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ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん「人口が減少しても日本経済は成長する!?」〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161207-00000220-sasahi-soci
AERA 2016年12月12日号
経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。
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久々にトランプネタから離れましょう。
人口減少、少子高齢化の日本では経済成長ができない、ということは絶対にありません。私は日頃から、日本の人口なんて増えるわけないし、まして地方からの人口流出なんて絶対に止まらない、とか言っているもんですから、「日本経済の成長はないって考えているんですね」とよく言われます。が、トンデモナイ! 日本経済は人口減少の中でも成長し続けるのですよ。
まず、日本の人口が減るといってもいまだに1億2千万人がいて、20、30年たっても1億人はいるわけです。フランスの倍近いですよ。マーケットとしては有力な規模で商売は十分に成り立ちます。
そして、人口が減るということは、それに見合う供給も少なくて済むということです。無駄なことをしなくてよろしいということでもあります。これは経済効率という面から見ると素晴らしいこと。少なく生産してもそれで満ち足りるなら結構な話ではないですか。
ただし、こういう需要が限定的な世界では、大量生産を繰り返す工業的生産物は需要者(生活者)のニーズにはほぼミートしない。要するに、これまでのように大量生産して、テレビなどのメディアでコマーシャルを打っていれば済むような極めて単純なビジネスモデルが成り立たなくなるのです。シャープやパナソニックの不振もこの文脈で語れますし、若者の車離れも同じような現象と見られます。
ここで間違いたくないのは、「最近の若者は車に乗らない」という思い込みをすること。逆です。「最近の自動車メーカーは若者が乗りたいような車を作っていない」と見なければなりません。
それを生産者が気づいているのかどうか。こんなにいい車を作っているのに売れないのは買い手(若者)が悪い、と言っていても仕方ないですよ、という話なんですね。
これまではある程度マーケットを予測して、これは売れるな、と思えば設備投資をして、広告宣伝を大量に打って、満を持して市場に送り込むことができました。しかし、現在は消費者の需要は多様化し、いざ市場に出した時には需要そのものが消えている可能性さえあるということです。
これはある意味、経済システムが根本的に大企業を否定していることでもあって、奴隷のようなサラリーマンから、一人の人間として独立してビジネスをする大きなチャンスが来ているとも言えるのです。(ぐっちーさん)
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