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パナソニックが発売する4K有機ELテレビ(CESで)
パナソニック、有機ELテレビ拡大の裏に韓国の存在あり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170108-00010002-newswitch-ind
ニュースイッチ 1/8(日) 12:10配信
■パネル供給でLGと思惑一致!?テレビ事業は過去の教訓を生かせるのか
2017年内に有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)テレビを日本国内、アジア、中南米で発売すると発表したパナソニック。ソニーも同年内に日本を含む全世界で4K有機ELテレビを発売することを決めている。国内の高価格帯製品の主役は現在の4Kテレビから4K有機ELテレビへと移りそうだ。
IHSテクノロジーによると、16年1―9月期の4Kテレビの価格は、前年同期比で28%下落した。45型以上での4K比率は日本が75%、中国が73%。普及の速度が遅かった欧米でも本体価格の大幅な下落と、ネットフリックスなどのインターネットサービスがけん引役となり、約60%に上昇した。50型以上では18年までに浸透率がほぼ100%となるだろう。
<波乱要因は中国>
今後、テレビ市場の波乱要因になりそうなのが中国。IHSテクノロジーの鳥居寿一シニアディレクターは「大きな変化がコンテンツメーカーがテレビ市場に参入している点。例えばストリーミングサービスを手がけるLeEco(楽視網)は、視聴契約とテレビをセット販売する手法でシェアを伸ばしている」という。
同社は、米テレビ大手のVizioの買収も発表した。テレビ本体の価格をゼロにするなど、大胆な価格設定で強みを発揮している。
同様にシャオミなど5―6社がストリーミングテレビを出しており、競争が激しくなっている。中国ではテレビ放送よりもネットのストリーミングサービスがどんどん普及していることも、その動きを加速している。
「こうなると厳しいのが、TCLやハイセンスなどのテレビメーカー。中国市場での成長が見込めず、北米やアジアを中心にグローバル展開を図っている。だがブランド力やマーケティング力が弱く、苦戦している」(鳥居氏)
<勝ち残りの条件はプレミアム層の囲い込み>
テレビ市場で勝ち残るには規模を拡大するか、高価格層を確保することが必要になる。プレミアム層の選択肢の一つが、有機ELテレビだ。2000ドル以上の価格帯で売上高に占める有機ELテレビの比率は40%。現状、パネルは韓国LGディスプレイのみが供給しているが、まだ歩留まりは低い。
「そのため日本を含めて他のブランドを囲い込もうとする動きを強めており、高価格帯を維持したいテレビメーカーとも思惑が一致」(同)。その1社がパナソニックというわけだ。
パナソニックの有機ELテレビは「HDR(ハイダイナミックレンジ)」と呼ばれる高画質技術を初めて採用して、画質にこだわる富裕層の買い替え需要を狙う。品田正弘テレビ事業部長は「過去に販売したプラズマテレビを上回る画質で、同じ顧客層を満足させられる製品になった」と、買い替え需要の取り込みに自信をみせている。
■「プラズマのように売上高を追うと健全でなくなる」(津賀社長)
しかしパナソニックは昨年、売上高10兆円の目標をあっさり撤回した。津賀一宏社長は「プラズマテレビのように利益が出ない状況で売上高を追うと健全でなくなる」と反省する。
プラズマや液晶のディスプレーでも大型投資をして、結果、巨額損失により痛い目にあっている。有機ELディスプレーも一時内製化も視野に入れていたが、結局、ソニーと事業統合し「JOLED」を設立した。
そのJOLEDも日の丸液晶会社のジャパンディスプレイと統合することになった。ジャパンディスプレイは、今のところテレビ用の有機ELパネルを量産する余裕はない。
シャープは親会社の台湾・鴻海精密工業の資金力を武器に 18年度中にテレビ販売を年1000万台まで増やす計画。1億円で売却した欧州テレビ事業を100億円強で買い戻すことを決断。
また鴻海の液晶子会社からパネルを調達、フルハイビジョンの16倍の解像度の「8K」を発売を予定するなど拡大路線に舵を切った。
IoT時代の到来で再び注目され始めたテレビ事業。パナソニックはどのような収益モデルを築いていくのか。ラスベガスで開催中の世界最大の家電見本市「CES」で華やかに披露している裏で、重い課題が突きつけられている。
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