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大発会では479円高の大幅上昇となったが、その後上値が重くなっている(撮影:梅谷秀司)
トランプ勝利後の上昇相場は転換点を迎えたのか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170116-00153881-shikiho-biz
会社四季報オンライン 1/16(月) 16:41配信
年が変わって上値は重くなったとはいえ、なんとか底堅い相場展開が続いている。日銀のETF(上場投資信託)買いが目立った昨年末とは違い、日銀の買いが目立たないなかで堅調な相場となっているが、何となく盛り上がりに欠ける展開だ。
大きな要因は、目先的な値動きに飛びつく短期志向の投機家が好むような銘柄は引き続き堅調な一方で、「トランプラリー」と言われている米大統領選挙後の相場上昇のけん引役となった円安メリット銘柄や金融株の上昇が止まったということだろう。
指数の値持ちは良いのだが、上値を切り上げるような主力銘柄もなく、出遅れ銘柄の修正で指数の値持ちが良いということでは指数が大きく上昇することでもないと盛り上がらないということなのだろう。
そもそも「トランプラリー」と言われた時に、日本の株式市場がそれほど上昇する理由があったのだろうか? 「アメリカファースト」とされるなかではトヨタ自動車のメキシコ工場の件に見られるように、日本の企業にとって必ずしもトランプ大統領の政策、言動がプラスになるとは言えないと思う。
■ 本当の相場上昇要因を考える
もちろん、ここまでの株価上昇はドル高=円安によるところも大きいので、実際にトランプ大統領の政策期待が株価を押し上げた部分は、こと日本株に関してはほんの一部で、実際には米国の利上げ=ドル高要因が大きいものと思われる。
実際に、米国のトランプ大統領の政策で日本株が上昇したということではなく、一番大きな要因は、信用取引の売りが積み上がっていたこと、そして売り上がる向きが多く、信用取引の売り残高が減少しなかったことが大きな要因だと思われる。
信用取引の売りというのは株券を借りて来て市場で売るということだが、借りてくる株券が不足している状態が11月以来継続している。これだけ上昇している相場であれば、通常は「買い戻し」が入り、借りている株券の数も金額も減少するはず。しかし、大発会の時のように大きく上昇したところでも、信用取引で買っていた向きは手仕舞い売りをするものの、信用取引で売っていた向きは売り上がるという傾向にあった。
アルゴナビスの会員の方の話では、昨年10月頃から、米大統領選挙を控えて信用取引の売りを推奨している人達がいて、個人投資家(投機家? )の間では、信用取引での売りが流行していたようである。通常の株主優待をリスクを減らして取得する「つなぎ売り」ではなく、株価の下落を想定しての売りが多かったということだろう。
信用取引の売りと買いの比率は歴史的な低水準(売りが買いを上回っている)だが、残高をみると株数に比べ、金額が非常に大きいことが大きな特徴となっている。つまり株価の高い銘柄に信用取引での売りが多いということである。そして、その数字を裏付けるように、インターネット上などでは「日経レバレッジのようなETFでは上昇よりも下落の方が有利だ」というような、真実とは言いがたいようなことが喧伝されており、信用の売りが流行していたということである。
そうした、信用取引の売りでは、本来であればかからないコストまでかかる「逆日歩」という状況が生じて、常態化している。コスト増を嫌う向きの買い戻しで指数が押し上げられたということもありそうである。
■ 目先的には下落要因が多く、調整か
それでも、こうした相場上昇要因は変わりつつあると思われる。信用取引の売りの中でも利益が出てきている向きも現れ、今度は売り方の回転が効きつつある。米国でも債券売り、株式買いの流れが一服となった。これによって米国の金利上昇もいったんストップし、ドル高=円安の流れも一服となり、巻き戻しが起きつつあるということである。
こうなると、これまで「下がれば買い」ということであったものが「上がれば売り」ということになって、相場全体に一服感が出ると思う。加えて、日経平均採用銘柄の入れ替えも目先的には売り要因となる可能性もありそうだ。
20日の米新大統領の就任式に向けての思惑もあるが、24日から日経平均採用銘柄のミツミ電機 <6767> がミネベア <6479> との合併で日経平均の採用から外れ、新たに大塚ホールディングス <4578> が採用される。50円額面に換算した株価が違う銘柄の入れ替えなので、ミツミ電機が売られ、大塚HDが買われるということだけでなく、ミツミ電機を除いた日経平均に採用されている224銘柄にまとまった売りが出るという可能性もある。
224銘柄を売り、日経平均先物を買うという動きも出ると思われ、株式市場の波乱要因となる可能性もある。注意が必要だろう。したがって、目先的には日経平均は米国の大統領就任式や決算発表、そして債券から株式の流れが一服となったことでの円高要因などを除いても、積極的には買い上がり難いということになりそうである。
ただ、当面は信用取引の売りの残高が多く、下支え要因となること、そして流れとしては米国での金利上昇、日本での低金利は継続するので、円安傾向となることなどから、大きく下落するということは考えにくい。13年前半のように、急落の懸念を含みつつ堅調な地合いが続くということなのだと思う。
日経平均は当面は1万9000〜1万9500円の動きと想定しておいて良いと思う。そして1万9500円を抜ければ2万円近くまで上昇、1万9000円を割り込むと1万8500〜1万8600円水準まで下落する懸念もあると考えておけばいいと思う。
目先的には大塚HDの動きが気になるし、調整一服となると伊藤忠商事 <8001> や三菱商事 <8058> 、三井物産 <8031> など大手商社株の動きも気になってくる。鳥貴族 <3193> 、株主優待利回りの高いクリエイト・レストランツ・ホールディングス <3387> など外食株も注目だ。
清水洋介/大和証券、マネックス証券、リテラ・クレア証券など経て、現在アルゴナビスでフィナンシャルコンシェルジュ
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
清水 洋介
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