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35年間も膨大なローン返済した「自分の家」に、老後は縛り付けられる不幸(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/670.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 14 日 00:43:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

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5年間も膨大なローン返済した「自分の家」に、老後は縛り付けられる不幸
http://biz-journal.jp/2016/12/post_17458.html
2016.12.14 文=牧野知弘/オラガ総研代表取締役 Business Journal


■家の価値とは?

「人生最大の買い物は何?」と問われると、多くの人は「家」と答える。これまで多くの日本人にとって、家は「買うもの」、買えるのだったら「買いたい」対象であり続けてきた。

 車が売れなくなった、といわれている。以前は、車を所有することが一種のステイタスであり、憧れの対象だった。大学生になったら、とにかく運転免許を取得するのは当たり前。取れたて免許の、危なっかしい運転でレンタカーを繰り出す若者は大勢いた。

 そして、社会人になったら、まずは車を買いたい。最初はカローラから。1983年、トヨタ自動車の車、クラウンのテレビコマーシャルは石坂浩二さんの渋い声で「いつかはクラウン」と語りかけたように、人生の成功と車のステイタスは密接に結びついてきた。

 ところが最近では、若い世代の多くが車の購入には関心がない、とのアンケート調査が発表され話題となっている。

 これには世の中の価値観の変化が密接に絡んでいるのだ。車をなかなか持てなかったとき、車を所有することは、「お金持ち」の象徴だった。しかし、現在では国内における自家用乗用車の台数は5981万台(2014年3月)、1世帯当たり1.069台、どの世帯にももれなく1台の車があるという状況だ。

 車はコモディティ(汎用品)となってしまったのだ。「生活の足」としてなら軽乗用車でよい、しょせんは長くて10年くらいの使用期間だから、高い車なんて不経済だ。都心部では公共交通機関が発達しているので、電車やバスで十分。むしろ駐車代がもったいない。ときたま使いたいときのために、「カーシェアリング」があれば十分。このように車に対する考え方はどんどん変化してきている。

■家の所有権

 住宅はどうだろうか。中高年世代は、これまで自分の家を持つことに大きな価値を見いだしてきた。「いつかはクラウン」と同じような感覚で「いつかは郊外一戸建て」を夢見て、サラリーマンの多くが、飲み代を減らし、昼食代も節約し、小遣いを切り詰めながら、家を買うための貯金に励んできた。

 このような涙ぐましい努力の結果、多額の住宅ローンを背負い込んで買った郊外戸建て住宅。ところが、ローンがある限りは、完全に自分の所有権ではない。金融機関の担保が課された住宅で毎日生活しながら、今度は必死にローンを返済するために働き続けた。都心まで1時間以上の時間をかけて通いながら。

 そして定年。退職金の一部までもローン返済に充てて、なんとか戸建て住宅は「自分のものになった」が、すでに子供たちも家を出て都心に住み、周囲は高齢者ばかり。坂ばかりの郊外戸建て住宅地は決して高齢者にとって、住みよい街ではなくなっている。それでも「家を持っている」から住み続けなければならない。昔のように、売る気になればいつでも高い値段で売れた時代は過ぎ去り、今やまったく流動性がなくなった家の中で、老後生活を送らなければならない。

 さて、家の所有権とはなんなのだろうか。見方を変えるならば、ものすごい苦労の後に手にした家が、今の自分を縛りつけているとも考えられないだろうか。

 多額の住宅ローンの返済のために、人生を豊かにするはずのお金のほとんどが、「家を持つ」ための資金に振り替えられた結果、彼らの人生にはどんな彩りができたというのだろうか。高齢者ばかりで、しんと静まり返った郊外戸建て住宅地の中で、ローン返済を終えた住民の多くは今、何を想うのだろうか。

■現代の「家」事情

「賃貸住宅で家賃を払うくらいなら、住宅ローン返済していたほうが、最後に家を持てるのだからトクですよね」という使い古された勧誘文句がある。確かに、所有権を確保するためにローン返済を続けている行為は、自らの資本を充実させるための「投資」と位置付けることができる。

 一方で、賃貸住宅に住んで家賃を払い続けても、それはいつまでたっても会計上の「費用」でしかない。一見するとこの理屈はまことにもっともにみえる。

 所有権を持つということは、「その対象を自らの手で自由に使うことができる権利」と言い換えてもよいかもしれない。他人の物を使用するために費用を支払い続けても、しょせんは自分の所有物ではないので、自分の自由にはならない。費用だけを「捨てている」と考えるのが、この勧誘文句の根拠だ。

 ところで、ローンを組んででも所有したい、あるいは所有しなければならない「家」という存在はなんだろうか。「家」が絶対的なもの、永続的なものと考える限りにおいて、家を持つ、という効用は人生をかけるに値するかもしれない。

 しかし、今の日本では家族という共同体は、大きく変容している。働き手は父親だけだったものが、夫婦は共に働くようになり、子供は幼少期から保育所に預けられ、家族が共に過ごす時間は、昔よりも圧倒的に少なくなっている。

 家族それぞれの生活も、行動する時間帯はバラバラ。全員の帰宅時間は異なり、朝もそれぞれが勝手に朝食をとり、勝手に出かけていく。昔のような「家族団欒」は望むべくもない。

 子供たちが育ちあがると、別々に暮らし始め、家には戻ってこなくなる。家には年老いた両親が残るだけ。多額のローンを組んでやっと手に入れたマンションは築35年の古びたマンション。すでに購入時の価格からは大幅に下がり、「売れたらラッキー」というほどの価値しか見いだせない。これが現代の「家」事情だ。そして、この生活を支えるためだけに膨大な資本を投入し続けたのが、家の購入だった。

■費用とは「捨てる」ものではない

 家賃を払うということは「費用として捨てている」といったが、費用は捨てるものではない。費用とは、費用を差し出すことによって、「効用」を得るためのものだ。決して「捨てる」ものではないはずだ。勧誘文句には、このあたりの概念が抜け落ちている。

「家賃」はもったいないもの、「ローン返済」は自分の身になるもの、という基本的な考え方は、本当に正しいのだろうか。

 家族全員が家にはとどまらずに、毎日激しく動き回る世の中では、家の選択も必然、「住環境」よりも「利便性」が重視されるようになる。また、家族が同じ家にいて、一緒に暮らす時間も以前よりも短くなるなかでは、「家」という所有権は必ずしも絶対的なものではなく、家族それぞれが行動しやすい場所の家を「使い倒す」発想が出てきても不思議ではない。

 所有権とは「重たい」ものだ。所有することの安心感があるいっぽうで、所有することによるさまざまな負荷がかかるのも事実である。家賃であれば、会社をリストラされて収入が減少したら、他の安い借家に移ればよい。家族が少なくなれば、もっとコンパクトな借家に引っ越せばよいが、所有権があるかぎり、どんなに経済状況が悪くなっても、ローン返済は毎月確実にやってくる。毎年5月になれば、自治体からは固定資産税・都市計画税の納税通知書が郵便ポストに入ってくるのだ。

■所有権からの解放

 社会は不確実性を増し、大企業といえども決して安泰とはいえない世の中にあって、長期間、家族が同じように生活し、収入は安全確実に入ってきて、家族の構成や行動範囲もほとんど変わらない、といったような「超安定的」な生活をしている人は少なくなった。

 家をとりあえずは今の生活を続けるのに支障のない範囲で割り切って、たとえば家族の利便性を重視して、都会のマンションを借りる。ある程度生活も安定し、子供が卒業したあとに、夫婦そろって暮らせるような家を買う。最近は結婚生活が長く続かない人も多い。ひとりぼっちになっていれば、「ひとり住まい」に良い家を買う。いろいろな選択肢を、置かれた状況に応じて使い分ける、つまり所有権から「解放」された人生を過ごしてみることも、今後の生活スタイルとして定着してくるかもしれない。

「家なんて持たなくてもいいじゃん。いくらでもあるのだから」

 こんな考え方がすぐ将来の日本では常識になっているかもしれない。

(文=牧野知弘/オラガ総研代表取締役)

 

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コメント
 
1. 2016年12月14日 12:42:38 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3417]

多くの都市部の住人にとって、必要なら、スマホでタクシーを呼んだり、長距離ならレンタカーで十分だから、既に自家用車なんて不要だろう

そして、自動運転車とVR技術が普及し、ヒトが移動する必要性が激減していけば、いずれは地方でも同様になる

さらに家も、所詮は、一時的に、人が集まり、寝起きして、荷物を置くだけの場所だから、炊事洗濯を共同・自動化(外注化)していけば、所有にこだわるのはバカげているということになるだろう

そして金融経済が進化していけば、最終的には、マネー自体が、ほとんどいらない時代になる

まさに資本主義の終焉というわけだが、愚かな人類が、そこまで辿りつけるかどうかは別問題ではある


2. 2016年12月14日 14:59:19 : F2230ndbwE : N_t1ziYiq68[66]
家は所有するか借りるかするしかない。それ以外の方法で暮らしている人がおられるなら、是非教えて欲しい。

投稿内容は家を所有することへの疑いであるが、しかし、ならば賃貸は所有以上に優れた方法であろうか?

賃貸は景気によって家賃が上下する。しかも大体は2年目ごとに契約更改のためにある一定費用を徴収するのが一般的だと思う。気に入らなくて転居しようとすると、まず保証人が要る。若ければ親がいるが、子供のいない老人には保証人もなかなか見つかるまい。不動産屋も一人暮らしの老人には貸したがらないと聞く。
引越しも肉体労働である。老人には楽なことではない。

投稿内容は現実をよく見ているとは思えない。
確かに時代は変わった。ローンを組んでまで家を所有する不利益は大きいが、しかし、賃貸の不利益も大きい。第三の方法が無いものか。


3. 2016年12月14日 19:32:10 : CI5vPNliJE : k7fWdoo_VxY[1]
ローン持ち家も馬鹿らしいが賃貸はもっと無駄
いずれにしろカネはかかる
廃屋購入・小屋暮らし・モバイルハウス・車中泊・野宿・・何でもある
大金はたいたり他人にカネを払ってまで家にカネをかけるのは
馬鹿馬鹿しいということ 

4. 2016年12月14日 20:56:10 : 2LiKY8ftgY : PTfAaIrqs6s[523]
写真見て わかる砂上の 楼閣と

5. 2016年12月14日 21:24:15 : 0fq43IyNBg : GfWtGrbzZdU[1]
年をとって自分の家がなければみじめなものだ。年金だけで家賃と生活費をまかなうのは難しいというよりまず無理。家賃がいらないから年金だけで何とか暮らしていける。

6. けろりん[1730] gq@C64LogvE 2016年12月15日 00:03:20 : nP3XtyQxb2 : yA9LhZ9RTYA[39]
>家は所有するか借りるかするしかない。
>それ以外の方法で暮らしている人がおられるなら、是非教えて欲しい。

住宅指定区外の山林にモバイルDIYハウスを建てて住む。
山林なので、固定資産税はほとんど掛からない・・・。
これは、実父が70歳を超えてから実際にやったコトだ。

市内で100坪でも持っていりゃ・・・年間30万円近くもの
大金をクニに持って行かれる・・・。
ロ〜ンのあとは、税金が待っている地獄のような世界だ。
これも体験中の、実務情報だ・・・。



7. 2016年12月15日 08:30:32 : FUeof89vko : 8DTkC2hhiZ8[1]
家を買ったら転勤候補リストに入れられると
35年間維持する為にはそれなりの修繕費も必要になる
今時の家はそうやって手を入れても老朽化が早い
無駄以外の何ものでもない
昔ながらの家屋のほうが長持ちだったりする不思議

8. 2016年12月15日 18:03:44 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3437]

>>02 家は所有するか借りるかするしかない

車生活、ホテル暮らしや、病院・介護施設生活、テント生活、ホームレスで他人の部屋に寝るスペースを借りるなどなど、いろいろ可能だよ

頭を柔軟にした方がいい


9. 2016年12月16日 15:49:00 : IYaG8s6ry2 : Lq1qdRn05lQ[12]
家を所有もせず借りもしないでやっていける人はそうすればいい。世界の半分を支配したジンギスカンもテント暮らしだった。

10. 2016年12月16日 16:33:53 : oQmJfmgdmk : UWFT7cvdbHk[6]
住宅過剰とはいっても、高齢者が新たに賃貸住宅を借りることは困難だ。それを身に染みて感じる今日この頃である。



11. 2016年12月16日 20:51:16 : oiQJYR81n6 : dY13A28T2vE[2]

とにかく、小ちゃくってもいいから、

自分の家があった方がいい。

だいたい皆んな、見栄はって大きい家に住むのがイケナイ。

昔は、四畳半に一家4人5人ザラにあったんだよ。

子供部屋なんかも要らないというか良くない。

子供部屋なんか与えちゃいけないんだよ。

そうしたら、子供の自立が早いんだよ。

小さい家にすることで、住宅費に金を掛けなくて済むんだよ。

550万円の家でイイんだよ。

借金があっても返済も早く終わるしな。

で、老後、収入が少なくても何とかなると。

食事も少ない方が、健康で長生きするしなw


12. 2016年12月16日 21:29:08 : CI5vPNliJE : k7fWdoo_VxY[3]
今時の所謂ツーバイフォーはプラモデルのように
簡単に組みあがる割に高すぎるし設備や屋根・外壁に
これまた定期的にメンテがかかる
今こそ在来木造建築を見直し昇華すべき時にあるといえる

13. 2016年12月17日 11:09:39 : 62QaAmZ1Pg : F9H@HWLLFJE[247]
みなさんのコメントを読んで勉強しています。
まだ「中産階級幻想」の残滓に縛られている人も多いようです
「35年ローン」の背景になっているのはおそらく生涯賃金という
画餅そのもののローン推進プロパガンダだと思いますが 
生涯賃金が一億五千万円とか二億円とかいったところで
社畜の一生涯には三万食を必要とするとか 
四万回食事するとかいうのと同じほとんど無意味な計算です。

幼稚園のときのイス取り競争から始まって
無意味な競争をさせられて
おそらくほとんど騙されてきた無産階級のひとりひとりが
 これまでの人生を省みて 残るのは

「もっと柔軟に考え 残りの人生を自由に生きよう」
  だけではないでしょうか 。。。
  
   みなさんのご健闘をお祈りします



14. 2016年12月17日 22:38:56 : njwU8nR5RA : cWMEmvXBgIQ[1]
よく考えたら不必要なものを買わされる。そうして資本主義は発展し熟成し終焉を迎えつつある。

かく言う私も25年ローンで(借りた頃金利は5%だった)家と土地を買った。
返済額は4000万円以上だ。それだけの金を使うのなら公営の賃貸に住んでいた方がマシだった。だって25年経過した家あちこち老朽化して修理の連続。その修理代もバカにならない。修理したところであと何年生きて住めることやら。

資本主義は不必要なものを市中で流通させて富を蓄積する輩がいる。その富に群がる政治家と官僚が居て、そいつらを操る誰かが居る。不動産の私的所有を止めればもっと別な未来が広がったのかな? でもなぁ、そのモデルである自称「社会主義」国があのザマじゃなぁ。やっぱり滅びるしかないんじゃないの?


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