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2児の母親&管理職の私が得た、ものすごい能力と特権…育休=かけがえのない経験
http://biz-journal.jp/2017/01/post_17672.html
2017.01.09 文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役 Business Journal
『営業部長 吉良奈津子』(フジテレビ系)や『ON 異常犯罪捜査官 藤堂比奈子』(関西テレビ)、『家売るオンナ』(日本テレビ系)など、昨夏の連続ドラマは働く女性をテーマにしたものがとても多かったように思います。仕事と家庭の両立や、会社内での偏見、出産後の復帰などのテーマは、働く女性、そして今から就職をする女性にとってはとても関心のあるテーマといえるでしょう。
しかし、いくら男女平等が謳われても、どのように家庭と仕事を両立していくかは会社では習うことができません。2児の母親であり、女子社員として自らの“人生をヒット”させてきた乳製品会社に勤める鈴木吉江さん(仮名)に、現代社会を生き抜き、女性が男性と対等に渡り合い“ヒットする人生”の送り方についてインタビューしました。
■“負けたくない”の思いを胸に
――鈴木さんの今までのキャリアについて教えてください。
鈴木さん 学生の頃に専攻していた理科系の知識を生かし、食品メーカーの技術研究所に入社しました。そこで、冷凍食品の改良など「今あるものを良くすること」に取り組む、商品開発部に配属になりました。4年半ほど続けた後に、「自分のやっていることが商品のどこに生かされているのかがわからない」「メーカーにいる以上、せっかくなら商品開発をやってみたい」と考え始め、マーケティング部門へ移りました。
それから30歳前半まで、がむしゃらに働き、産休からの復職後、違う会社に転職しました。子供が小さかったので20代の頃のようにバリバリに働くのは難しかったので、「40歳になれば、きっとエンジンがかけられる、それまではいろいろな経験ができればいい」と考え、さまざまな経験を積みました。
幸い、勤務していた会社は自宅で仕事のメールができるように許可されていたので、子供が寝た後に仕事ができたことも最大の強みでした。その職場の状況と、上の子がある程度自立してきたこともあって、「もうひとりいける!」と思い30歳半ばで、もうひとり子供を授かりました。その後、2人の子供を育てつつ仕事をして、今ではマーケティング部門の管理職であるグループマネージャーをしています。
■二児の母とブランドマネージャーをこなす
――2度の出産を経験されたということですが、これから出産を考えている人へのアドバイスはありますか。
鈴木さん 産休後に復職を考えている方は、子供を産む前に「自分の価値」をきちんとつくっておくことですね。会社から「戻ってきて!」と思われる実績と経験、取り替えのきかない人材になることがとても大事です。たったひとつでもいいので自分の得意分野をつくり、「その分野だけは絶対に鈴木さんにしかできない」とまで言ってもらえるまでになれば、復職後も同じ場所に戻れる確率が格段に高くなります。
若い頃にがむしゃらにがんばっていれば、自分の事をきっと見ていてくれる人はいます。特に子持ちになると、就職活動は本当に難しくなります。自分を必要として、認めてくれる人は、復職の時に社内で助けてくれるはずです。さらに、復職に当たり、自分はこれだけ腕を磨き得意分野をつくってきたという自信があると、それほどブランクを感じずに戻ることができます。がむしゃらにがんばることは、のちの自分を助けることにもつながるのです。
■今できることを精いっぱいやる
――出産前に自分の価値をつくることが大切、ということですね。産休、育休の間、意識することはありますか。
鈴木さん 産休、育休中は社会から遅れているという焦りや孤独感を割り切って、「できないことはできない」と思うことが必要です。育児中は社会から閉ざされたような孤独感があります。子供を育てていく上で、いわゆる公園友達などの近所の人とは話すのですが、どうしても焦りを感じてしまいます。私自身も、知的財産権を学ぼうと思い入った社会人向けの大学院を、「社会から遅れてしまう」という焦りから1年で単位をほとんど取り復職した経験があります。
しかし、実際は社会から遅れているわけではありません。育児の間で養うことができるコミュニケーション能力やタイムマネジメント能力、親の視点というものは社会に出て強力な武器となります。また、子供ができることで家族、守るべきものができて、会社で嫌なことがあってもオンオフができるようにもなります。精神面でも強くなるということです。無駄なことは何ひとつありません。焦らず、そのときできることを精いっぱいやることが大切だと思います。
■育てる立場に立った今思うこと
――マーケティング部門の管理職として、人を支える・育てる立場から見て、今の女性社員をどう思いますか。
鈴木さん 男女雇用機会均等法等ができてから、男性の考え方が格段に変わり、女性は働きやすくなりました。しかし、考え方が変わったとはいえ、まだまだ女性の産休は疎まれがちです。育休では人材の補填ができないので、育休で休みの女性が多いと、常に2〜3人少ない状態で仕事を回すことになります。そして育休は予測ができないものなので、さらに大変です。しかし、デメリットばかりではありません。
――育児によって仕事上でメリットがあるということですか?
鈴木さん そうです。具体的には、産休後の女性はマルチタスク能力が格段に上がっています。オンオフの切り替え、タイムマネジメント能力が身につき、“5分の大切さ”をわかっています。このように効率性・集中力がグッと上がるのは、産休後の女性の特権だと思います。子供は0〜2歳までは突発的な病気やお迎えなどで手が離せませんが、3歳になればある程度自立します。つまり、その時期まで家庭、地域でフォローができれば、女性は男性と並んで働けるということです。
もちろん0〜2歳の母である時期も、決して無駄にはなりません。母として消費者側の気持ちや、生活能力が身につきます。それはマーケッターとして大きな武器になる能力です。消費者の気持ちがわかる女子社員は、流行に敏感で若い女子社員と同様に大切です。長い間最前線で生き抜き引っ張っていく男性=父親と、親の広い視点で全体を見て陰から支える女性=母親は、どちらも会社において必要な存在です。
――アドバイスありがとうございます。最後に鈴木さんのこれからのキャリアプランについてお聞かせください。
鈴木さん 2人の子供も自立し、やっと仕事8割になれる、と思っております。しかし、今は偉くなりたいというよりも、自分のキャリアを下に伝えたいと思うようになりました。また、少しずつ会社の仕組みも変えていかなければいけないと思います。実は私の会社は外資系と比べるとやはり遅れていて、外資系では子持ちの女性社長も珍しくないのに、弊社には子持ち女子社員はまだまだ少なく、「子持ち+管理職」はマーケティング部門では私だけかもしれません。
ということで、やはり私は自分のやりたいことに加え、キャリアを開拓していく役割もあるのかな、と思ってます。子持ち女子社員が希望を持てるようなキャリアを踏んでいくことも、少し意識し始めています。
――ありがとうございました。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)
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