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ブラジルの貿易黒字、背景には輸入激減
ブラジルの貿易黒字の背景には景気後退による輸入激減がある
By ROGERIO JELMAYER AND JEFFREY T. LEWIS
2016 年 12 月 29 日 10:44 JST
【サンパウロ】ブラジルは今年、貿易黒字が過去最高に達する見込みだ。ただアナリストらはその理由について、国内の長引くリセッション(景気後退)を背景に輸入が激減したためで、過去のように資源輸出の拡大に基づくものではないとしている。
ブラジル開発商工省貿易局は来年1月2日に2016年通年の貿易統計を発表する。ブラジル中央銀行の週間調査では、16年の黒字が471億ドルに達し、06年に記録した過去最高の465億ドルを上回るとみられている。06年当時は輸出品に対する旺盛な需要がけん引力だった。
それから10年余りを経て、記録更新の背景となるのは国内の需要減退だ。ブラジルの国内総生産(GDP)は15年に3.8%減少した。中銀調査では今年も3.5%の減少が予想されている。こうした景気情勢で失業率も大きく上昇し、入手可能な直近のデータによると10月までの3カ月の失業率は11.8%に達した。
ブラジル輸出協会のホセ・アウグスト・ド・カストロ会長は、過去最高を更新するとみられる今年の貿易黒字は、国内のひっ迫した状況を覆い隠しているとし、こうした窮状は輸出入額を単純合計する貿易総額の減少によりよく現れていると指摘する。今年の貿易総額は恐らく約3200億ドルと09年以来の低水準に落ち込み、過去最低となった11年の4820億ドルも大きく下回る見込みだ。
ド・カストロ氏は「輸出入が極めて低水準にある」とし、「雇用を創出するのは単なる大きな貿易黒字ではなく、貿易総量の増加だ」と述べた。
輸入の減り方は輸出に比べ深刻だ。ブラジル貿易局によると、年初から11月までの輸出は前年同期比で2.9%減少した一方、輸入は21.7%の大幅減となった。
ド・カストロ氏はこの問題の大きな要因として、「企業が設備投資を手控えている」ことを挙げた。
設備投資は昨年と今年これまでのGDP統計で最も振るわない項目だ。9月末まで10カ月連続減となり、16年1-3月期には17%余り減少した。
サルアメリカ・インベスティメントのエコノミスト、ニュートン・ローザ氏は、来年何が起こるか予測するのは困難だと言う。景気低迷に伴い輸入も引き続き弱くなるであろうが、資源価格の上昇が続けば輸出は上向く可能性があるとの見方を示した。
ローザ氏は、このシナリオにとってリスクになるのはドナルド・トランプ次期米大統領だと指摘する。
米国で「保護主義が強まるかもしれない」とし、そうなればブラジルの貿易黒字が予想を下回るだろうと語った。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwioqMX90ZjRAhWFkZQKHSYnANoQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10878553558812384085704582525831706093516&usg=AFQjCNFnn8ZHXoqtP_WXy-dScdL8B0-QCg
「現金は王様」は過去の格言か
インドは高額紙幣を廃止した。写真は10ルピー札(12月8日、インド北部ウッタルプラデシュ州)
By AARON BACK
2016 年 12 月 29 日 07:33 JST
市場が活況を呈する局面では、現金は「ゴミ」だと言われることが多い。だが前回ブル市場となった1980年代から90年代にかけては、少なくとも様々な支払いに現金が広く使われていた。今は状況が異なる。
市場調査会社ユーロモニターによると、2016年は中国でクレジットカードの利用が広まったことが背景となり、世界的に非現金決済が現金決済を初めて上回った。世界の消費者決済に占めるクレジットカードの割合は44.1%となり、現金の43%を超えて最大の支払い方法となった。
今後、この流れが反転する見込みは低い。中国と同じく人口が10億人を超えるインドは強制的に高額紙幣の流通を差し止めている。紙幣が存在しなければ、消費者は現金で支払うことができない。他の発展途上国も時代遅れの銀行システムを避けてモバイル決済を利用し始めている。この移行を牽引する最大の要因はインターネット通販かもしれない。現金はゴミではないが、これから先ますます目にすることが減るだろう。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiwtdSw0pjRAhUDW5QKHUdkB3AQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12551518554479554206404582525564084077998&usg=AFQjCNFURupeFCih1xIKagMwAC7ksULXSg
世界最大のヘッジファンド、社員の脳でアルゴリズム構築(前編)
経営を自動化するための「未来の書」とは?
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世界最大のヘッジファンド会社ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるレイ・ダリオ氏 PHOTO: MATT FURMAN
By
ROB COPELAND AND BRADLEY HOPE
2016 年 12 月 29 日 08:43 JST
世界最大のヘッジファンド会社、ブリッジウォーター・アソシエーツの内部では、ソフトウエアエンジニアが極秘プロジェクトを進めている。同社の創業者レイ・ダリオ氏はこのプロジェクトを「ザ・ブック・オブ・ザ・フューチャー(未来の書)」と呼ぶこともある。
プロジェクトが目指すのは経営のほとんどを自動化する技術だ。この技術は同社を徹底した公開性が確保される場とし、そしてダリオ氏が去っても存続しうる企業に育てるという同氏のライフワークの集大成となるはずだ。
ブリッジウォーターでは、ほとんどの会議が録音され、社員は常に互いの問題を指摘することが求められる。社員の欠点は頻繁に調査され、個人の業績は多くの資料に基づいて評価される。ダリオ氏はその全てを見守っている。
創業者の頭脳をコンピューターに移植
新たな技術が実現すれば、ダリオ氏の型破りな経営手法は1つのソフトウエアシステムに収められる。社員がある特定の電話を掛けるべきかどうかに至るまで、このソフトは社員のあらゆる行動について、GPS(衛星利用測位システム)並みに詳細な指示を与えることになるかもしれない。
ソフトは現在開発中で、その運用の詳細については今も社内で議論されている。このプロジェクトに詳しいある社員は、「レイの頭脳をコンピューターにしようとするようなものだ」と語った。
ブリッジウォーターの運用資産額の推移(2015年12月末時点まで)
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RJ845_P1BW76_NS_20161228035421.jpg
ブリッジウォーターはヘッジファンドとしては最大の1600億ドル(約18兆円)の資産を運用している。顧客の資金をヘッジファンドに投資するLCHインベストメンツによると、ブリッジウォーターは同業他社の2倍もの総利益を顧客にもたらしている。調査会社インスティチューショナル・インベスターズ・アルファによると、ダリオ氏の昨年の個人としての報酬は14億ドルだった。
ところが今年は同社の旗艦ファンドの運用成績が一時、前年同期比で約12%減となり、社内に危機感が募った。このファンドはその後持ち直し、今月中旬には3.9%増となったが、これより手数料の安いファンドは8.1%増だった。
「戦いを選ぶな。全ての戦いに挑め」
ブリッジウォーターの社員が従うべき規則は「プリンシプルズ(原則)」という名称で知られる123ページの公開マニフェストの中に収められている。社員は全員、この原則を身につけ、実行するよう求められている。原則には、「長期的に見れば、人間は概して自分にふさわしいものを手にすることになる」などという格言と共に、「戦いを選ぶな。全ての戦いに挑め」といったダリオ氏からのアドバイスがずらりと並んでいる。
ブリッジウォーターによると、新入社員のおよそ5分の1が1年目を終えることなく退社するという。現役社員と元社員の5人に話を聞いたところ、プレッシャーが非常に大きいため、会社に残った社員がトイレで泣いていることもあるそうだ。本稿はこの5人に加え、10人を超える現役社員と元社員、さらに、同社に近い人達の話に基づいて執筆した。
ダリオ氏は6年前にメンター(助言者)役に退いたが、今年になって経営の指揮を執るべく復帰した。それから数週間もたたないうちに、ダリオ氏はマネージャーを招集し、会社の肥大化と効率の低下を指摘した。これを解決するには「リノベーション」、つまり能力が劣る社員の解雇が必要だと述べた。
人員削減と「徹底した透明性」の見直し
その直後から人員削減が始まった。ダリオ氏の復帰以降、社員数は約150人、割合で言えば10%減少した。今後さらに数百人が削減される可能性があるが、最終的には一部のポジションについては新規採用で穴埋めされるとみられる。同社はかつて、年末のパーティーのためにクリスマスツリーを天井から逆さづりにするなど凝った飾りつけをしたこともあったが、今年は予算を20%削減した。
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グレッグ・ジェンセン共同最高投資責任者は約1年前、ダリオ氏の陰口を言った疑いがもたれ、ダリオ氏と衝突した(写真は2015年1月のダボス会議に出席したジェンセン氏) PHOTO: SIMON DAWSON/BLOOMBERG NEWS
今年、社内の混乱が外に漏れたことで傷ついたダリオ氏は、上層部が行った議論や決定の全てを全社員に知らせるという何十年も前からの制度を改め、約10%の社員だけに「徹底した透明性」(ダリオ氏)を確保することにした。
ダリオ氏は新たな原則を書き留めた。「徹底した透明性は責任をもって応じる人間に授けなければならない。それができない人間に与えてはならない」というものだ。この原則はまだ公表されていない。
この新たな原則が情報漏えいに見合ったものかどうかについての公開会議の場で、ある社員がダリオ氏に反論すると、ダリオ氏は同社の経営システムを作った人間として適切な対応と判断したと回答した。
2006年の段階で金融危機を予見
ダリオ氏は1975年にマンハッタンの寝室2つのアパートに調査会社ブリッジウォーターを設立、マクロ経済動向予測で注目を集めた。
ダリオ氏がよく言うのは、市場は経済という誤解された機械の働きを映し出しているという考え方が自分の成功を支えているということだ。その機械の仕組みを読み解くには、考え抜いた末に意見を戦わせながら、つらくても徹底的に真実に迫ろうとする姿勢が欠かせないと語る。だからこそ社員は繰り返し、率直に互いに意見を戦わせることが求められている。
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2015年1月のダボス会議に出席するダリオ氏 PHOTO: JASON ALDEN/BLOOMBERG NEWS
ダリオ氏は、経済とは「無数の単純なことが同時に動いているだけ」と書いたことがある。コンピューター主導の取引が流行する何十年も前に、ブリッジウォーターは国際金利や小売売上高などさまざまなデータの関係性を追い、投資アルゴリズムを構築し始めた。今では参照するデータは1億種類に上る。
こうしたアルゴリズムを具体化した旗艦ヘッジファンド「ピュア・アルファ」は株式や債券、通貨などの資産の売買にデータを活用している。ブリッジウォーターの投資家への説明によると、同ファンドは2006年の段階で金融危機を予見するなど以前から世界中の好況、不況を予測してきた。
ダリオ氏は人間も機械のように動くと考えている。機械という言葉は「原則」の中に84回も登場する。ダリオ氏によると、問題は人間が感情に邪魔されて最高の成果を挙げることができないという。この問題は組織だった訓練によって克服できるとダリオ氏は考えている。
経営を自動化するための「未来の書」
ダリオ氏は経営についても同じように考えている。成功を収めているマネージャーは「自分が望むものを手に入れるために正しいことをする正しい人々で構成する『機械』を設計する」。ダリオ氏は原則にそう記している。
経営を自動化するためのソフト「未来の書」――ダリオ氏は「ジ・ワン・シング」と呼ぶこともある――にはのちに「プリンシプルズ・オペレーティング・システム」(PriOS)というより改まった名称が与えられた。このシステムは同社の投資プロセスと同様に経営も組織的に行うことを目指している。
システムにはダリオ氏が社員に要求するいくつもの性格検査のデータが組み込まれている。ある検査では、マネージャーが筆記試験を受け、それぞれの「階層」が判定される。階層とは、カナダ生まれの精神分析学者、故エリオット・ジャック氏が開発した概念に関する技能の得点を指す。
マネージャーはこの検査で、「ブリッジウォーターが今、直面している最大の問題は何か」などの設問に答える。長期的な傾向を見極める先天的な能力があることが分かったマネージャーには高い得点が与えられる。
ダリオ氏は社内で最も高い階層の得点を保持している。同社は社員に対し、ダリオ氏の得点が世界最高レベルであることを明らかにしている。
同じように、ブリッジウォーターのソフトはダリオ氏を、投資やリーダーシップといった点において社内で最も「信用できる」社員だと判断している。つまり、ダリオ氏の意見はより大きな影響力があるということになる。
*この記事は後編に続きます(有料)>>
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http://jp.wsj.com/articles/SB10878553558812384085704582524343329563420
世界最大のヘッジファンド、社員の脳でアルゴリズム構築(後編)
日常的な経営判断をソフトにゆだねる
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ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏 PHOTO: JASON ALDEN/BLOOMBERG NEWS
By
ROB COPELAND AND BRADLEY HOPE
2016 年 12 月 29 日 11:42 JST
約18兆円の資産を運用する世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツ。同社では今、極秘プロジェクトが進められている。プロジェクトが目指すのは経営のほとんどを自動化する技術だ。
• 世界最大ヘッジファンド、社員の脳でアルゴリズム構築(前編)
同社の創業者レイ・ダリオ氏は、社員を評価するための新たなデータを常に探し求めている。元社員によると、社員の脳波を測定するためにヘッドバンドを使うというアイデアを提案したこともあるそうだ。このアイデアは採用されなかった。
経営の自動化を進めるには、さらに大きな課題に取り組む必要がある。それは現在67歳のダリオ氏が居なくなった後、どうすれば企業文化を維持できるかという問題だ。
ダリオ氏は一時的に日常の経営業務から退いたとき、数週間の休みを取ってスキューバダイビングなどの趣味を楽しんだ。一時期は弓矢を使ったハンティングをしたこともある。外洋観測を行うために潜水艦を装備した船舶(MVアルシア)も購入した。
陰口をたたくことは2番目に重い罪
ダリオ氏は会社から離れた状態でブリッジウォーターを経営するため、外部から著名人を招いた。
ほどなくして、ダリオ氏は幹部職の数人に対して不満をあらわにした。その1人がジェームズ・コミー氏だ。ダリオ氏は2010年にコミー氏を法務顧問として採用した際、同社の公平性を改善するために「ゴッドファーザー」のような役目を果たすと述べていた。
2人の元社員によると、3年もたたないうちにダリオ氏はコミー氏を、鳥のさえずりのように陳腐なアイデアを繰り返すという意味で「チャーパー(chirper)」と呼ぶようになった。ブリッジウォーターで先を見通す力のあるリーダーの理想像を「シェイパー(shaper)」と呼ぶことにかけたものだ。
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2010年にブリッジウォーターに法務顧問として参画したジェームズ・コミー氏 PHOTO:ANDREW HARRER/BLOOMBERG NEWS
コミー氏は2013年に同社を去った。同僚には、自分には向かなかったと語ったという。現在、米連邦捜査局(FBI)長官のコミー氏はコメントを差し控えた。
長年、ダリオ氏の後継者と目されてきた幹部のグレッグ・ジェンセン氏は約1年前、ダリオ氏の陰口を言った疑いがもたれ、ダリオ氏と衝突した。ブリッジウォーターでは、陰口をたたくことは不誠実であることに次ぐ2番目に重い罪とされている。同社が開催した裁定委員会で、ジェンセン氏は社の規則を破っていたとされた。ジェンセン氏は共同最高経営責任者(CEO)の肩書は失ったが、今も共同最高投資責任者(CIO)を務めている。ジェンセン氏はコメントを差し控えた。
ブリッジウォーターは本稿に対して書面で、「こうしたやりとりは米国のどの職場でも起きている」とコメント。「当社が異なるのは、問題が存在しないふりをする代わりに、隠し立てせずに取り組み、正直に対処している点である。当社はこうした問題を社員全てに示しており、必要があれば対立を投票によって決着させることもある」とした。
ダリオ氏は自身の哲学を実行に移すための新しい方法を頻繁に思いつく。最近では、「監督者」という職種をつくった。この職種に就いた十数人が会社中に配置され、首脳陣の目となり耳となって活動している。
IBMワトソンの開発チームから引き抜き
経営を自動化するためのソフト「PriOS」のプロジェクトは、システマイズド・インテリジェンス・ラボという独立したグループが中心になって進めている。リーダーは2013年に入社したデービッド・フェルッチ氏。IMBで人工知能(AI)システム「ワトソン」の開発チームのリーダーを務めていた人物だ。
才能を生かして金融市場の隠れたシグナルを探る手伝いをするのだろうという外部の予想に反し、フェルッチ氏は社員に関する大量のデータ分析を行っている。データの中には、就業時間全体を対象にした社員の相互評価も含まれる。ブリッジウォーターではこの相互評価を「ドット」と呼ぶ。
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IMBで人工知能システム「ワトソン」開発チームのリーダーを務めていたデービッド・フェルッチ氏 PHOTO: BLOOMBERG
システマイズド・インテリジェンス・ラボは社員が日常的に活用するいくつかのiPad用アプリに関わっている。その中の1つが「ドット・コレクター」で、これを使えば、社員は数十の特性について他の社員を評価できるほか、例えば、今の会話が時間の無駄かどうかといった単刀直入なものも含めて、会議中にアンケートを取ったりすることができる。
こうしたデータに他のデータを加えてできるのが「ベースボールカード」だ。これはさまざまな分野における社員の長所と短所を示すものだ。その1つが「人が言われたくないことを指摘する」で、同社においては極めて重要な特質である。
システマイズド・インテリジェンス・ラボの求人広告には、こう書かれている。「革新的アプリが生み出す大量のテキストベースのデータから意味や理解を掘り起こす仕事」だと。数人の現役社員は、ブリッジウォーターで働くこと自体が投資活動と同じように、人間の意思決定に関する実験的研究のように感じると語った。
会議が終了する前にソフトが結果予測
ここ数カ月の間に開発された新たなアプリを見れば、ダリオ氏が技術に対してどのような展望を抱いているかが分かる。「コントラクト」というソフトは社員のiPadに搭載されていて、長期的に達成すべきゴールをまとめるよう社員に指示を出した上で、その進ちょく状況を追跡するものだ。
「コーチ」というアプリは社員が質問を入力すると、123ページの公開マニフェスト「プリンシプルズ(原則)」の中でその質問に関連する一節を参照するよう指示が返ってくる。最終的には、コーチを意思決定を支援するAIシステムに進化させることを目指している。
PriOS は今のところ、こうした形で活用されている。将来的には、社内の空きポジションを調査して、各ポジションにふさわしい特別な能力や長所を持った人材を社員の中から見つけることができるようになるだろう。
社員同士が決定をめぐって対立しても、声に出して議論する必要はなくなるだろう。自分の意見をPriOSに入力すれば、ソフトがそれぞれの視点をランク付けし、「原則」に照らし合わせた上で、進むべき最善の道を示すだろう。
最終的に目指しているのは、会議が終了する前にPriOSがその結果を予測して、社員がその日のうちに特定の行動を取るよう導くことである。ダリオ氏は5年以内に、経営に関する決定のうちおよそ4分の3をPriOSが決定する状態を目指している。
人間の役割は個別の選択をすることではなく、問題が起きたときに介入して、システムによる決定のための基準を設計することになるだろう。
ダリオ氏が記述した「原則」は意思決定の自動化という目標を示唆している。そこには、原則が広く採用されるようになれば、「『レイの原則』から『われわれの原則』に進化して、次第にレイとの関係はなくなっていくだろう」と書かれている。
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