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物価水準の財政理論〜ケインズ経済学の再来か?
十分に味わう価値のある「新しい皮袋に入った古い酒」
2017.1.6(金) 浜田 宏一
4世紀の日本、仁徳天皇は宮殿の近くの小高い丘から国を視察した。天皇は臣民の台所から立ち上る煙がほとんど見当たらないことに気づいた。大部分が百姓であった臣民が厳しい経済状況にあることを知ったのである。
そこで彼は3年間、臣民からの税の取り立てを免除した。宮殿の石垣が荒廃し、宮殿の屋根の隙間から星が輝いて見える状況にありながらも、国民への税金の取り立てをやめたのである。
3年後、彼はまた丘に登り、民家から煙がもくもくと立ち上がるの見て、彼はその徳政令の政策に大いに満足した。国民も宮殿を修復するためにボランティアに集まったという。彼が仁徳天皇と呼ばれたのも不思議ではない。
それから約2000年後、現在の日本経済は、2014年に行われた大幅な消費税の引き上げと、今後見込まれる追加的な引き上げのために、消費需要が沈滞している。日本の民間部門は、政府の収支を心配するあまり、消費そして投資への意欲を失っている。
ここに仁徳天皇の物語が思いおこされる。人々の支出は自分の富に依存し、政府の富には依存しないからだ。
日本だけでなく、世界中の政策当局者が政府の台所の収支ばかりで頭がいっぱいである。政策は常に収支均衡の予算が守られることを理想としている。米国ではこの教義を信じた共和党のティーパーティーが、米国の地方自治体や州政府の多くの正常な機能を妨げることすらあった。ユーロ圏の基本的な問題点は、単一通貨ユーロの採用により、各加盟国が独立した金融政策を行えないことにあるが、加盟国の赤字/GDP比を制限する厳しい財政ルールによって困難が倍加している。
***
さて、マクロ経済学の新しい波、FTPL(Fiscal Theory of Price Level:物価水準の財政理論)が勢いを増している。昨年の夏、有名なジャクソンホール会議で、FTPLのリーダーでプリンストン大教授のクリストファー・シムズが、他の人には難解なFTPLを一般にも分かるような形で基調講演を行った。
人々の総支出、すなわち消費および投資支出は、現在および将来のバランスシートの下での民間主体の選択によって決定される。民間の資産は、国内の実質資産と海外純資産との和にハイパワード・マネーと公的債務を加えたものである。すなわち、民間支出は、国の純資産と日本銀行と政府の両者の負債の和で決まる。
興味深いことに、シムズは日本経済の問題点をはっきり指摘している。
第1に、量的緩和(QE)、すなわちお金とその代替物であるゼロ金利債券の単なる交換は、総需要への刺激としての効果は次第に小さくなる。
第2に、欧州のようなマイナス金利政策(NIRP)は、イールドカーブを下にシフトさせることによって市場金利をマイナス圏に導く手段としてはうまく機能した。しかし、この政策は実際には金融機関への増税であるため、民間部門のバランスシートに悪影響を与える。
日本においてマイナス金利のマクロ効果が今ひとつなのは、このような理由による。
民間のバランスシートが政府の債務に左右されるというFTPLの論理を念頭に置いて、政府債務については均衡財政論者より柔軟な見方をする必要がある。
インフレ状況下では、大量の公債を発行して政府が資源を浪費する誘惑が生ずる。シニョレッジ権の1つであるこの権限は君主制の時代から濫用され、インフレを起こして資産所有者に一律のインフレ税を課すことになった。一定の実質の政府支出調達するためにより高い税率が必要となるため、多額の公債残高は財政の効率を損なう。
他方、景気後退や停滞の状況下では、公的債務の存在は経済を回復させるのに役立つ。政権が安定している限り、追加の利払いは経済に負担をかけるが、国民の負担を先延ばしして需要不足を救うことができるからである。公債をいわば「見せ金」として国民に持たせることにより、経済を完全雇用水準に保つこと可能となりうるのである。(ネオ・リカード派は、公債の背後には将来の世代の税負担が隠されているため、人々の手にする公債は無価値だと主張するだろうが、リカード自身が認めていたように人々はそこまで賢くない。)
積極的な財政政策の根拠とされていたケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』は1936年に出版された。ほぼ40年後、同書は、反ケインズ革命という形で合理的期待形成論者によって激しく批判された。 そして80年後の今、ケインズの考えは、世代を越えた消費の選択など一般均衡論の洗練された形に扮してFTPLとして戻ってきたといえよう。これは確かに新しい皮袋に入った古い酒であるが、十分に味わう価値のある酒である。
c Project Syndicate, 2017.
www.project-syndicate.org
ismedia
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48839
21世紀によみがえる「ケインズの亡霊」「インフレ税」はアベノミクスを救うか
2017.1.6(金) 池田 信夫
日銀がいくらカネをばらまいてもデフレは脱却できなかった
新年の朝日新聞の連載が、ちょっと話題になった。1月4日の1面の「経済成長は永遠なのか」という記事は、「成長は永遠だと思わないほうがいい」と結ばれるが、そんなことは自明の理である。問題は成長をやめてどうするのかということだ。
日本の政府債務(一般会計)は1100兆円を超えた。これを返済するには、将来の消費税率は30%以上に上げなければならない。逆にいうと、われわれの世代は将来の成長による税収をを先食いしているのだ。ここで成長をやめたら借金をどうやって返すのか――朝日新聞のような「脱成長」論者は、その問いには答えてくれない。
「脱成長」は将来世代に重荷を背負わせる
一般会計より深刻なのは、社会保障特別会計だ。厚生労働省が「百年安心」と言う公的年金の予定利率は、ゼロ金利時代になっても4.1%のままである。今の社会保障システムは、今後100年も平均4%以上成長することを前提にして設計されているのだ。
成長率が(純所得ベースで)ゼロになると、鈴木亘氏(学習院大学教授)の計算によれば、2050年には(税・社会保険料を引いた)可処分所得は今の半分になる。急速に人口が減って高齢化する日本で「脱成長」を目指すのは、経済的な自殺行為である。
可処分所得が減っても政府部門の所得は増えるので、経済全体としてはゼロサムだが、現役世代から年金受給者に巨額の所得移転が行われる。これは金融資産の65%をもつ60歳以上に対して、ほとんど貯蓄ゼロの若者の賃金を移転する「逆分配」であり、労働意欲や個人消費に影響を及ぼす。
経団連の榊原定征会長も、新年のインタビューで「3年連続でベースアップを実現したのに個人消費が盛り上がらないのは、将来不安があるからだ」と述べ、政府に社会保険料の抑制などの社会保障改革を求めた。
この点で、さらなる成長で税収を上げようとしたアベノミクスの目的は正しかったが、結果は出なかった。成長率もインフレ率もゼロからマイナスで、デフレに戻ってしまった。何が間違っていたのだろうか?
消費減税で政府債務を減らす「夢の理論」
アベノミクスの元祖といわれる浜田宏一氏(内閣官房参与)は、昨年11月15日の日経新聞で、次のように失敗を認めた。
私がかつてデフレはマネタリー(貨幣的)な現象だと主張していたのは事実で、学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない。
分かりにくい表現だが、これは「日銀がいくらカネをばらまいてもデフレは脱却できない」という意味だ。誤りを率直に認めた浜田氏は立派だが、2013年4月に黒田総裁が「2年で2倍」の量的緩和を宣言してから3年半の日銀の政策は何だったのだろうか。
日銀が失敗した原因は、浜田氏が「目からウロコが落ちた」というクリストファー・シムズ(プリンストン大学教授)のジャクソンホール論文が鮮やかに説明している。これは理論的には難しいが、結論は単純である:政府が財政赤字を減らすとデフレになるというのだ。
いくら日銀が通貨を発行しても、財政赤字が減ると投資は増えない。投資家が「政府は国債の発行を減らすので金利は下がるだろう」と予想するからだ。この状況は、日銀がマイナス金利にすると悪化する。
一方、政府が財政赤字の拡大を覚悟のうえ減税して人々の可処分所得を増やしたら、確実にGDP(国内総生産)は増える。たとえば消費税の税収は約17兆円だから、それを一時停止したらGDPは3%ぐらい増えるだろう。
そんなことをしたら財政が破綻する、という心配はない。3%の財政赤字が発生すると市場は超過需要となってインフレになるので、物価で割った実質政府債務は減るからだ。たとえば3%のインフレになったら国債の価値も3%下がるので、政府の借金は軽くなる。
その後も3%のインフレが10年続くと物価は35%上がって、実質債務は3割以上減る。名目GDPは増えて政府の借金も減る――というのがシムズのFTPL(物価水準の財政理論)だが、この夢のような話は本当だろうか?
安倍政権の「意図せざるインフレ税」
この理論は、大学で習うケインズ理論とよく似ている。「ゼロ金利のときは金融政策はきかない」という点も「財政赤字でインフレになる」という点も同じだが、実は中身がまったく違う。
ケインズ政策は景気対策のために財政赤字を増やすものだが、シムズの理論は消費税の代わりにインフレ税をかける(政府がインフレにして借金を踏み倒す)ものだ。
たとえば消費税を中止すると、人々は今までより8%多くの商品を買えるので消費は増えるが、同時に8%インフレになったら、実質的に買える商品は同じだ。しかし所得分配は大きく変わる。物価が8%上がると預金の価値は8%減り、名目金利も上昇するので国債価格は下がる。すべての金融資産の価値が下がるので、金持ちは損するが、カネをもっていない貧乏人や若者は失うものがない。
賃金はインフレにスライドして上がるので、労働者にはあまり影響しないが、年金生活者のもらう年金は目減りする。公的年金は「マクロ経済スライド」で物価に合わせて上げることができるが、これは厚労省の裁量だ。政府支出のほとんどは名目ベースなので、実質債務のデフォルトが合法的にできるのだ。
しかし8%のインフレになると分かったら、投資家は国債を売るだろう。そこで日銀が売られた国債をすべて買うと、国債の暴落は防げるが、日銀が巨額の評価損を抱える。物価が2%上がると50兆円の損といわれるので、8%上がったら日銀は200兆円も損する。これは一般会計で埋めることができない。
そうなると日銀が物価をコントロールする機能が失われ、物価が上がると金利が上がって円が下がり、それによってさらに物価が上がる・・・というスパイラルに入って、ハイパーインフレになるおそれが強い。シムズのシミュレーションでも、2500%以上のインフレになるという結果が出ている。
何が起こるかはやってみないと分からないが、「消費税の増税を無期延期する」という程度のマイルドな政策では何も起こらないだろう。国債をもっている日本の金融機関は、日本人を信用しているからだ。本当にインフレ税をかけるには、消費税を中止するぐらいの大胆な政策が必要だが、安倍首相にはできないだろう。
しかし日本経済の最大の重しになっている社会保障債務を解決する方法は、たぶんインフレ税しかない。財政赤字を先送りしていると、10年以内に金利が上がってハイパーインフレが起こるおそれが強い。その意味で安倍政権は「意図せざるインフレ税」をかけているのである。
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48863
2017年に世界を形作る9つの出来事
トランプ大統領就任、ブレグジットから中国共産党大会まで
2017.1.5(木) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙2016年12月30日付)
【写真特集】世界各地で新年祝うイベント
フランス・パリの凱旋(がいせん)門にプロジェクションマッピングを使って映し出された世界の国旗(2016年12月31日撮影)。(c)AFP/Lionel BONAVENTURE〔AFPBB News〕
政治的な地震が相次いだ年の後、2017年が平穏な1年になる可能性は低い。ドナルド・トランプ氏の権力掌握から、ゆっくりとしたブレグジット(英国のEU離脱)、中東で自称カリフ制国家「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」が終焉を迎える可能性まで、向こう1年間、世界で注目すべき出来事の手引きを用意した。
1月:ドナルド・トランプ氏の米大統領就任
その振る舞いから判断すると、第45代米国大統領は足跡を残すことを急ぐだろう。トランプ氏は、米国を環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱させ、医療保険制度改革法(オバマケア)を修正・刷新し、前政権のクリーンエネルギー政策を撤廃するなど、幾多の目標に向けて素早く行動すると約束した。
就任演説での新大統領の言葉遣いと就任当初数日間の行動がトランプ政権の基調を定めることになる。たとえトランプ氏自身が予測不能で奔放な振る舞いを続けたとしても、だ。
もう1つ、特に熱心に見守られる公式行事がある。米国の諜報機関が大統領選でのトランプ氏の予期せぬ勝利を後押ししようとしたと見ているロシアのウラジーミル・プーチン大統領とトランプ氏との初の首脳会談だ。
3月:英国のEU条約第50条発動
半世紀に及ぶ英国の外交・経済政策を事実上廃棄した国民投票から9カ月を経て、英国政府は3月末までに正式な2年間の離脱プロセスを始動することになっている。
現時点では、旅路の方向性は完全にははっきりしていない。だが、テリーザ・メイ首相率いる英政府は、EU条約の第50条に基づく離脱手続きを始動する前に一定の計画を示すことを約束している。その青写真が詳細に示されていなかったとしても、英国は包括的な交渉戦略も描かなければならない。
メイ氏は市場にショックを与えることを避けながら、対内投資を促し、保守党のEU離脱派を味方に付けておくことを目指す。3つの目標をすべて成し遂げるのは難しいかもしれない。
年前半:ラッカを巡る戦い
ISISのジハード(聖戦)主義者たちは、シリアとイラクにおける領土拡大で世界の大部分を恐怖に陥れた後、ほぼ2年間、両国で支配地域を失い続けている。ここ数カ月は、ISISが2014年に制圧したイラク第2の都市モスルの支配を巡る戦いに明け暮れた。
この戦いの進展次第で、恐らくは2017年前半に始まる次の攻勢は、ISISの事実上の首都であるシリアのラッカを巡る戦いになる。
トランプ新政権にとって大きな課題は、ISISをその牙城から引きはがし、ジハード主義者の残忍な支配の後に地域を統治することができるシリア人部隊の連合軍(クルド人、アラブ人双方が参加する連合)を組織することだ。
4〜5月:フランスの大統領選挙
ブレグジットとドナルド・トランプ氏の米大統領選出、マッテオ・レンツィ氏の首相在任に終止符を打ったイタリア国民投票での憲法改正案否決の後に、大きな利害がかかった2017年の選挙がやって来る。フランスの政界エスタブリッシュメントは、国民戦線(FN)の大統領候補、マリーヌ・ルペン氏の台頭に抵抗することを目指す。
ルペン氏は第1回投票で勝利を収める可能性がある。だが、一騎打ちの決選投票では、穏健な有権者が反ルペンの旗印の下に結集し、ルペン氏は敗北すると見られている。本命は、保守・共和党の大統領候補、フランソワ・フィヨン氏だ。
だが、主流政党の間には亀裂があり、ルペン氏は労働者階級の有権者の間で支持の鉱脈を掘り起こした。さらに、2016年の選挙のショックは、どんな票も当てにできないことを示している。ルペン氏がどうにかして勝利を収めたら、EUは潜在的に過去最大の危機――ブレグジットをもしのぐ危機――に直面することになるだろう。
5月:イランの大統領選挙
過去4年間、当初の逆の予想にもかかわらず、ハサン・ロウハニ大統領はイランに足跡を残してきた。特に注目されるのは、米国とその他5大国との間で結んだ核合意を通じたものだ。
だが、イランの政策課題を形成するロウハニ氏の力は、旧来秩序の擁護者、具体的にはイラン革命防衛隊と司法界からの絶え間ない攻撃にさらされてきた。
そして今、時折、合意破棄を誓ったトランプ氏の到来で核合意に重圧がかかっている中、ロウハニ氏は大統領再選に挑むことになる。強硬派は大統領選に影響を及ぼそうとするだろう。ロウハニ氏が生き延びるかどうか、そしてイランがより対立的なアプローチを取るかどうかは、中東地域内外に大きな影響を及ぼすことになる。
通年:FRBの利上げ
米国の金利は、原油価格と並び、世界を揺るがす可能性がある経済的事実だ。多くの人、多くの場所にとって、2017年の重大問題は、米国金利がどれほど上昇し得るか、だ。
12月に金融危機以降わずか2度目の利上げに踏み切った米連邦準備理事会(FRB)は、2017年にあと3回金利を引き上げると予想している。市場は、金融引き締めがそこまで進むとは確信していない。だが、金利は実際、一段と上昇する可能性がある。
本人が認めている通り、FRBのジャネット・イエレン議長はまだ、考えられる「トランプ効果」を考慮に入れていない。もし次期大統領が議会で自分が求める莫大な財政刺激策への支持を勝ち取ったら、このトランプ効果は金利をさらに押し上げるかもしれない。
トランプ氏が大統領に選出された後、債券保有者とメキシコペソやトルコリラといった通貨はすでに痛手を受けている。大統領就任後の同氏の政策が全世界で資金コストを上昇させたら、こうした投資家や通貨はさらに試される可能性がある。
年前半:エルドアン大統領の国民投票
レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はほぼ15年にわたり、トルコで自身の権限拡大を図り、その過程で近代トルコの建国の父ムスタファ・ケマル・アタチュルク以来、最も影響力のある指導者になった。
2017年にエルドアン氏はついに最大の野望をかなえる可能性がある。つまり、行政権を持った大統領職に正式に就任し、誰もが認める国家元首および政府のトップとして国を支配することだ。
クーデター未遂と一連のテロ攻撃を含む血みどろの1年を経た後、エルドアン氏により大きな権力を与えることへの国民の支持は増大した。国民投票は4月か5月に実施される可能性がある。大統領は恐らく賛成票を、民意に力を与える行為として描くだろう。反対勢力は、ノーを突きつけることが独裁政治を防ぐ最後のチャンスだと訴えることになる。
秋:中国の共産党大会
中国が国際舞台で今日ほど力を持ったことは過去何世紀もなかった。習近平国家主席ほど強大な権力を持った指導者は、毛沢東以来いない。
習氏は、中国共産党第19回党大会でこの権力を固めることを目指す。同氏はほぼ確実に2022年まで共産党総書記の座を維持するが、本当の問題は、ほかにどんな任命があるか、また、味方を昇格させることによって一連の任命が習氏の影響力を拡大させるかどうか、だ。
もし党大会が既存の年齢制限・任期制限を払いのけたら、それは習氏自身が暫定的な退任期限の2022年以降まで共産党の支配をもくろむシグナルかもしれない。そうなれば、この最も野心的な中国指導者にとって、過去とのさらなる決別になる。
一方、中国は成長が四半世紀ぶりの鈍さとなっている経済やトランプ氏との緊張が高まる可能性など、ほかの大きな課題の舵取りもしなければならない。
9〜10月:ドイツの選挙
アンゲラ・メルケル首相は、欧州で最も重要な指導者、ことによれば自由世界で最も重要な指導者の地位を確立して久しい。だが、首相4期目を目指す2017年には、選挙で大きな難題に直面する。
安定した連立を組む計算は、既成政党の問題によって著しく複雑になる可能性が高い。移民問題に対するメルケル氏のリベラルな路線への国民の不満は、現在の連立パートナーである社会民主党(SPD)の長期的衰退と、古くからの同盟相手である自由民主党(FDP)の不透明な先行きと重なった。
反ユーロ、反移民を掲げる「ドイツのための選択肢(AfD)」は、ここにつけ込もうとするだろう。一方のメルケル氏は、同氏が担う重要な国際的な役割が国内での弱さによって損なわれないこと確実にしようとするだろう。
By Daniel Dombey in London
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48850
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