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ネット上の物体だけに、仮想通貨という名前を与えるのは、おかしいと思う。むしろ、「架空通貨」というべきではないか (※写真はイメージ)
浜矩子「仮想通貨は“仮装通貨”がピッタリくる」〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161222-00000076-sasahi-sci
AERA 2016年12月26日号
経済学者で同志社大学大学院教授の浜矩子さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、経済学的視点で切り込みます。
* * *
最近、仮想通貨が何かと話題になる。財務省と金融庁が、仮想通貨を「モノ」ではなく、「カネ」だと正式に認定する方向で動いている。大手の金融機関が、相次いで独自の仮想通貨の開発に乗り出している。仮想通貨による決済に使われるブロックチェーン技術について、日本銀行と欧州中央銀行(ECB)が共同研究を始めるというニュースも報じられた。
ドナルド・トランプ次期米大統領への不安感から、ドルを手放してビットコインに逃げる投資家の逃避行動が、ビットコインの対ドル相場を大きく押し上げた。資本流出規制を強化した中国からカネを持ち出したい人々も、ビットコインを脱出用の乗り物に使っているらしい。
仮想通貨とは、一体何だろう。従来、この疑問が筆者の頭の中を折に触れて去来する。実をいえば、筆者は、そもそもこの仮想通貨という言い方が気に食わない。どうも、まずいネーミングだと思うのである。なぜなら、およそ、通貨と名のつくものは、古来、基本的に仮想通貨だからである。
通貨は、それを人々が通貨だと仮想するから通貨になる。金貨は、それが金で出来ているから通貨なのではない。それを人々が通貨だとみなしているから通貨なのである。かつて通貨だった小判は、いまや通貨ではない。骨董品だ。それは、人々が小判を通貨と仮想することをやめたからにほかならない。クマさんのぬいぐるみだって、我々がそれを決済手段だと想定すれば、立派に通貨になれる。
こうしてみれば、新たに登場してきた得体の知れないネット上の物体だけに、仮想通貨という名前を与えるのは、おかしいと思う。むしろ、「架空通貨」というべきではないか。筆者はそう考えてきた。
すると、最近、とても面白いテレビのニュースに遭遇した。仮想通貨に関する話題だったが、その報道が終わってしばらくすると、アナウンサーさんが「お詫びと訂正」の口上を述べた。「先ほどのニュースの字幕が誤っておりました。仮装通貨ではなくて、仮想通貨でした」。これはいい。この訂正は必要なかったと思う。あれらの物体には、仮装通貨の名称がピッタリだ。(浜矩子)
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