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次世代リーダーの転職学(画像=PIXTA)
金融やマスコミも! 転職チャンス広がった2016年、来年狙い目の業種・職種は?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161224-00010000-nikkeisty-bus_all
NIKKEI STYLE 12/24(土) 7:10配信
■2016年はあらゆる業種・ポジションで採用が活況
新年を前に、皆さんは仕事やキャリアにおいて、どんな目標を立てていますか。「転職」を視野に入れている方もいらっしゃることでしょう。そこで、ことしの求人市場はどんな状況だったのか、2017年はどう動きそうかについてお話しします。
ことしの求人市場は全般的に活況でした。パート・アルバイトから若手、ミドル、エグゼクティブ(経営幹部)まで、すべての層で人材不足感が強く、積極採用を行う企業が多く見られました。エグゼクティブ層についても、幅広い分野でニーズが生まれました。エグゼクティブの求人傾向を整理すると、大きく次の4カテゴリーに分かれます
●大手企業
大手企業がエグゼクティブクラスの人材を求める背景は、「グローバル展開」か「新規事業立ち上げ」のいずれかに該当するケースがほとんど。事業戦略の見直しを行う中で、新しい分野に進出する必要性を感じている。
●中堅企業
管理部門から営業、技術系まで、幅広い分野でニーズあり。外部から優秀な人材を招くことで、経営のレベルアップを図る。
●ベンチャー企業
新規株式公開(IPO)を目指す企業が増加。最高財務責任者(CFO)を任せる人材を求めるほか、管理部門の強化を図る目的で責任者クラスの人材を求めるケースが多数。
●地方企業
「地方創生」の政策推進、地方企業の事業承継問題や成長戦略などを背景に、大都市圏で経験を積んだ優秀な人材を招きたいとする求人が増加。
■保守的な業種の大手企業でも、「幹部」の中途採用を強化
ことしの動向で特に印象的だったのは、大手企業が役員クラスの人材を外部から採用するケースが増えたことです。メーカー、流通、サービス業などでは、しばらく前から幹部の中途採用を行っていますが、ここにきて金融、マスコミなどの業種でも同様の動きが広がっているのです。
この動きは、平成一ケタ年代の頃、一般的な中途採用マーケットが広がっていったのと似ています。当時も、最初はメーカー、流通、サービス業などが積極的に中途採用に乗り出し、遅れて金融機関、マスコミなども腰を上げました。
金融業界では、IT(情報技術)を駆使したサービスを生む「フィンテック」への取り組みが課題となっていますし、マスコミもウェブメディアとの融合が加速しています。業界の垣根を越えての新規事業開発は、今後もあらゆる業種で広がっていくでしょう。
以前は、エグゼクティブクラスの転職先といえば、大手企業から同業の中堅・中小ベンチャーへ、あるいは同業のベンチャーからベンチャーへ移るパターンが主流でしたが、現在は、異業種の企業に迎えられる事例が増えています。思いがけない業種の企業で、これまでの経験を生かすチャンスが拡大しているというわけです。
このように、エグゼクティブクラスの転職マーケットは着実に広がっています。ただし、企業側が自社のニーズにマッチする人材に出会うのは難しいのが現状。「需給バランス」はまだまだ整っていないといえます。
■2017年もエグゼクティブ人材のニーズは伸びる見込み
ここまでお話ししてきたような16年の求人市場動向は、17年も続いていくと見込まれます。世界経済の先行き見通しが不透明な状況といわれていますが、私個人の見解としては、日本の景況は決して悪くはならないのではないかと考えています。
企業の新たなチャレンジは継続し、エグゼクティブ人材のニーズも落ち込むことはないでしょう。もし景況が悪化したとしても、それはそれで事業変革を担う人材が必要になってきますので、エグゼクティブの求人市場は引き続き伸びていくと思われます。
特に、グローバル化の推進は待ったなしの状況。進出する国々ごとにマーケット状況を見極め、プロジェクトを推進していく必要があります。海外拠点の立ち上げやマネジメント経験を持つ方は引き続きニーズ大。いずれ転職を視野に入れている方も、現在所属する企業でそうしたキャリアを積んでおくことで、将来の選択肢が広がるでしょう。
一方、地方企業によるエグゼクティブクラスの求人もさらに活発化すると予想されます。大都市圏でのビジネス経験を生かし、地方企業にIターン、Uターン、あるいは「一時期居住」という形で転職するケースは今後も増えるでしょう。
現時点では、広島県や島根県海士町などが積極的に取り組み、成果を上げていますが、これは全都道府県に共通する課題であり、政府の後押しもあります。地方の一企業に転職するのはもちろん、自治体と組んで「地方創生」の施策そのものを支援する人も増えてくるかもしれません。地域経済の活性化のためにビジネス現場で培ったセンスやノウハウを生かすという道も、今後、エグゼクティブ・ビジネスパーソンの次のステージの選択肢に挙がってくるのではないでしょうか。
昨今、「シェアリングエコノミー」型のサービスが広がっていますが、「知」のシェアリングも広がると思います。「デュアルワーク」「パラレルキャリア」と呼ばれるようなスタイルで、高度なビジネス経験を積んだ人が、複数の企業の顧問、社外取締役、アドバイザーを掛け持ちし、育成を担う――そうしたワークスタイルが増えていくことでしょう。
企業側にしてみれば、100%自社に力を注いでくれる人に出会えなくても、30%の力で協力してくれる人を3人見つけることで、90%プラスアルファの知見を得ることができるわけです。エグゼクティブの人材市場においては、こうしたマッチングが広がることで、より柔軟な働き方が可能になっていくのではないでしょうか。
NIKKEI STYLE
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