受動喫煙のリスクは「確実」
がん、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群
井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部- 【第313回】
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 この夏、「たばこ白書（厚生労働省）」が改訂された。喫煙、受動喫煙と疾患との因果関係を「確実」〜「無関係の可能性」の4段階で評価した点が特徴。

 本人の喫煙と疾患との因果関係が証明されている「がん（肺・咽頭・食道など）」は「確実」。これまで「可能性あり」だった「脳卒中」「心筋梗塞」「糖尿病」も、「確実」に危険度が上がった。

 受動喫煙の影響に関しても手厳しい。「受動喫煙関連の年間死亡者数は1万5000人と推定される」という国立がん研究センターのデータを引いて、日本の受動喫煙対策は「世界でも最低」と断じ、屋内の100％禁煙化を推進すべきだと提言している。

 ちなみに、受動喫煙による推計死亡者数は、毎年1万人以上が亡くなった1960年代の年間交通事故死亡者数に匹敵する。

 当時は、前回の東京オリンピックを3年後に控えた61年から読売新聞が「日清戦争より多い死者」という刺激的なタイトルで、交通事故の現実を取材した連載「交通戦争」をスタート。欧米の事例から対策の必要を論じた。

 世論の盛り上がりを背景に、道路交通法の改定や取り締まり強化が行われ、安全面の技術革新もあって交通事故死は減少していく。2015年の交通事故死は、4117人。70年に記録した最大1万6765人の4分の1以下だ。

 受動喫煙関連死については、推計値に疑問の声がある一方、直接死ではない点が重大性を見えにくくしている。ただ、死亡者数の多さは侮れない。20年に向け、何らかの法整備はありそうだ。

 受動喫煙との因果関係が確実とされる疾患は、「肺がん」「脳卒中」「心筋梗塞」「乳幼児突然死症候群（SIDS）」がある。両親とも喫煙者でのSIDS発症リスクは、非喫煙夫婦の約5倍。母親の受動喫煙だけで2〜3倍に上昇する。

 妊娠の報告と同時に禁煙を迫られる人は少なくないだろう。分煙で勘弁して欲しいかもしれないが、喫煙者の身体に付着した残留物が屋内で再び放散される「サードハンドスモーキング」のリスクも侮れない。自分と子供の将来のために、禁煙したほうがいい。

（取材・構成／医学ライター・井手ゆきえ）
http://diamond.jp/articles/-/104434 　

コメント

1. 2016年10月14日 12:22:52 : lslmxqPves : rgo8KriEZLI[17] ▲△▽▼ タバコって怖いんですね。 ガキの頃、親父が部屋でプカプカ、電車・バスでも他のおじさんおばさんもプカプカ、喫茶店でも食堂でも同様。副流煙満開ですね。 今は、当時と比べて分煙化は進むし喫煙者数も減るしで、さぞみなさん健康におなりになったものと思っていたらそうでもない？ こまったな、次はどういう屁理屈をこねようか。 >喫煙者の身体に付着した残留物が屋内で再び放散される「サードハンドスモーキング」のリスクも侮れない。 いいのがあったぞこれにしよう！ しかし問題は、これを真に受けて皆が禁煙したとしても効果が無かったとしたらどうするんだろう。 １本でも吸ったら周囲に被害が及ばないように隔離か？ そもそも、放射能タバコ・農薬まみれタバコ・添加物まみれタバコ・添加物入り紙巻きタバコ・オーガニックタバコ、みんな一緒くたか。 普段は細かいことにこだわる連中にしては、杜撰過ぎる。

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