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「お金がないから結婚できない」その言い訳が正しくない理由
http://diamond.jp/articles/-/110715
2016年12月9日 藤堂真衣 ダイヤモンド・オンライン
晩婚化、非婚化が進む現代日本。男性の5人に1人、女性の7人に1人が生涯未婚だという調査結果もある。若者が結婚を考えない/できない大きな理由の一つが「経済的な不安」だ。巷では「結婚はコスパが悪い」といった声も聞かれる。しかし一方で、経済的な不安がある人こそ、結婚をすべきと指摘する識者がいる。その理由とは?(取材・文/藤堂真衣、編集協力/プレスラボ)
■独身30代男性の声 「自分一人で世帯を支えるのはムリ」
2013年の厚生労働省の発表によると、2010年の生涯未婚率(満50歳の時点で一度も結婚をしていない「未婚」の人を示す割合)は男性で20.1%、女性で10.6%。同データでは2015年の生涯未婚率(推計)は男性で24.21%、女性で14.9%にのぼる。これは男性のおよそ5人に1人、女性のおよそ7人に1人が結婚しないという計算になる。
未婚率はじわじわと上昇を続けており、また初婚年齢も上がり続けている。2012年の調査では男性で30.8歳、女性で29.2歳というデータが出ている。
非婚化や晩婚化が進む一方で、「結婚相談所」の広告はテレビCMや雑誌でよく見かける。オープンな出会いの場である各種「婚活パーティー」も盛況を見せている。自治体主導の婚活パーティーも人気だ。非婚化・晩婚化の原因として、よく「最近の若者は自由でいたいから結婚したがらない」などと言われるが、本当の理由はそれだけではないだろう。
実際のところ、大きな原因のひとつに「経済的な事情」があるのは自明のことだ。共働きが多数派となったとはいえ、いまだに「稼ぐのは男」という風潮の中で、男性たちからはこんな声が聞かれる。以下は、実際に筆者が独身男性たちからヒアリングした中で聞かれた言葉だ。
「現在の年収は300万円程度。妻になる人の妊娠や出産を考えると、自分一人で世帯を支えていくのは無理だと思う」(30代男性)
「大学進学時に奨学金を利用したが、その返済が40歳直前まで続く。『奨学金といえども借金』といわれることも多いので、返し終わるまでは結婚できないと思う。繰り上げ返済も考えているが、年収的にキツイ」(20代男性)
「交際中の彼女は共働きで頑張ると言ってくれているが、現実問題として子どもができてからしばらくの間は難しいと感じる。貯金ができるまでは結婚も妊娠も考えられない」(30代男性)
「貯金がない。結婚式の費用も工面できないので」(20代男性)
■「結婚はコスパが悪い」は金持ちの考え?不安があるなら結婚を選べ
経済的な事情を気にして結婚を考えられないという人は多い。「いつかしたいけれど」「お金が貯まったら」「手当のつく資格が取れたら」「生活が安定したら」……。こんな風に考え、結婚や婚活を先延ばしにしている20代、30代もいるのではないだろうか。
しかし、こうした「いつか結婚したいが、今はとにかくムリ」という考え方に警鐘を鳴らすのが、"婚活FP"として結婚前後のカップルの資産プランニングや婚活パーティーの主催・参加者フォローを行っているファイナンシャルプランナーの山本昌義氏だ。山本氏は、金銭的な不安を感じている人ほど、結婚を選ぶべきという考えだ。
公益財団法人・生命保険文化センターの調査では、夫婦の老後の最低生活費は平均して月に22万円、ゆとりのある生活を送るには35.4万円が必要とされている。それに対して将来受け取れる年金額はといえば、年収400万円の人を例にとると年間およそ166万円。月に14万円程度という計算だ。夫婦二人分でも28万円。ゆとりのある生活には足りないが、最低限の生活費は年金でまかなえる。あとはどれだけ貯蓄できるか、といったところだろうか。
しかし、これが単身者の場合だとどうだろう。山本氏は言う。
「60歳以上の単身者だと、1ヵ月の生活費はおよそ15万円という統計が出ています。受け取れる年金額は14万円ですから、月に1万円ずつの赤字になりますね」
つまり、いま、生涯独身を選択するということは、赤字の老後を覚悟する必要があるということなのだ。
「いまや結婚は『生存のための選択』といっていいでしょう。老後、赤字を出さずに生きていくためには、信頼できるパートナーと結婚する必要があるということです」
■高年収を目指すよりも金銭感覚を磨け!
老後の資金への不安は、誰しもが漠然と抱えている。進む少子高齢化、崩壊同然の年金制度……。やはり低収入では結婚できないのでは?と不安になるかもしれないが、山本氏はそんな人やそのパートナーにこそ「結婚」を選択してほしいと語る。
「先ほども述べたとおり、独身では生きていくことすら困難になる時代がくるかもしれません。今結婚をして、信頼できるパートナーとともに将来に備えることが何よりも大切です」
男性だけに限った話ではない。年収が高い人と結婚すれば安心。そう考えている女性は多いだろう。もちろんお金はあるに越したことはないのかもしれない。だが、その収入を「あるだけ使う」タイプの人との結婚を想像してみたなら、自分の想像がいかにはかないものかがわかるはずだ。
「生活水準を上げるのは簡単です。特に結婚したての頃は、ダブルインカムになってゆとりができ、生活も安定します。ですが、一度上がった生活レベルを引き下げるのはとても難しい。外食の回数を減らす、節約デートをする、買い物も我慢……。なんだか惨めな気持ちになってしまいますよね。さらに子どもを望むのであれば、教育などにも多額の費用が必要になってきます」
夫と妻、どちらか一方が浪費家であったり、計画性がなかったりするだけで、余裕のない老後はすぐそばまで迫ってくるのだ。これはパートナー選びの段階でしっかりと見極めておく必要がある。
「高い収入よりも大切なのは、先を見通す力。つまり生涯を通した、死ぬまでのお金のプランをしっかりと立てる力です。なおかつ、それを実行できる金銭感覚。そうした人と結婚できれば、豊かな老後も夢ではありません」
■「まぁ大丈夫だろう」は卒業せよ!年収300万円の堅実な結婚のススメ
これまでにまったく「お金」について考えたことがない、という人は少ないだろう。しかし、死ぬまでにどのぐらいのお金がかかるかについて、明確に考えたことのある人はどれほどいるだろうか。独身者の場合、かなり少ないのではないか。
人生は定年後も続く。一生働こうと考えている人もいるかもしれないが、今の収入がずっと続く保障はどこにもない。むしろほとんどの場合、60歳を超えれば雇用形態が変わるなどして、収入は下がるだろう。今使っている金額が、一生手に入り続けるということはほぼないだろう。だからこそ、改めて考える必要がある。そのきっかけになるのが「結婚」という人生の大きな節目だ。
「『お金がないから』『奨学金があるから』と結婚を先延ばしにしていると、それだけ貯蓄のスタートも遅くなってしまいます。パートナーがいるのなら、結婚は早いほうがいい。現在の年収で定年までいくら稼げるのか、出産や、子どもへの援助といった支出を含め家族で死ぬまで生活していくのにいくらのお金があれば足りるか。それらを計算し、足りないなら生活費を抑えたり、投資などで収入を増やすという選択肢もあります。もし足りているなら気持ちにもゆとりが出るでしょうし、ゆとり分の資金を運用してさらに増やすということもできます」
冒頭、「年収300万円では世帯を支えられない」という男性のコメントを紹介したが、山本氏はこう言う。
「十分な生涯のライフプランと金銭感覚があれば年収300万円、400万円でも結婚できるし、子どもも育てられるんですよ。ですから、『年収が低いから…』と自己卑下せずに、自信を持って1歳でも若いうちに結婚に向けて動き始めてほしい。また同時に、年収の高い男性ほど生活水準が高いリスクがあるのですから、女性は年収の高い男性と結婚しても安心には直結しません。それよりもしっかりとした金銭感覚を持った年収300〜400万円の男性に目を向けてほしい。そして二人で支え合って、8割の世帯が老後破産すると言われるこの時代を乗り越えてほしいと思っています」
お金のこととなるとパートナーには相談しにくいかもしれない。ケチだと思われる、貧乏生活はイヤと振られるかも……。実に不安だろう。だがパートナーだからこそ、避けて通ることのできないお金の相談をしておくべきなのだ。自分のこれからの人生を豊かなものにしたいなら、結婚という大きなチャンスを見逃すわけにはいかないだろう。厳しい決断だと感じるかもしれないが、時間は待ってはくれないのだ。
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