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中国も羨む大成功だったアフリカ開発会議 安倍総理から官民総額3兆円規模のアフリカの未来への投資を行うと発表された。中国は同会議を「日本が計略を用いて私利を求め、中国とアフリカの関係に水を差そうとしている」と非難した。(写真=時事通信フォト)
日本政府が3兆円投資!「アフリカ開発会議」の舞台裏
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161215-00020875-president-pol
プレジデント 12/15(木) 9:00配信
みなさん、命がけでタバコ吸ったことありますか?
実は、先日のTICAD(アフリカ会議)でケニアに行ったときに、命がけの路上喫煙をしてきたんだよ。タバコを吸ってはいけない建物に宿泊することになって、でもやっぱりタバコを吸いたい。なので、ホテルからでて、目の前の路上でタバコを吸っていたら、警備の人がダーーって走ってきて「こんなところで立っていたら、誘拐されるゾ」と言って、ホテルに戻れというの。それはよくわかるのだけど、吸っているタバコを途中で消すのが惜しくて、え! なんて驚いたフリをして時間を稼いで、最後の一本を吸った。
やっぱり、タバコは最高だよ。でも、日本に帰ってきたら、私の愛煙するゴールデンバットがまさかのリニューアル。フィルター付きになってしまった。なんか吸ってる煙がガツンとこないし、一番腹が立つのは、そのフィルターのせいで吸える部分が2センチ短くなっちゃったこと。このまえ値上げして、今度のこの仕打ちというのは絶対に許せない。JTは何を考えているのだろうか。
■連日連夜の会議に疲れ果てた!
8月の終わりに安倍晋三首相に同行して、ケニアの首都ナイロビで開催されたアフリカ開発会議(TICAD)に行ってきた。今後3年間に官民で総額3兆円(300億ドル)支援を表明し、アフリカ各国からも大きな期待が寄せられ、会議は大成功に終わった。こんなに連日連夜会議をしていた外遊は、私の記憶でもあまりない。
帰りの政府専用機(通称、エアフォース・ワン)内では疲れ果てて、横の外務省の局長との話の最中に眠くなってしまった。うつらうつらしているタイミングで、相手に相槌を打つという高等技術を私は行なっていたのだが、油断して完全に眠りに落ちてしまった。夢のなかでハッとそれに気づいて慌てて目を覚まして、局長のほうを見たら局長も寝ていた……。とはいえ、たいへん申し訳ないことをしたと反省している。
それにしても、私の40年以上の永田町生活の中でも、日本政府が海外でこれだけの規模の会議を成功させたというのは記憶にない。TICAD とは、Tokyo International Conferenceon African Developmentの略。アフリカの開発や支援について話し合う会議なのに、Tokyoが付いているのは、日本政府が主導して東京(または横浜)で開催されてきたからだ。最初の開催は1993年。その後5年ごと(2013年から3年ごと)に開かれてきた。今では中国やロシアも似たような会議を主催しているが、アフリカの重要性を評価し、将来のための投資を始めたのは日本のほうがずっと先だった。3年前の会議で参加各国からアフリカでの開催への強い要望があり、今回のナイロビでの会議が実現した。ナイロビの標高は約1700メートル。1年を通じて最高気温が25度くらいで非常に快適な気候。湿度が高い猛暑の東京から行くととても気持ちがいいのだが、TICAD担当の外務省の職員たちは、現地の気候を味わう余裕はなかったと思う。
今回はアフリカに対する政府の支援だけでなく、投資に関心を持つ経済界も積極的に関わっていて、77団体の企業・大学等の代表も首相に同行して現地入りした。それ以外にも140の企業、自治体、大学などが会場にブースを出展し、日本の技術や投資の方針などをアピールするため、企業・団体の関係者の日本人約3000人がナイロビに集まった。
会議開催の実務に加えて、こうした日本人の世話を担当する外務省の事務局のスタッフは352人に上る。外務省を中心に霞が関の一部がナイロビに移転したような雰囲気になっていた。事務局のロジ(ロジスティクス)担当がまず苦労したのは、現地の宿泊先の確保だろう。衛生面、治安面から選んだ三ツ星以上クラスの40軒のホテルで3000室を事前におさえた。
次は会議出席者のIDカード発行。通常、こうした業務は開催国側が担当することが多いが、今回は出席者のほか、会議エリアに定められたホテルの従業員なども対象としており発行枚数が2万枚にも及ぶため、日本のロジ部隊にお鉢が回ってきた。国際会議のIDカードといえば本人確認のための小さな顔写真が添付されるものだが、当然ながらアフリカ各国には肌が黒い人が多い。
実際にIDカードを印刷すると、顔の部分が黒く塗りつぶされたようになってしまい誰が誰だかよくわからなくなってしまった。先方からすれば、非常に失礼な話なのだろうが、アフリカ各国の駐日大使との付き合いのある私でさえ、黒人の彼らが似たような背広を着ていると、大統領も大使も運転手もみんな同じ顔に見えてしまう。IDカードには、当然ながら首から上しか写っていない。警備はお手上げだろうなと内心心配はしていたが、何も起きなかったようで安心した。
とはいえ、現地の人たちがいい加減だなと感じたのは、偉い人とそうでない人の見分け方だ。どうやら彼らはカバンを持っているかいないかで、相手を判断していたようだった。大統領・首相はもちろんだが、閣僚級の人物や政府高官は秘書がいるために自分で荷物を持つ必要がない。IDカードなどを見て、そこに身分が書かれてあっても、日本人からすればアフリカ各国ではどのような人物なのか、ナイロビの警備からすれば日本ではどのような地位にあるかなど瞬時に判断できるはずがない。だから、その人物が荷物を持っているかどうかでボディチェックにかかる時間がまるで違う。たまたま荷物を持っていなかった私や今井尚哉・総理大臣秘書官が、他の人たちと比較して恐ろしい速さでゲートを進めたことには苦笑した。外国人が日本人と韓国人、中国人の区別がつかないとしても笑って許さないといけないなと思ったものだった。
■日本人の時間感覚とアフリカ人の違い
ロジ担当の次の仕事は、各国首脳と安倍首相や岸田文雄外相との会談の日程調整。最終的に現地に滞在していた3日間で首相は26カ国の首脳クラスとバイ(個別)会談やグループ会談を行い、外相は10カ国の閣僚クラスと会談した。
しかし、アフリカでは時間の流れ方が日本とは全く違う。私は「短針時計の世界」だとかねがね感じているのだが、日本側が分刻み、秒刻みのスケジュールを作っても、現地の感覚は長針のない時計みたいなもので、1分も1時間も変わらない。
例えば、安倍首相が会談場所に着いて待機しているのに先方の大統領が姿を見せない。連絡してみるとまだホテルを出発しておらず、会談はドタキャンというアクシデントもあった。先方に悪気がないことはわかるから、翌日にもう一度会談をセッティングするのだが、何しろ相手は短針時計。さらに予定はずれる。そんな状態でアフリカ全54カ国のうち、首相外相あわせて36名との会談を実現したのは大変なことだと思う。私が短針時計説を唱えたら、外務省の面々が喜んでくれたから、彼らも相当苦労したのではないか。
短針時計でも成功できた理由としては、アフリカの国々の日本への期待感、信頼感も大きいと思う。日本の支援もかつてはODAが中心だったが、近ごろは企業やNGOの投資と組み合わせたものが増えてきた。
ODAだけの時代は学校を造って終わり、ダムを造って終わりだったのが、企業進出まで含めた広範囲な投資は、雇用の拡大や技術力の向上にもつながり、経済発展の基盤となるのでアフリカ各国も大歓迎だ。日本企業にとっても、成長市場であるアフリカ進出の足掛かりとなる。
日本も明治維新のときに欧米諸国の企業が来て重工業の礎を築いた。1872年、新橋―横浜間で、イギリスの蒸気機関車を明治維新政府が走らせたのが、日本の近代化のはじまりだった。当時の日本にはない分野の企業が来たことで、関連する日本企業が育った歴史があるのだ。
今回の3兆円投資も同じことだ。やがて、アフリカ人自身が経営する企業、産業が育つ可能性が広がる。TICADがアフリカの明治維新となるかもしれない。
内閣参与(特命担当) 飯島 勲 写真=時事通信フォト
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