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シャッターが閉まったままの商店街。出口は遠そうだ (写真: うげい / PIXTA)
日本経済は、さらに半世紀「ゼロ成長」が続く これまでの数十年は、まだいい時代だった
http://toyokeizai.net/articles/-/151288
2017年01月10日 リチャード・カッツ :本誌特約記者(在ニューヨーク) 週刊東洋経済
日本は今後約半世紀にわたり、生産性を大幅に改善させないかぎり、1人当たりGDP(国内総生産)がまったく増えないおそれがある。高齢化と人口減少が押し寄せているからだ。
■産業革命後では考えられない事態に
富裕な国家が半世紀もゼロ成長にとどまるとすれば、250年前の産業革命以降では考えられない事態となる。
ある国家がゼロ成長に見舞われれば、所得が平均以下の世帯の生活水準は非常に悪化する。貧困層は高齢者の中でも増加傾向にあり、今後さらに膨らむおそれがある。
高齢者については、日本では過疎地を中心とする約700万人が食料品店を利用できない状態にあると試算される。商圏が小さいと採算が合わず、食料品店を開設できないのだ。
人口減に伴う税収の落ち込みで、行政サービス提供も徐々に難しくなりつつある。埼玉県秩父市では、さびた水道管を改修する余裕がなくなり、各世帯向けの水の約3割が供給の前に漏れ出てしまったこともあった。
高齢者の貧困率を引き下げるには、政府支援が重要になる。だが不況に伴い増税への抵抗感が強まれば、高齢者への資金支援や就労者の健康管理、若年層の教育に税金を投入するのはますます困難になる。
日本では生産年齢人口の減少ペースが総人口のそれを上回るため、事態の深刻さに拍車がかかりそうだ。国立社会保障・人口問題研究所によると、今後45年間で日本の総人口は約3割減少し、中でも20〜64歳の人口は約4割減る見通しだ。
そうなると、2015年に1対1だった就労者と非就労者の比率は、60年までに0.8対1になる。つまり生産性が2割程度増えないかぎり、この間の1人当たりGDPを横ばいに保ち、現在の生活水準を維持することすら不可能となるのだ。
生産性向上が不可欠な状況下にありながら、日本は景気減速に苦しんでいる。1980年代に就労者1人当たり実質GDPは年率で3.5%増えていたが、2015年まで10年間の生産性の伸び率はわずか年0.5%だった。安倍晋三首相はアベノミクスでこの状況を逆転させると公約したが、これまでのところ失敗している。
■逆転はあり得る
過去四半世紀は「失われた数十年」と呼ばれる。だが、将来この時期を振り返れば、「古き良き時代」と思えるかもしれない。
もちろんアベノミクスの「第3の矢」である構造改革を通じ生産性を高めることができれば、状況は変わる可能性がある。仮に生産性が年率2%向上すれば、1人当たりGDPは年率1.6%のペースで増える。
この状況はありえないわけではない。日本には「後進性の利点」があるからだ。成長が世界基準に比べて立ち遅れている国ほど、伸びしろは大きくなる。
近年、米国では生産性革命が起きた一方、日本は停滞していた。だからこそ、生産性改善の余地があるともいえるのだ。
(週刊東洋経済12月31日・2017年1月7日合併号)
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