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中国の日本国債保有額が増加傾向に
中国の日本国債保有額が増加 対中関係悪化時のリスクに
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161222-00010000-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 12/22(木) 16:00配信
10月末時点における日本の米国債保有額は1兆1319億ドルとなり、中国の1兆1157億ドルを超え、世界最大となった(データは米財務省)。
日本は9月末と比べ45億ドル減少したものの、中国は413億ドル減少したことで、順位が逆転した。ちなみに第3位はアイルランドだが、2710億ドルに過ぎない。海外の保有額が6兆389億ドルなので、日本のシェアは18.7%、中国のシェアは18.5%である。両国で海外保有分の3分1以上を占めている。
日本の大手マスコミは、中国が米国債保有額を相対的に多く減らした理由について、為替介入によるドル売り・元買い介入の原資としたからだと説明しているが、いくつか気になる点がある。
まず一つ目は、アメリカの金利先高観が強まっており、債券価格の見通しは必ずしも良くない。特に、11月にトランプ氏が次期大統領に決定して以来、その選挙公約から債券価格見通しはさらに悪化している。こうした流れの中で、アメリカ国債を売っておくことは合理的な判断ともいえる。
二つ目は、中国は外貨準備におけるドルの比率を下げ、通貨の分散化を図ろうとしている。2016年第2四半期における日本の国際収支状況で中国との金融収支を見ると、5兆8989億円の流入で、前年同期と比べると4.1倍に増えている(データは日本財務省)。中国からの資金流出入は2015年第1四半期から流入に転換、金額は四半期ごとに増えている。
中国では個人、企業による海外への金融投資には厳しい制限が課せられているため、その多くが中国人民銀行による日本国債への投資とみられる。第3四半期の結果は出ていないが、流入額がさらに増えている可能性がある。つまり、戦略的に米国債の保有を減らし、日本国債を増やしている可能性がある。
10月末の米国債の内、海外保有分は27.5%ある(データはBUREAU OF THE FISCAL SERVICE)。中国の国債保有額は日本よりもわずかに少ないとはいえ、1兆1157億ドルを所有している。トランプ新大統領が経済面で中国に対して厳しい態度で臨もうにも、中国はアメリカ国債を売り浴びせるといった選択肢があることを意識せざるを得ない。
もし、中国がアメリカ国債を売り、国債価格が暴落するようなことになると、リーマン・ショック以上の危機となりかねない。また、アメリカが中国製品に対する輸入関税を45%に引き上げたとすると、中国側はアメリカへの輸出品に同じだけの関税をかける可能性がある。
アメリカにおいて最大の輸入先は中国である。いろいろな契約があり、調達先の変更には時間とコストがかかる。一般に、価格の調整よりも数量調整は遅れるため、アメリカの輸入物価は瞬間的に急騰するだろう。それは国内物価の急騰、金利の急騰へと連鎖し、金融危機を招きかねない。トランプ新政権が実際に取り得る対中強硬策は限られよう。
日本では、日本銀行が国債購入を進めているため、国債の流通分が少なくなって価格形成が不安定になりつつある。中国が日本国債の購入を増やしているようだが、今後、中国による売買が日本の国債価格に大きく影響を与えるようになる可能性がある。対中関係が悪化した場合、金融面で大きなリスクが生まれつつあることに日本はもっと注意を払う必要があるだろう。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。
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