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銀座で1億円遺失、24億脱税疑惑、相場操縦で60億利益の疑い…あの伝説的人物が逝去
http://biz-journal.jp/2017/01/post_17665.html
2017.01.07 文=編集部 Business Journal
金融商品取引法違反(偽計、相場操縦など)に問われ、東京地方裁判所で公判中の誠備グループ元代表・加藤ロ(あきら)被告が2016年12月26日、東京都内の病院で死亡した。
インターネット上のコラムに虚偽の情報を書き込み、11年11月〜12年4月に大阪証券取引所1部(当時)の化学メーカー、新日本理化の株価を不正に吊り上げたとして15年11月に逮捕された。容疑は12年2月15日にから3月2日にかけて同社株式を大量に買い付けたというもの。15年12月に東京地検特捜部に起訴された。
加藤氏は、16年6月に東京地裁で開かれた初公判では無罪を主張。だが、勾留中から体調が悪化、9月に保釈後そのまま入院していた。長男で元大阪大学大学院助教の恭(たかし)被告も、共謀したとして起訴されていた。東京地裁から公訴棄却の決定が出される見通しだ。
■銀座で1億円の落とし主
加藤氏は“兜町の風雲児”と呼ばれた伝説的な相場師だ。1941年に広島県で生まれ、2歳の時に被爆した。高校生の頃、当時、不治の病といわれた結核に罹り、4年間の療養生活を送った。
被爆と結核療養という2つの体験を通して人生観、宗教観が形成された。あらゆる宗教に救いを求め、たどり着いたのが般若心経だった。復学した加藤氏が倫理社会の授業で人生について語ると、魂を揺さぶられた同級生が感動のあまり涙ぐむことがあったというエピソードが残っている。
療養所近くにあった宮島の競艇場に通い、「じっと見ていると、どれが1番になるか見えてくる」と同級生に語っている。療養生活のなかで、人を感動させるカリスマ的能力と、ギャンブルに対する天性のカンが養われた。
早稲田大学商学部を卒業したが、入社試験で苦渋を味わった。4年遅れという年齢的なハンディキャップのため、大企業からことごとく門前払いを食らったのだ。
いろいろな仕事に就いたが、「男になるには株式市場しかない」と考えた。それで黒川木徳証券の歩合外務員となった。加藤氏の特異な才能を認めたのが、日本のドンといわれた笹川良一・日本船舶振興会会長(当時)だった。
77年に投資顧問会社、誠備を設立。その名付け親は笹川氏だった。医師や社長、政治家など5000人を会員とする誠備グループを率いた加藤氏が“兜町の風雲児”と呼ばれたのは、この頃のことだ。
81年2月、加藤氏は東京地検特捜部に逮捕された。所得税違反(脱税共犯)の容疑だったが、特捜部の狙いは顧客である政治家の名前を吐かせることにあった。加藤氏は取り調べ中、般若心経を唱え完全黙秘を貫いた。もし口を割っていたら、リクルート事件のような一大疑獄事件に発展していたに違いないといわれている。
助け船を出したのは、「経済ヤクザ」の異名を持つ石井進・稲川会会長だった。「秘密は厳守する」というプロ相場師の侠気に感動した石井会長は、加藤氏側の証人に立った。
裁判の核心は、加藤氏本人の24億4500万円に上る脱税だ。仮名口座による株取引による利益は、すべて加藤氏の所得と検察は主張した。石井会長は、仮名口座は自分が加藤氏に資金運用を任せた分だと証言し、利益は顧客のもので加藤氏の利益でないことを立証した。加藤氏は顧客の脱税幇助で有罪になったが、脱税という点では無罪になった。石井氏の証言が決め手となった。
般若心経を唱えながら滝に打たれる苦行をした加藤氏は、株式市場に戻ってきた。89年、石井会長の指南役として仕掛けた東急電鉄株の仕手戦が彼のキャリアのハイライトだった。地産グループの竹井博友氏や光進グループの小谷光浩氏といった大物仕手筋が総結集し、大相場が形成された。だが、91年に石井会長が病気で亡くなり、東急電鉄株の買い方は崩壊した。これで株バブルの狂乱も終焉した。
■ネットで新日本理化の株価高騰を予測
11年3月、東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所事故によって、長く沈黙していた加藤氏の名前が株式市場で復活することとなった。原発事故の報に接した加藤氏は「般若の会」を立ち上げ、実名で株価の見通しを披歴した。
同年11月1日、「時々の鐘の音」と題するサイトを開設し、「般若の会代表、加藤ロ」名で「空売りが異常に膨らみ、大相場になる雲行き。1300円で売って利益を得た人だけが天から合格証を与えられる」と最初の書き込みをした。市場関係者には、大証1部に上場している化学メーカー、新日本理化を指していることはすぐにわかった。
その後、加藤氏が推奨した新日本理化の株価は暴騰した。逮捕容疑となったのは、風説の流布ではなく相場操縦。12年2月5日から3月2日の間に親族の口座を利用して20〜30億円で新日本理化を296万株買い、同時に280万株の買い付けを委託して株価を871円から1291円まで吊り上げた。この間、持ち株の一部を売却して利益を得た。売却益は新日本理化など4銘柄合わせて総額60億円に上ったと報じられた。
バブル期まで加藤氏は兜町を疾駆した相場師だった。しかし、ネット取引の普及とともに、デイトレーダーに取って替わられた。パソコン経由で日計り商い(同一日に売買をすること)で利ざやを稼ぐ個人投資家が主役の座を占め、オールドタイマーの仕手筋は存在感が薄れた。古典的な相場師だった加藤氏も、趨勢には勝てず消えていった。
(文=編集部)
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