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年明けの日経平均
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52901743.html
2017年01月05日 在野のアナリスト
本年もよろしくお願いします。
年明け、大発会は大幅高、今日は日経平均は下落していますが、TOPIXは2日続伸です。これを良い情報、と思ってはいけません。昨年の終盤、相場が弱含んだのは年末年始の不測の事態に備え、ポジションを落とす動きがあったため、年初にそのポジションを戻したにすぎず、そういった取引をするのは短期スジだからです。つまり未だに日本株は、短期スジ主導で動いていることになります。また最近は為替感応度が低くなり、円高に耐久力がある、などとされますが、これは短期スジは円売り、株買いを仕掛けますが、最近の円買いは実需に伴うもので、堪えていた企業などがせっせと円を買っている。そのため株式との相関がない動きになっているだけなのです。どうして堪えていたか? 年末を株高で終えたい、との思惑から要請があったのかもしれず、その辺りも決して褒められた動きではありません。
また年初に当たり、相場予想をだすアナリストが「不確実性」をリスクに掲げますが、分かっていて言わないのか、本当に分かっていないのか、いずれにしろ相場はいつも「不確実性」のあるものであって、そんなものはリスクではありません。今のリスクは不確実性があるのに、相場が楽観シナリオしか織りこんでいないことです。特に日本株は、米ダウの2万$乗せを一緒に祝福しよう、的な乗りで相場が支えられており、これが短期スジの売りを手控えさせている。4日の上昇も、米株の上昇を見て買いポジションを増やした、がその実体です。しかしそんな「不確実性の米国」、懸念がより強まってきました。
保護主義、対中強硬派が主要ポストを占めており、世界的にみても貿易戦争が起こりそうな気配です。注意すべきは、今の世界経済は中国から溢れだすマネーで支えられている点です。中国からのマネー流出が止まれば、世界の不動産市場は下落に転じる。そうなると資産効果による消費も止まる。一見すると製造業が好調ですが、これも米中とも自動車には販売奨励金など、消費の先食い策をとっているためであり、日本の先例をみるまでもなく将来はその反動が来ます。しかも、先行きが不安な製造業をトランプ氏は囲い込もうとしている。将来的に、米国は負の資産を抱え込むことになるのが確実です。
米国による中国叩き、これを日本にとってよいことだ、などと考えてはいけません。それは米国にとって、最早日本はとるに足らない相手で、愛国主義を盛り上げるための仮想敵国ですらない、ということなのです。それは日本の競争力が落ちたからに他ならず、これも日本パッシングの一つであり、目立たずこっそり力を貯める、といった戦略でもなくこうなっているのですから、そこには政策の失敗が鮮明でもあるのです。
安倍首相は年頭所感で、安倍ノミクス三本の矢、ふかす、などと述べましたが、毎年同じことしか言っていません。これまで上手くいっていたなら、それでも良いのかもしれませんが、失敗と断じられることをまだ続ける、という。車に喩えるなら、いくらアクセルを踏んでもエンジンが壊れていたり、ギアがつながっていなければ車は先にすすめません。安倍氏の高齢ドライバーぶりでは、急発進して壁にぶつかるか、不意に道路から転がり落ちるような、そんな危険運転にしかならないのでしょう。
日経平均が2万円を大きく超える、といったシナリオは、今でさえ買いを溜めた外国人投資家が、さらに買うということ。残念ながらそうはならないでしょう。ダウ2万$乗せ、トランプ氏の大統領就任、期待が続々と現実になっていくとき、今の楽観が本当にその通りになるのか、が試されます。つまりさらに買う、というのは楽観すぎる今以上に、現実がそれを上回らなければならないのです。そして日本には、その楽観を上回る力がない。指導者にその能がない、これが現実です。相場格言では申酉騒ぐ、などとも言われますが、今の日本は『鳥なき里の蝙蝠』といった状況です。優れた者がいないところでは、とるに足らない者が幅を利かす、という意味ですが、日本の永田町辺りにいる蝙蝠たちは、経済最優先、と鳴きながら実際にそうでないところをみても、相場が下落したときだけ大騒ぎする、といった為体ぶりになりそうであり、日本は不確実性どころか、有言不実行性の問題の方が大きい、といったことになりそうですね。
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