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除草作業をする高齢者
年金カット法案に慌てない! “過労老人”に転落しないためのヒント 〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161209-00000158-sasahi-soci
週刊朝日 2016年12月16日号
「“下流”“過労”の老人になりそうだ、と意識し始めたら、年金や社会保障の勉強をしなきゃだめ。勉強会などに参加して、積極的に知識を得るように」
こう訴えるのは、全日本年金者組合東京都本部の年金相談室長、芝宮忠美さん(73)。人のお金の相談に乗る立場だが、自らも生活保護水準で暮らす“下流老人”だと自嘲する。
外資系ホテルに32年間勤め、60歳で定年退職した。6カ国で働いてきて、年収は700万円ほどあった。海外暮らしの長い華麗な会社員生活に見えたが、実は落とし穴が。日本で働いていたのは8年ほどのため、納めた保険料が少なく、定年後に十分な額の年金を受け取れないことがわかった。
「まだ海外で暮らしていた50代のときに、そのことを知りました。日本へ帰国前に今後のことを考え、制度のことを勉強したり、住宅費や医療費をどう抑えるかを考えたりしました」
自らの体験を踏まえ、今はアドバイスする側に転じた。国会で“年金カット法案”が話題になり始めてからは、年金額への不安を訴える相談が目立つという。
年金や社会保障の制度はわかりにくく、変化も激しい。ただ、生活を守るためにはよく知る必要がある。
たとえば、無年金対策を盛り込んだ法が今国会で成立した。公的年金の受給に必要な加入期間を今の25年から10年に短くする法律で、無年金だった約64万人が対象となる見込みだ。
神奈川県内の68歳の男性(通称こんちゃん)は今は無年金だが、来秋から年金が支給される見込み。大手メーカーの正社員なども含めて職を転々とし、保険料を十分に納めてこなかった。法成立で救われる。
こんちゃんは「俺だって、生きるために新聞だけは読んで情報収集しているよ。年金事務所に行って確認したら、正社員時代に払った年数で大丈夫だった。でも、年金は少ないだろうし、これからも仕事は続けるよ」。
今は解体業の仕事を中心に清掃やペンキ塗りなど、日給約7500円の仕事をしている。もらえる年金は高額ではなさそうなため、少し前にできた“彼女”におごるためにも仕事を続けたいという。
神奈川県内の田崎昭生さん(77)も無年金で、今は生活保護を受けている。
68歳まで建設会社の社宅に住みながら、現場仕事を続けてきた。国民年金の保険料は払ったり、払わなかったりで、受給資格を得る年数に満たない。建設会社をやめてから、今は週に3日ほど朝8時から夕方5時ごろまで働く。仲間と2人組で、清掃や片付けなどの仕事をしているが、最近になって、働く喜びを感じるようになったという。
「遅すぎたけど、今やっとわかった。働けるのはありがたいって。まして俺は生活保護まで受けたから、10円でも20円でも社会に還元したいしね」
田崎さんは何より健康に気をつけている。103歳になる母に時々会いに行くが、そのときに元気でかくしゃくとしていたいからだ。「さんざんやんちゃしてきて、お袋より先に死ねないじゃない」と笑う。
働き続ける高齢者だけでなく、田崎さんのように生活保護を受ける高齢者も年々増えている。
高齢社会白書によると、生活保護を受けている65歳以上の人は2014年に92万人。65歳以上人口に占める比率は、04年の2.1%から、14年には2.8%に増えた。
いつ高まるかわからない老後の不安。自分のペースで少しでも稼ぎ、蓄えを増やすことも大切になる。
高齢者が仕事を探せる身近な場が、シルバー人材センター。全国の市区町村ごとにあり、定年退職した人ら高齢者に仕事を紹介している。60歳以上の人が入会でき、会員は72万人。「自主・自立、共働・共助」が理念の組織で、2千円前後の年会費を払う。
仕事で社会や地域とつながり、生きがいを感じてもらうことがセンターの目的だ。働く人は収入を得られるメリットがある。新入会員へのアンケートによると、入会動機は「生きがい・社会参加」34%、「健康維持・増進」23%、「経済的理由」19%だった。
「最近の傾向として、経済目的で働く方が多くなっていることは確かです。お孫さんへのお小遣いや生活費の足しなど、使い道はさまざまだと思います」(全国シルバー人材センター事業協会事務局長の今野文平さん)
働く時間は週20時間または月10日ほど。就労日数にもよるが、平均月3万5千円ほどの収入になる。
紹介されるのは、短期の臨時的な仕事がほとんど。受け付け・筆耕・宛名書きなど事務、補習教室やパソコン指導など専門的・技術的な仕事、空き家管理や子育て支援などがある。今野さんは「趣味を生かせる観光ガイドや遺跡発掘補助作業なども人気」という。
働くことは本来、喜びであり、生きがいにつながるはず。過労老人と呼ばれない働き方の高齢者が、一人でも増えてほしい。
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