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資源高でウハウハ!?三菱に三井...商社に「完全復活」の兆し 各社がトップ争い…勝つのはどこ?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50597
2017.01.10 週刊現代 :現代ビジネス
■利益が「4倍」になる
「どん底まで落ちていた資源価格がここへきて急回復してきたことを受けて、『資源不況』で赤字を垂れ流してきた大手商社のV字回復が見えてきました。
実際、私が'17年3月期決算を試算してみたところ、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の5大商社の経常利益は、'16年3月期の『4倍以上』に急拡大するとの結果が出た。'17年春の決算発表シーズンには、幹部たちが笑顔で会見する『商社復活劇』を目の当たりにするでしょう」(ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏)
資源に泣いていた大手商社が、今度は資源で笑う―。
中でも、いま一番笑いが止まらないのが三菱商事である。
数多くある資源の中で、ここのところ最も急激に高騰しているのが鉄鋼の原料として使われる原料炭。'16年の夏場には1t=90ドルほどだったのが、直近で300ドル近くと「3倍以上」に急上昇している。QUICK企業価値研究所チーフストラテジストの堀内敏成氏が言う。
「中国が原料炭の生産規制を打ち出したことで価格が急騰している形で、三菱商事にとっては大きな恩恵になります。というのも、三菱商事は豪州でBHPビリトンという世界最大級の鉱山会社と合弁で原料炭事業を展開していて、その年間生産量は6600万tと世界トップクラスです。
会社側は公表していませんが、原料炭が1tあたり1ドル値上がりすると、三菱商事の通期の純利益は20億〜25億円ほど増えるとされる。仮に原料炭が100ドルから300ドルに上がれば、単純計算で年間4000億円超の利益が上積みになる。
実際、三菱商事は'16年11月に、資源部門の純利益を期初予想の100億円から1060億円に大幅上方修正しましたが、今後、上方修正の額はさらに大きくなる可能性があります」
価格が下がれば数千億円規模の巨額減損を強いられる一方で、価格が上がればその分利益が膨らむところが資源ビジネスの醍醐味。
原料炭のみならず、白金(プラチナ)価格の上昇もまた、三菱商事には利益貢献度大となりそうだ。コモディティーインテリジェンス代表取締役社長の近藤雅世氏が指摘する。
「白金価格は下がり続けていたのが、'17年にかけて反動高の期待感が高まってきました。自動車触媒用などの需要が豊富なのに供給不足が続いており、いつ価格上昇の局面が来てもおかしくない。その白金の現物取引では、三菱商事が断トツ。当然、利益に直結します」
■トップに立つのはどこだ
これまで「お荷物」だった資源部門がエースに返り咲く勢いだが、資源高の果実を得られるのは三菱商事に限らない。
鉄鉱石の価格上昇も始まっているが、これに大喜びしているのが三井物産の「資源マン」たちである。
「三井物産は鉄鉱石の権益規模で商社ナンバー1。その鉄鉱石の対日輸出価格はすでに10ドル以上も上がっており、三井物産が年間5700万tの鉄鉱石を取り扱っていることから単純試算すると、'17年3月期の下期だけでも350億円ほどの増益効果が出る計算です」(前出・安藤氏)
暴落していた原油価格も、OPEC(石油輸出国機構)の減産合意で反転。これがまた、三井物産に「慈雨」となる。
「三井物産は鉄鉱石はもちろん、原油・天然ガスの権益比率も他社と比べて多く、原油が暴落相場から脱するのは非常に大きい。三井物産は銅にも強く、その銅価格も1t=4000ドル台だったのが6000ドル近くにまで上がり、チリの銅鉱山では前期約900億円の損失を出したが、この損失が改善する可能性も出てきた。
三井物産は'17年3月期の連結最終利益を200億円上方修正しているが、さらに上乗せしてくる可能性は高い」(前出・堀内氏)
'16年には伊藤忠が三菱商事から「商社トップ」の座を奪取したが、目下の資源高で'17年はより激しいデッドヒートになることは必至。現時点で、'17年3月期の各社の予想利益は、伊藤忠が3500億円、三菱商事が3300億円、三井物産が2200億円だが、各社ともにさらに上振れする公算大で、今後はどこまで積み上げられるかの闘いになる。
「まず'17年3月期は、原料炭価格急騰の恩恵を一番受ける三菱商事の利益が相対的に拡大する。伊藤忠も豪州に鉄鉱石、アゼルバイジャンに原油などの権益を持ち資源高の恩恵を得られるが、三菱と比べるとかなり見劣りする。
ただし、伊藤忠は得意の非資源が絶好調なので、順当に行けばトップ争いはこの両社の一騎打ちとなるでしょう。
しかし、三井物産も豪州のガス田の権益を買収したり、アフリカのモザンビークで1兆円を超える巨額投資案件が進行中。資源市況の上昇が続けばプロジェクトが早く進み、近い将来にリターンも期待できる」(前出・堀内氏)
市況次第で、どこが覇権を握ってもおかしくない。完全復活した巨大商社の壮絶なバトルから目が離せない。
「週刊現代」2016年12月31日・1月7日合併号より
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