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積立NISAは「フツー」の投資家を掘り起こせるか 医療事故調制度の「目的外使用」が続々明らかに 
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/711.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 12 月 15 日 01:22:30: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

医療事故調制度の「目的外使用」が続々明らかに

医論・異論 from 日経メディカル

制度開始から1年、現場の理解はいまだ不十分
2016年12月14日(水)
満武 里奈=日経メディカル
 医療事故調査制度の開始から1年が経過した。初年度の実績からは、制度の対象事案であるのに第三者機関へ報告しなかったり、逆に必要がない事案を報告した例が見られるなど、制度への理解が不十分な実態が明らかになった。

 医療事故調査制度は、「医療に起因する予期せぬ死亡」が発生した場合、第三者機関である医療事故調査・支援センターに報告した上で院内調査を行うことを全国の病医院に義務付けるもの。2015年10月にスタートした。院内調査の結果は病医院が報告書にまとめてセンターに提出し、センターはその情報を分析して再発防止策を検討・公表、医療安全の向上に結び付ける。

 制度開始からの1年間に報告された医療事故の件数は388件で、うち362件は病院の、26件は診療所の事案だった。診療科別では外科が69件と最も多く、それに内科の56件、整形外科と消化器科の34件が続く。事案の発生からセンター報告までに掛かった期間は平均31.9日で、報告から院内調査報告書を提出するまでの期間は平均118.5日だった。

報告書を渡すように強く求める遺族も

 制度開始1年で見えてきたのは、医療事故調査制度が医療現場に正しく理解されていない現実だ。制度が対象にする事案は「医療に起因する予期せぬ死亡」で、医療者の過失の有無は関係ない。だが、関係者によれば「過失がないから」という理由で、センターへの報告も院内調査も行わなかった医療機関が複数あったという。

 一方、その逆のケースも見られた。院内調査をサポートする支援団体の話によると、「死亡した患者の遺族がクレームを付けてきたから」という理由で、予期せぬ死亡ではなかったにもかかわらず、センターへの報告と院内調査を行った病院があったという。

 医療事故調査制度のスキームで院内調査を行う場合、その費用を補償する保険を日本医師会が用意している。また、クレームを付けてきた遺族が報告書の内容に納得すれば、病院がその後の交渉のために弁護士を立てる必要もなくなる。こうした点に経済的なメリットを感じた医療機関が、本来は必要ないセンターへの報告を行ったのだという。

 だが、医療事故調査制度の目的は、事故原因を分析し再発防止策を検討することで、医療安全を向上させることにある。上のケースは明らかに、医療機関による制度の目的外使用といえるだろう。

 これに対し、医療事故で死亡した患者の遺族が、制度を目的外使用する例も出てきている。制度開始前から医療機関には、「院内調査の結果報告書が訴訟に利用されるのではないか」という懸念が強かったが、それが現実のものとなりつつある。

 ある病院では、不幸にも起きてしまった医療事故について、医療安全に資する報告書を作成しようと丁寧に院内調査を実施して結果を遺族に説明した。しかし、遺族は「どう補償してくれるのか」の一点張りで、報告書を渡すよう強く求めたという。結局、この病院は遺族の求めに応じて報告書を渡したが、それが訴訟の材料として使われるのではないかと院長は心配な日々を過ごしている。

 こうした動きに歯止めを掛けるべく、全国医学部長病院長会議の「大学病院の医療事故対策委員会」は9月、センターに以下の申し入れを行った。「現に事故調査報告書が係争の具として利用されることが明らかな場合には、医療安全の確保という制度の目的に鑑みて、貴機構(センター)において今回の法に規定される作業は行わない。係争の手段として行われる事象は全て、この法の埒外(らちがい)にて処理されるべきである」。

改めて制度の趣旨の周知を

 「起きてしまった医療事故を二度と繰り返さないために再発防止策を検討するという医療安全を向上させる制度が始まったことは、間違いなく良かった」と多くの関係者は口をそろえる。しかし現状では、こうした制度の趣旨が医療現場に浸透しているとは言い難い。

 センターでは年明けにも、報告件数が多かった中心静脈穿刺と肺血栓塞栓症に関連する事故について再発防止策を公表する予定だ。そうした機会を活用して、医療機関と国民の双方に対し、改めて制度の趣旨を周知していく必要がありそうだ。


この記事は日経メディカルに2016年12月9日に掲載された記事を一部改編して転載したものです。内容は掲載時点での情報です。

このコラムについて

医論・異論 from 日経メディカル
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積立NISAは「フツー」の投資家を掘り起こせるか

記者の眼

非課税期間20年の「第3のNISA」が2018年1月に誕生
2016年12月15日(木)
上木 貴博
 12月12日、日経平均株価が終値でおよそ1年ぶりに1万9000円台を回復した。相場が上り調子であるせいか、知人から立て続けにNISA(少額投資非課税制度)に関する質問を受けた。NISAでは毎年1月1日に新しい非課税投資枠120万円が生まれ、投資枠は翌年に持ち越せない。だから「来年こそは口座を開設して投資を始めたい」と勉強していたり、逆に開設したのに何も買わないまま師走になって「何か買わねば」と焦ったりという人がこの時期にいるようだ。

 9月に当欄の「『第3のNISAが始まる』って言われても…」という原稿で、金融庁が提案していた「積立NISA」を取り上げた。書きながら早期実現の可能性は低いと見ていた。だが、先週あっさりと2017年度税制改正大綱に同制度の創設が盛り込まれた。積立NISA案は今年8月に初めて要望されたばかりなので、「一発通過」の快挙だ。

投資上限は40万円ながら非課税期間は20年

 8月に金融庁で担当者に取材した際は、要望1年目に通るとは考えていないような印象を受けた。金融庁の森信親長官が自民党幹部の説得に自ら当たったと伝えられている。改革派長官の執念が実を結んだ。3カ月前の原稿で伝えた制度概要と異なるのは、投資枠が60万円から40万円へと小さくなった点だが、「非課税期間20年間」という最大の特徴は残った。

 現行のNISAでも積み立て投資は可能だし、非課税制度を5年から10〜20年に延ばせば、金融庁がリーチしようとしていた若年層を十分取り込めるのではないか――。記者は積立NISA案を知った時にそんな感想を持った。新制度の創設という高いハードルを越えるより、既存制度を改良すべきという考えだった。

 新制度「積立NISA」(正式名称は決まっておらず、積立型NISAと書かれることもある)は2018年1月に始まる。投資上限120万円の現行NISAとの併用は認められない。投資対象は未定だが、長期投資に向いた低コスト投信が中心になるだろう。毎月分配型のような長期保有に向かない商品は買えないルールになるはずだ。「るいとう」(株式累積投資)も分散投資を促す制度の趣旨から考えると、投資対象に含まれるとは考えにくい。

 新制度の開始は再来年なので気が早いが、積立NISAは普及するだろうか。投資信託協会がヒントになりそうなデータを開示している。「金融機関全体」と「直販投信」それぞれのNISA口座開設者の年代別内訳だ。前者では50歳未満は3割に過ぎないのに、後者では65%に上る。

金融機関全体

直販投信

 直販投信とは、運用会社が個人に直接販売する投資信託を指す。証券会社や銀行を介さないので、販売手数料はかからない。複利効果を重視しており、分配金は出さないか、決算頻度が低いものが多い。さわかみ投信やセゾン投信、レオス・キャピタルワークスなどの運用会社が有名だ。投資方針は会社や商品によって異なるが、長期投資というスタンスは共通項だ。

 積立NISAの非課税期間は20年だ。口座開設者の大半が50歳未満になるのは間違いない。その意味で「直販投信のNISA利用者の6割強が50歳未満」というデータは面白い。直販投信の運用会社は長期投資の意義を根気よく説いて、投資家層を広げてきた。積立NISAも同様に「次世代の個人投資家」をマーケットに呼び込む契機になるかもしれない。そんな期待が高まる一方、6月末時点で直販投信のNISA開設数は3万6607口座であり、NISA全体の1029万6622口座のうち3%に過ぎないという現実もある。次世代の掘り起こしは簡単ではない。

20年間で300万円以上の差が付く

 最後に積立NISAによる長期投資のインパクトを考えてみる。上限の40万円まで20年間投資し続けると投入資金の総額は800万円。これを仮に銀行で貯蓄していたらどうなるか。現在、5年定期で最高金利の0.200%(オリックス銀行)で預けられたという仮定では816万円だ。一方で年平均4%リターンの投信を同じ金額、期間積み立て投資に回すと1156万円に届く(信託報酬は年0.5%で計算)。年平均4%は投信の想定リターンとしては大それた目標ではないが、銀行預金には投信購入と異なり元本割れの心配は不要だ。

 どちらを選ぶかはその人次第だ。いざ積み立てた投信を売却しようした矢先にリーマン・ショックのような急落が絶対に起きないとはいえない。だが、世界経済は長期的に見ると右肩上がりだ。20年単位でみれば「○○ショック」も安く仕込める投資の好機ではある。

 ……といった話を、NISAについて質問する知人に聞かせるのだが、実際の口座開設には結びつかない。記者の口下手だけでなく、投資の敷居の高さに原因がありそうだ。金融庁は最近になって「貯蓄から投資へ」というスローガンを取り下げ、「貯蓄から資産形成へ」を使い始めた。貯蓄も資産形成の一手段だから言葉の使い方はおかしい気がするが、国民的な「投資アレルギー」への配慮がうかがい知れる。

 本来、投資はフツーの人がやるべきだと記者は考えている。富裕層がリスクを取って資産を殖やす必要性はあまりないし、生活に困っている人は無理にお金を投資に振り向けるべきではない。淡々と一定のペースで続ける積み立て投資こそフツーの人の投資法だ。昨年から長期保有向きの低コスト投信は充実してきた(こちら)。商品という「中身」と制度という「器」が揃う2018年は、長期投資元年になる。積立NISAを見据えて各社が来年投入するだろう新商品が今から楽しみだ。


このコラムについて

記者の眼
日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。

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