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金融市場における中国リスクの実態とは?
金融市場における中国リスクの実態とは?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161231-00010000-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 12/31(土) 12:30配信
中国の2017年の経済運営方針を決める中央経済工作会議が12月14〜16日の日程で開催された。金融面でやや引き締め気味となる可能性がありそうだ。
会議では、「中国経済には突出した矛盾や問題が依然として存在する。特に、生産能力過剰や需給構造のレベルアップに関して問題は深刻である。経済成長における内生する成長動力が不足している」などと指摘している。
さらに、「金融リスクが幾分累積しており、一部の地域では困難が増加している。こうした問題について、我々は高度に重視し、継続して努力することで解決していかなければならない」などと強調している。
会議における重要ポイントを示すと以下のとおりである。
【1】「穏中求進(安定を前提とした中での進歩)」を経済運営の全体的な基調とし、カギとなる領域については進展させる
【2】総需要、総供給の関係について新たな動的均衡を実現させる
【3】農業の供給側構造性改革を推進させる
【4】実体経済を大きく振興させる
【5】不動産市場の安定的で健全な発展を促進する
【6】企業家精神を保護する
【7】金融リスクを防ぎ、コントロールする
【8】都市、農村が協調して発展を進める
気になるのは【7】である。
昨今、中国では保険会社による株式大量保有に関して、親会社が買収や株価操作の道具として使うといった事件が発生している。保険会社に対する株式運用規制が緩和され、自由化が進む最中でこのような事件が発生したため、一旦保険資金の市場への参入の勢いは止まる可能性がある。
証券会社にも問題がある。あくまで社員(国海証券)の不祥事ではあるが、社印を偽造し、大きなレバレッジをかけた上での債券取引を行ったことが発覚した。しかし、これは特定の証券会社による不祥事というよりも、現先取引を使って大きなレバレッジをかけて行われる国債取引が横行しているという事実が改めて浮き彫りにされたことに重大な意味がある。
証券会社においては、2014年後半から2015年前半にかけての大相場で、当局が監督管理を強化したにもかかわらず、リスク管理を怠り、顧客に対する信用取引を急拡大させてしまったといった経緯もある。
銀行はいくら当局が監督管理を厳しくしようとも、相変わらず理財商品で荒稼ぎしようといった動きが止まらない。理財商品とは投資信託商品である。金利の自由化に加え、景気低迷による資金需要の鈍化、インベストメントバンカーとしての技量の不足などから、中堅以下の銀行では経営環境が厳しくなっている。
そうした中で、一部の銀行は安易な高利回り商品を開発、手数料ビジネスを拡大させようとしている。高利回りの追求は高リスクの運用を増やすことになる。不動産業者向けの貸出や与信能力の低い住宅購入希望者に対してリスクを度外視した貸出を行ったり、現先を使った国債取引や、短期的な利益を追求するような株式投機を行っている機関もある。コンプライアンス上、問題があるようなオペレーションをするところが多いということである。
このように、安易な自由化、規制緩和は投機の蔓延を通じてレバレッジを拡大させ、金融リスクを拡大させる。一方で、当局は問題の所在や監督管理の重要性を理解している。中国の株式市場、金融市場は発展途上にある。中国は社会主義国であり、本質的に市場に対するそのコントロール力は強大である……。いろいろな点で、中国市場は先進国とは大きく異なっている。
本土株式市場、金融市場において、大きな変動があった場合、その原因がクローズアップされよう。中国の現状をよく理解できていない海外の投資家は過剰反応する可能性がある。それこそが中国リスクの実態である。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。
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