http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/207.html
Tweet |
日経平均株価で2万3200円も? トランプ米政権の誕生で「投資の大前提」が変わる(写真=PIXTA)
日経平均株価で2万3200円も? トランプ米政権の誕生で「投資の大前提」が変わる
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161226-00000018-zuuonline-bus_all
ZUU online 12/26(月) 18:40配信
2016年は「Brexit」や「米大統領選トランプ候補勝利」など英国と米国という2つの大国が人々の予想を大きく覆す決断を下すサプライズの多い年となった。そうしたなか、日本の株式市場は大まかにみれば前半安・後半高の展開となり、このままいくと、日経平均株価は5年連続で上昇し、バブル崩壊後の連続上昇記録を更新することとなる。
良好な環境で日本株は2016年の取引を終えそうな気配だが、株高基調は2017年も続くのか、はたまた、株高の流れは長続きせず、再び日経平均株価はレンジ相場に回帰してしまうのか。本稿では2017年の日本株の見通しについて展望していきたい。
■2017年も「グレート・ローテーション」が続く
結論からいえば、2017年の国内株式市場は、米トランプ次期大統領の政策への期待を背景に、米長期金利の上昇に合わせる形で債券売り・株買いの資金移動(グレート・ローテーション)が続くと考えており、日本株は上昇基調を辿るとみている。
米長期金利上昇・ドル高(円安)基調継続を背景として、3月末に向けて日経平均株価は2015年6月につけたアベノミクス相場の高値(2万868円)更新を試す展開となろう。
5月頃には欧州の政局や日本の企業決算への警戒感から、一旦下落するリスクがあることには注意を払う必要がある。ただ、その後は大型減税やインフラ投資といった、トランプ次期大統領の政策の具体化を織り込む形で、年末に向けて1ドル=120円まで円安が進む展開も想定され、その場合、日経平均株価は2万3000円程度まで上昇するとみている。
■これまでの「投資の大前提」が変わる
トランプ氏の政策の中身を見る限り、米国はこれまでの「低金利継続」から「ある程度の金利上昇を容認」という姿勢に転換する可能性が高い。
「低金利継続」を前提に2014年の年初から2016年夏場まで約2年半にわたり米長期金利の低下基調が続いてきたことを考えると、それだけ世界の投資家が膨大な米国債買いの持ち高を積み上げてきたことが想像できる。トランプ政権が誕生することにより、投資家にとってはこれまでの投資の大前提が変わることになるため、ゲームのルールが変われば、当然、投資家サイドもそれに応じた投資戦略に転換せざるを得ない。
となると、投資家の持ち高調整は当面続く形になるとみており、グレート・ローテーションの流れは簡単に終わるものではないといえるだろう。
■日経平均株価で「2万3200円」も想定される
2017年度の企業業績見通しにおいて、主要企業(大和集計日経225ベース)の経常利益は1ドル=110円前提で11.6%増益、同115円前提で13.1%増益、同120円前提で14.5%増益を想定している。円安による増益効果だけでなく、継続的なコストダウンや付加価値拡大の成果が顕在化するとみられることが全体業績を押し上げると考える。
企業業績見通しから試算される2017年度内の想定日経平均株価は、年度平均のドル円が110円、予想PER16倍(現状水準)で2万600円、ドル円が115円であれば2万1200円となる。さらに、1ドル=120円まで円安が進んだ場合、予想PERは17倍程度まで拡張する可能性があり、その前提のもとでの日経平均株価は、2万3200円と計算される。
ドル円レートの想定レンジは115円を中心とし、105〜120円を想定するが、米国の10年国債利回りが3%程度まで上昇する可能性もあり、レンジ上限の120円を目指す動きも想定できそうだ。
■2017年の物色テーマは? 需給環境は極めて良好
需給面では、日本株最大の売買主体である海外投資家が再び日本株の買い手として存在感を示してくる可能性が高いとみている。背景には、(1)トランプ氏の大統領選勝利を受けて始まったグレート・ローテーションの継続、(2)企業業績の改善、(3)原油市況の回復、(4)歴史的に低水準な外国人の先物ポジションの積み増し余地、などが挙げられる。2017年は海外投資家の買いが日本株の上昇を後押しすることとなろう。
一方、下値では日銀による年間6兆円規模のETF買いやコーポレートガバナンス強化の流れを背景とした事業法人による自社株買いの加速なども見込まれることから、2017年の日本株の需給環境は極めて良好とみることができよう。
2017年の物色テーマとしては、米トランプ次期大統領の経済政策を軸とした銘柄選定が有効となってこよう。このテーマに該当する銘柄の特徴としては、成長産業で稼ぐ企業というよりは、製造業・金融・資源・小売といった従来型の産業で、近年株価が相対的に出遅れていた銘柄が多いという点が挙げられる。このため株価水準が成長株と比べて低いものが多く、経済政策の効果が実際に業績に寄与してくることとなれば、株価が出遅れ修正の動きを強めるキッカケとなりそうだ。
■日米金利差の拡大で「ドル高円安基調」が継続
具体的なテーマとしては、トランプ氏が政策として掲げる「インフラ投資」「環境規制緩和」「金融規制緩和」「高額個人消費」「米国内への生産回帰」「国防予算拡大・同盟国の防衛費負担増」など。米国企業だけでなく、日本企業でも恩恵を受ける銘柄が多いため、幅広い銘柄に投資機会が生まれることとなろう。
また、トランプ氏の政策である(1)経済対策、(2)財政赤字拡大、(3)移民・関税規制等をみる限り、米国はこれまでの「低金利継続姿勢」から「一定の金利上昇容認姿勢」に転換する可能性が高いとみる。このため、米国の金利上昇を通じて、「日米金利差拡大→ドル高円安基調の継続」となる公算が大きいだろう。その意味ではドル高(円安)による経常利益への好影響が大きい自動車や電子部品株などを評価する動きが強まりそうだ。
■5つの「リスクシナリオ」にも注意が必要
トランプ氏が大規模な財政刺激策を行うとみられるなか、OPECによる原油減産合意、世界的な景況感の改善などを背景に、グローバル規模でのインフレ期待が高まりつつあることも見逃せないポイントだ。日本でも(1)円安、(2)資源高、(3)日銀の緩和姿勢継続、などにより足元で先々の物価上昇が見込まれる環境となってきた。世界的なリフレ期待を背景にその恩恵を受ける金融株や資源株、資源開発関連株などを見直す動きが強まりそうだ。
リスクシナリオとしては、(1)トランプ大統領の保護貿易政策の具体化(NAFTA撤退や関税引き上げ等)、(2)米金利上昇に伴う新興国からの資金流出懸念の拡大、(4)フランス大統領選やドイツ総選挙などの欧州政治イベントの波乱、(5)原油価格の急騰もしくは急落……等が挙げられよう。こうしたリスク要因が顕在化した場合、日経平均株価は1万8000〜2万円のレンジ相場になるとみている。
石黒英之 大和証券 投資戦略部 シニアストラテジスト
専門商社勤務を経て2004年に岡三証券に入社。入社後は渋谷支店で個人営業に従事。2006年岡三経済研究所経済調査部(現:岡三証券 グローバル金融調査部)を経て、2008年岡三証券投資戦略部日本株情報グループに配属。2016年4月より現職。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民117掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。