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キッチンオリジン江古田店
あの弁当のオリジンまで「ちょい飲み」参入…すぐに千円超え、割高でコスパ悪い?平日夜1時間でお客ゼロ
http://biz-journal.jp/2016/12/post_17538.html
2016.12.21 文=喜屋武良子/清談社 Business Journal
仕事帰りに気軽かつお手頃な料金でお酒を飲める「ちょい飲み」。あまり時間がないときでも「ちょっとだけ、1〜2杯飲みたい」というニーズに対応したサービスで、ここ数年、外食チェーンなどが続々と参入している。
火付け役となった牛丼チェーンの吉野家をはじめ、ファミリーレストランチェーンのガストはアルコールが安くなる「ハッピーアワー」を導入しており、ハンバーガーチェーンのフレッシュネスバーガーやイオン系コンビニエンスストアのミニストップは新業態の展開に乗り出しているほどだ。
そんななかで、最近ちょい飲みに参入したのが持ち帰り弁当チェーン大手のオリジン東秀である。すでにイートインを設けた「キッチンオリジン」や外食業態の「オリジンダイニング」を展開しているが、これらの店舗の一部でちょい飲みメニューの提供を開始したのだ。なぜ今、企業が相次いでちょい飲み市場に参入しているのだろうか。
■簡単に1000円を超えるためコスパは悪い?
オリジンは現在、持ち帰り弁当や惣菜の販売をメインにした「オリジン弁当」からキッチンオリジンへ、各地で店舗のモデルチェンジを行っている。ピンクを基調にした青色ロゴの見慣れたオリジン弁当の看板が、濃い焦げ茶色でシックなキッチンオリジンの看板に変わったことに気がついた人も多いだろう。
ちょい飲みサービスを提供しているキッチンオリジンは、都内に5店舗ある(ちょい飲みできるオリジンダイニングも都内に5店舗)。そこで、西武池袋線江古田駅近くにあるキッチンオリジン江古田店を平日21時ごろに訪れてみた。
店舗は、歩道から見て横長の物件が2つのスペースに区切られていて、右半分がレジや惣菜、つくり置きの弁当を置くスペースに、パーテーションで区切られた左半分がすべてイートインとなっている。客席は想像より広く、ちょっとしたファミレスを思わせる。
キッチンオリジンのイートインスペース
オリジン弁当やキッチンオリジンの最大の特徴は、惣菜が量り売りスタイルであること。サラダ、揚げ物、煮物、炒め物など、どれも100グラム183円(税込)均一(一部違う商品もあり)で、同じ容器に数種類のおかずを盛り付けることができ、その重さに応じて値段が決まる。
野菜を使った惣菜のメニューが豊富な上、栄養バランスを考えながら自分で盛り付けられるため、ダイエット中の人やいろいろな種類の料理を少しずつ食べたい女性客に需要があるとされる。キッチンオリジンでは、「働く女性のニーズに応える」ために、さらに女性向けのメニューを充実させている。
しかし、実際にちょい飲みしてみると、「評価が分かれそう」と感じたのが料金だ。筆者は、生ビールのジョッキにつまみとして好みの惣菜を8種類ほど盛り付けて注文したが、料金は合計879円。それほど高くないと思うかもしれないが、キッチンオリジンの量り売りの惣菜は種類が豊富な一方、100グラム183円は割高感が否めない。実際、物足りなさから追加注文すれば簡単に1000円を超えてしまう。
キッチンオリジンの生ビールと惣菜
加えて、生ビールのジョッキが1杯390円というのも、吉野家の350円、日高屋の310円にくらべて割高感が否めない。仕事帰りの男性が2杯ほど飲んでつまみを注文したら、おそらく会計は1500円近くになるはずだ。キッチンオリジンのちょい飲みは、安さや量ではなく、あくまで栄養バランスを重視する女性向けのサービスといえる。
■低コストで参入できる、ちょい飲み市場
そもそも、なぜ持ち帰り弁当チェーンのオリジンがちょい飲みサービスを始めたのだろうか。フードジャーナリストの山路力也氏は、「理由のひとつに、ちょい飲み市場の参入障壁の低さがあります」と語る。
「もともと、オリジン弁当には惣菜などを調理販売する厨房が備わり、イートインを設けるための環境が整っていました。運営母体のオリジン東秀はレストラン事業も展開しているため、店内で料理を提供するノウハウもあったと考えられます」(山路氏)
イートインで利益を上げるために一番有効なのは、酒類の販売だ。利用客が惣菜にビール代などを上乗せしてくれれば、その分客単価も上がる。そして、この「参入障壁の低さ」はオリジンに限ったことではないだろう。ちょい飲みサービスには、店舗の大幅な改装やオリジナルメニューの開発など、従来必要だった投資やコストがほとんど必要ないのである。
「吉野家もガストもミニストップもそれぞれちょい飲みを提供していますが、それぞれの業界で競争が年々激しくなっています。そこで、新たな収益源としてちょい飲みに着目したのでしょう。特に吉野家やミニストップは圧倒的トップシェアの企業ではない分、その意識が強いように思います」(同)
■競争激化で淘汰されるちょい飲みが続出か
もうひとつ見逃せないのが、飲食店を訪れる消費者のニーズの移り変わりだ。
「2011年の東日本大震災以降、『早く家に帰りたい』という心理状況も手伝って、外食市場全体が縮小していきました。なかでも、消費者が外食に使うお金でもっともカットしたのが『居酒屋』や『二軒目などのはしご酒』です」(同)
また、リーマン・ショック以降の景気低迷も、消費者の居酒屋離れと無関係ではない。そこで、「短時間で軽く食べて飲む」というちょい飲みスタイルが需要とマッチしたのだという。
実際、外食市場は縮小しており、とりわけ居酒屋は悲惨な状況にある。好調なのは「鳥貴族」「磯丸水産」「塚田農場」など比較的新しいチェーンだけで、古いスタイルの総合居酒屋チェーンは苦戦を強いられている店舗が多いとされる。
ただし、ちょい飲みサービスを提供する企業が増えれば、次に始まるのは激しいシェア争いだ。「オリジンに限らず、今後はブランド力のあるナショナルチェーンのちょい飲み市場への参入が増えていくのでは」と山路氏。
そうなると、現在各企業が展開しているような既存のメニューや店舗の流用といったやり方では、今後は生き残れない可能性もある。
実は、筆者がキッチンオリジン江古田店に行った際、21時から小1時間ほどイートインに座っていたが、その間のちょい飲み利用客はゼロ。メニューを見ても、働く女性をターゲットにしながら、酒類のメニューは生ビールとレモンサワーとハイボールだけだった。コストパフォーマンスや量よりも栄養バランスを重視する女性が、平日の夜からイートインで中年男性のようにレモンサワーやハイボールをあおるだろうか。
お酒を飲むことに対する消費者の意識が変化し、選択の幅が広がっている以上、ちょい飲みも「ただ出せばいい」というわけではなさそうだ。
(文=喜屋武良子/清談社)
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