それは必須脂肪酸のひとつ、リノール酸の過剰摂取の問題です。糖質制限食の食材は高リノール酸が多いのです。本連載で繰り返し訴えているのは、オメガ6脂肪酸(ほとんどがリノール酸)の摂り過ぎと、オメガ3脂肪酸(DHA、EPA、アルファリノレン酸)不足による、必須脂肪酸バランスの崩壊がさまざまな病気の原因となることです。
サラダ油をはじめ、肉類、大豆製品、ナッツ類、マヨネーズは糖質こそ少ない、もしくは含まないものの、どれも「高リノール酸食品」です。
下の写真は、糖質制限食の夕飯の典型例です。それぞれの料理の<重量、リノール酸量、オメガ3脂肪酸量>を算出しました。 ・鶏肉と野菜炒め、サラダ油使用…300g、5.2g、0.7g ・葉野菜のサラダ、マヨネーズ大さじ2…24g、5.6g、1.0g ・冷奴、絹ごし半丁…150g、1.9g、0.3g ・アーモンド…20g、1.3g、0g ・カシューナッツ…20g、1.6g、0.01g 計514g、15.6g、2.01g
厚生労働省発行の「日本人の食事摂取基準2010年版」によると、成人の一日当たりのオメガ6脂肪酸の摂取目安量は9〜11g、オメガ3脂肪酸の摂取目標量は2.1g以上とされていますので、この一食だけでそれぞれの必須脂肪酸の量はほぼクリアできています。 しかし、問題は必須脂肪酸の摂取率です。オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸の摂取比率は、厚労省は4:1と掲げ、油の研究をしている専門家は1:1を推奨しています。この食事は7.7:1となっており、明らかにリノール酸過剰です。 糖質制限で予防または治療できるとされている糖尿病、花粉症、アトピーなどは、リノール酸の過剰摂取が原因で起こる病気でもあります。ほかにも、リノール酸の過剰摂取は、がん、心筋梗塞、脳卒中、うつ病、認知症などの原因にもなります。 健康のための糖質制限食は病気リスクの大きい高リノール酸食でもあるのです。大勢の方が取り組んでいる糖質制限食には、こんな落とし穴があるのです。 こうしたリノール酸の為害作用(体に害を及ぼすこと)を抑えるのは、オメガ3脂肪酸のDHA、EPA、アルファリノレン酸です。サバ、アジ、サンマ、ブリ、などのDHAやEPAを多く含む魚とエゴマ油、アマニ油などアルファリノレン酸の多い油を意識して摂り、必須脂肪酸バランスを整えることを基本としない糖質制限食は、かえって危険であるといわざるを得ません。 また、糖質制限食に限らず、高温加熱したリノール酸は認知症の原因とされる神経毒ヒドロキシノネナールを発生しますので、製造過程で高温加熱されたリノール酸を多く含むサラダ油やマヨネーズは禁忌としたほうがよいでしょう。 (文=林裕之/植物油研究家、林葉子/知食料理研究家) http://biz-journal.jp/2016/06/post_15437.html 動脈硬化の主原因は劣化・酸化した脂質です! 人類の進化と実例に学ぶ
脳梗塞や心筋梗塞の原因は動脈硬化です。その動脈硬化の主原因は劣化・酸化脂質です。その劣化・酸化脂質は口から堂々と過食の結果として身体に侵入してきます。 食用油(オリーブ油・コーン油・ブドウ種油・菜種油・・など)や肉に付いている脂:コレステロールなどは、加熱すると劣化・酸化した脂質になります。 ウサギの実験によると・・・劣化・酸化したコレステロールを食べさせたウサギは、生で劣化・酸化していないピュアなコレステロール食を食べさせたウサギよりもより8倍も動脈壁内にプラーク(脂)が蓄積して動脈硬化そのものを生じさせ・進行させます(参照1)。 人類の歴史:40億年の間、人類の祖先は生の食べ物を食べていました。 植物油・動物脂を生で食べるようになったのは3〜4億年前。 植物油・動物脂を加熱して食べるようになったのは1〜3万年前から。 フライ物など、植物油・動物脂を高熱で調理しだしたのは60年前から 急速に進化した人類の食べ物に、身体の細胞の進化が追いつきません。 その証拠として、マクロファージ(異物貪食が役目)は劣化・酸化脂質を食べる・・つまり・・劣化・酸化脂質は・・我々体内の各種の細胞達にとっては栄養ではなく異物なのです。 身体各所で引き取り手がないので、劣化コレステロールは血管内に長く止まって流れていることは証明されているのです。 ライオンは肉食獣の代表ですが、遙か昔に人類と同じ祖先から枝分かれした人類の親戚です。ライオンは草食獣の生ホルモン、生ステーキを毎日食べていますが脳梗塞・心筋梗塞に滅多になりませんね・・・
それでは・・生肉を食べる伝統的食文化があるエスキモーの人達の場合を考えてみましょう。
肉食に偏り、野菜や穀物が極端に少ないグリーンランドに住むエスキモー(イヌイット)の研究では、彼らに糖尿病・高脂血症・動脈硬化などの現代病はなく、心筋梗塞・脳梗塞などの病気もほとんどないことが知られています。
その理由として、EPA(高脂血症薬:エパデールなど・の主成分)やDHAが多く含まれている魚を餌にしているアザラシなどの動物を食べているから・・・という説明がなされています・・・。 鯨やシロクマも食料です・
本当にEPAだけで説明可能でしょうか?・・それでは・・アザラシやシロクマの肉を焼くなどの調理をしても動脈硬化は防げるでしょうか?・・・ 私はやはり動脈硬化になると思います。 伝統的イヌイットはアザラシを生で食べていたし・・鳥(アパリアス)も焼かないで、発酵させて生で食べています“キビヤック"・・・そうです、 EPAを含む食材も大切ですが・・キーワードは・・“生"・・要するに劣化・酸化コレステロールをあまり食べていないからではないでしょうか。 私の症例で検討してみました。 魚を大好きな人達を、肉大好き・肉好き・肉普通・肉嫌いな人達の4群に分けて、脳・心・血管イベントの発生率・T-max(動脈硬化の総合指標)などを調べました。 (表) 肉嫌いな人達は、肉由来の生のピュアなコレステロールのみならず、肉由来の劣化・酸化脂質をほとんど摂取していない人達です. 肉大好きな人達は、劣化・酸化脂質を沢山摂取している人達です。 いずれの群もEPAの血中濃度は高いはずなのに、劣化・酸化コレステロールを沢山摂取している人達の20%にイベントがすでに発生し、動脈硬化(T-max)も進行していました。 驚いたことに、魚を沢山摂取し、劣化コレステロールをほとんど摂取していない群はイベントの発生が0%でした。これはイヌイットの状況と同じです。 でも、肉嫌いだとなぜか?高血圧・糖尿病になりやすいという結果です(表) ので、肉もバランスを考えていただきましょう。 もし、EPAが肉食での動脈硬化を強く予防するなら、魚大好き&肉大好きの群もイベントの発生が少ないはずですが・・そうではありませんでした。 私の私見ですが、劣化・酸化脂質の摂取量に動脈硬化は最も影響を受ける・・つまり、動脈硬化は、肉にEPAが多く含まれているかどうかではなく、加熱調理後の肉をたくさん食べていたか?・どうか・に最も左右されると思います。 肉の種類を細かく分類していませんが、食べる際は脂身(劣化・酸化脂質) が極力少ない場所を冷静に考えて食べるように心がけましょう。 さらに、食物に含まれている分解酵素は加熱でその働きが失われます。 肉を生で食べることは、酵素入り肉を食べていることにもなっているのです。 でも・・・ 動脈硬化になりにくいからといって、温暖な地域の日本で、家畜を生で食べてはO-157などの感染症や未知のウイルスに感染する恐れがありますので、肉の生食にはご注意下さい。 しかし EPAが動脈硬化を抑制している証拠を示す動物実験が確かにあります。それは、マウスにバター食を13週間食べ続けさせた場合と、バターにEPAを混ぜて食べ続けさせた場合の大動脈〜頸動脈の“血管汚れ" =動脈硬化の程度を比較したものですが、バターにEPAを混ぜて食べさせていたマウスの“血管汚れ"が4分の一程度に抑えられていた・・でも動脈硬化は4分の一程度進んでいたのです。(Matsumoto, et al. Atherosclerosis 2008;197:524-33) EPAが動脈硬化を抑制することは学びましたが、ではなぜEPAが存在するのでしょう?・・このEPAは青魚に多く含まれています。EPAは魚自身のためにEPAがあるのでしょうか? EPAはその他の魚類やオットセイ・アザラシなどのほ乳類が健康でいられるためにEPAが存在しているのではないか・・と思います。 もっと昔に思いを巡らせば、地球の全ての生き物が海中にいる時代。蛋白源補給のためには、命つきた魚をも食べねばなりません。そのような魚は死の直後からゆっくりと酸化されます(海の中は,嫌気性細菌が好む酸素の少ない環境)・・でも・・魚自身にEPAがあると、その魚を食べた魚自身の血管が守られることになります・・・。 そういうことで・・魚にはEPAが備わっているのでは・・これも私の私見。 血管に“脂汚れ"が無いと・・“ガン"“感染症"で倒れさえしなければですが・・人間は誰でも、100歳以上も健康で生きていけます。120歳も夢ではありません。 健康のために高級・格安のサプリメント入りともいえるお魚を食べましょう。 EPAの多い魚は青魚です。さらに魚の皮にはコラーゲンが含まれていますので骨を丈夫にし、皮膚・血管をしなやかにしてくれます。 骨粗鬆症の方は、魚の頭・骨・魚皮の煮汁を努めて食し、屈伸運動などの骨に負荷となる運動を加味することで、骨密度の改善、美肌効果が期待されます。 魚の頭・骨・魚皮の煮汁を冷蔵庫に入れて冷却すると、煮汁がプリンプリンしたプリンに変貌します。これが魚のコラーゲンです。 スッポンなどの高級食材から製品化したサプリメントと同等の効果を期待できるでしょう。 最近、骨粗鬆症が増えているのは、魚を食べる習慣が薄れているからかもしれません。魚は皮まで、魚の味噌汁は汁を全部いただきましょう。 (血圧が高くない方は塩分を普通に摂取しても結構です)(参照2) 魚の白子には、髪の毛を黒く蘇らせる“核酸"も含まれていて、不眠症や花粉症などのアレルギーに効果が期待できます。 魚の内臓は“サプリメント"の倉庫なのです。 この記事を書いているときに、福岡県出身の有名な俳優・歌手の“武田鉄矢氏"が「大動脈弁狭窄症」の手術を受けられていたことがニュースで流れました。 手術が成功して幸いですが、それで病気が治ってハッピー・・と言うわけではありません。 動脈硬化による大動脈弁狭窄症なら(参照3)の全ての病気の危険性が潜んでいる・・ということになります。 当院の8カ所の血管エコーを受けていただければ、動脈硬化の程度を判定して差し上げられるのですが・・と・・同じ福岡県民として心配申し上げています。 追記: 高血圧や糖尿病・A1c高値や高脂血症(脂質異常症)や肥満や痛風や睡眠時無呼吸症候群などは、動脈硬化の原因として病院で扱われていますが、これらのほとんどは劣化脂質・糖分などの過食やアルコール多飲などの結果なのです。ですから、結果だけを短時間で改善・治療しても動脈硬化は進行していきます。高血圧のお薬は真面目に飲んでいたのに・・脳梗塞に・・とか、糖尿病の薬をちゃんと飲んで、運動もしていてA1cも低下していたのに・・心筋梗塞になった・・とか・・こんなことを多く耳にして、心が痛む思いです。 こんな状況が全国到る所で、おそらく毎日発生しているだろうと思うと、残念で・残念でなりません。 このような悲しいことが起こりうることは、医療の現場では密かに認識されていて、最近の米国における大規模臨床試験(ACCORD試験の5年成績の結果)でも確認されました。このことを不思議に思い悩んでいる先生もおられます。 私は2007年から血管プラークと食習慣や嗜好などの生の情報、家族歴、病歴などに接し、時間軸でデータを分析していく過程で「なぜ」・「どうして」という疑問を常に持つことで「医学の常識の誤りを見抜く」力を全身の血管エコーを武器として得たように思います。 セブンイレブンの創業者:鈴木敏文氏の2005年の著書「本当のようなウソを見抜く」の御陰で医学の常識に疑問を持ち「どうしてなのか?」と疑問を持ち追求することで真実にせまる「仮説」をたてる癖が出来たように思います。 病院をデパートに例えるなら、高血圧・糖尿病・高脂血症(脂質異常症)・肥満症・痛風・めまい・頭痛・睡眠時無呼吸症候群・狭心症・脳梗塞・心筋梗塞などの治療は「今日の顧客が求める商品」であって、“顧客のために"治療というサービスを提供しています。 “顧客の立場で"考えれば、そんな病気になる前になんとかしてもらいたい・・そんな病気の原因を改善したい・・・と思うはずです。私の小さな店舗には「今日の顧客が求める商品」はあまり置いていません。未来の「明日の顧客」が求める物を置いているつもりですが・・少しずつですが認知されてきたように思います。 http://majimaclinic22.webmedipr.jp/kanzenyobou/column2/12.html
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