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トランプ次期米大統領と会談する孫正義氏(The New York Times/アフロ)
ソフトバンク、負債が幾何級数的膨張…壮大なる全力の自転車操業、飽くなき巨額買収連発
http://biz-journal.jp/2017/01/post_17653.html
2017.01.06 文=編集部 Business Journal
ソフトバンクグループの孫正義社長は、2017年も株式市場のスーパースターであり続けることができるのだろうか。
16年7月18日の英半導体設計大手アーム・ホールディングスの買収発表、同年10月14日にはサウジアラビアの政府系ファンドと「10兆円ファンド」の創設と、相次いで大型プロジェクトをぶち上げた。
また同年12月6日には時の人、ドナルド・トランプ次期米大統領と会談、同年12月16日には来日したロシアのウラジーミル・プーチン大統領との立ち話と、話題をさらってきた。
孫氏とトランプ氏との会談をきっかけに、ソフトバンク株は「トランプ銘柄」と位置付けられるようになった。米国経済の拡大イコールソフトバンクの業績が伸びるという、実に単純明快な発想を株式市場はしている。
この結果、ソフトバンクグループ株は16年12月14日、前日比235円(3.0%)高の8007円へと上昇し、14年12月1日以来、ほぼ2年ぶりに8000円台の大台を回復。翌15日にはさらに上昇して、8068円の年初来高値をつけた。
この時点の時価総額は、8兆8801億円。東京証券取引所第1部市場の時価総額のランキングでトヨタ自動車、NTTドコモ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、NTTに次いで第5位に浮上した。11月末時点では、7兆3876億円で7位だったが、約2週間で1兆4925億円増加したことになる。
■米IT企業に5兆7000億円投資、5万人の雇用を創出
孫氏は16年12月6日、トランプ氏とニューヨークのトランプ・タワーで45分会談した。総額500億ドル(約5兆7000億円)を米国でIT(情報技術)分野を中心とした新興企業に投資し、5万人の雇用を生み出すと約束した。
会談後、トランプ氏は孫氏とともにトランプ・タワーのロビーに現れ、孫氏を「業界で最もすばらしい男の一人だ」と称えた。両氏が顔を合わせるのは初めてで、会談は両氏の共通の友人を介して実現したという。
「ロビーで報道陣の取材に応じた孫社長は、世界規模のIT投資を目的に10月に設立を発表した10兆円規模のファンドから、今回の資金を出すという。さらに、トランプ氏の経営者としての実行力に期待を示した上で『規制が緩和され、米国がもう一度ビジネスをする国として、いろいろなチャンスが出てくるだろう』と話した」と、12月7日付時事通信は伝えた。
13年に約1兆8000億円を投じ、当時米携帯電話3位のスプリントを買収した。4位のTモバイルUSと合併して、AT&T、ベライゾンに対抗する第三の勢力をつくる構想だったが、米連邦通信委員会(FCC)が認可せず断念した。
トランプ−孫会談を受けて、12月6日(現地時間)のニューヨーク株式市場でスプリント株は一時、前日比7.0%高の8.61ドルまで上昇した。東京株式市場でも、12月7日以降、6000円台だったソフトバンクグループ株は7000円台に乗せ、12月20日には、とうとう8000円を突破した。
規制緩和を選挙公約に掲げるトランプ新政権の誕生で、ソフトバンク=スプリントが再びTモバイルUSの買収を目指すとの観測が出ている。中長期の成長期待からソフトバンク株の目標株価を9500円前後に置くアナリストも出てきた。
■米衛星ベンチャーに1170億円出資
トランプ氏に、5兆7000億円を投資して5万人の雇用を生み出すと約束したからには、孫氏は範を示さなければならない。
孫氏は16年12月19日、米衛星通信ベンチャーのワンウェブに10億ドル(約1170億円)出資すると表明した。ワンウェブとの共同声明で「トランプ次期大統領と会談し、米国における投資と雇用創出について、私のコミットメント(必達目標)を共有した。ワンウェブへの出資は、このコミットメントの最初の第一歩」と宣言した。
ワンウェブは元グーグル幹部が12年に設立したベンチャー。超小型衛星を使って世界中のどこでもインターネットに接続できる通信網の構築を目指している。将来は720基以上の超小型低軌道衛星を打ち上げ、22年までに世界中のすべての学校にネット接続のサービスを提供する計画を掲げる。
ソフトバンクのほか、これまでにクアルコムやエアバス・グループ、バージン・グループから計12億ドルを調達。調達した資金で米フロリダ州に超小型衛星工場を建設する。18年から超小型衛星の生産を始め、3000人の雇用を創出するとしている。
■10兆円ファンドにアップルが出資を検討
16年10月14日、サウジアラビアの政府系ファンドと組み、1000億ドル(約10兆円)規模の投資ファンドを立ち上げると発表した。設立するのはソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)。ソフトバンクが今後5年で250億ドル(約2兆6000億円)以上をSVFにつぎ込む。一方、サウジの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)は5年間で450億ドル(約4兆6000億円)を出資する。残りはほかの投資ファンドに出資を呼びかける。
米ウォールストリート・ジャーナルは16年12月12日、ソフトバンクグループが主導する10兆円規模のファンドに、IT大手の米アップルが最大10億ドル(約1150億円)を出資する方向で協議していると報じた。
SVFの投資先には人工知能(AI)や「モノのインターネット(IoT)」に関連する企業が含まれるとみられており、アップルは出資することによって先端技術の動向を探る狙いがあるとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
孫氏が主導する「10兆円ファンド」に、トランプ氏、プーチン氏、アップルが関心を寄せているとはいえ、これで孫氏が世界の投資家の仲間入りを果たしたと本当にいえるのだろうか。
14兆円超の有利子負債を抱える「借金王」
「トランプ氏との会談で、ソフトバンクの評価が変わるわけはない」と、冷ややかに見るアナリストも少なくない。ソフトバンクは「日本一の借金王」だからである。
一時は借金ゼロを目指したが、13年の米携帯電話スプリントの1兆8000億円の買収を機に得意の攻めの経営に転じた。16年9月には英アーム社の買収を完了した。
その結果、16年9月30日時点の有利子負債は14兆2998億円。3月末から2兆3774億円増えた。今後、サウジ政府系ファンドと組んで設立する10兆円ファンドに5年間に2兆6000億円出資する。有利子負債が幾何級数的に膨れ上がっていくのは確実だ。
普通の経営者なら怖じ気づくものだが、孫氏はさほど気にはしていない。創業以来、借金漬けでやってきたからだ。借金を返済するために次々と新しい事業に乗り出す自転車操業をやめるように具申した部下に「全力で自転車を漕げ」と孫氏が叱責したという有名な話がある。自転車を漕ぐことをやめたら倒れることを、孫氏自身は熟知している。
ひたすら攻め続けてきた孫氏は、意味深長な言葉を発している。
「すってんころりんと転ぶかもしれない。しかし、めざしたものがそこにあれば、死ぬ5分前に、ああ楽しい人生だったな、はるかに有意義な人生だったと、思える気がする」
(文=編集部)
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