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FX Forum | 2016年 12月 6日 12:24 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:
ミニバブル崩壊示唆するトランプパズル
上野泰也みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
[東京 6日] - マーケットが荒波に揺さぶられた2016年の出来事で歴史に残る経済的イベントと言えそうなのは、国内では日銀によるマイナス金利の導入、海外では米大統領選挙におけるドナルド・トランプ共和党候補の勝利だろう。
先日発表された「2016ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンには、「マイナス金利」と「トランプ現象」がしっかり入っていた。
筆者も予想を外してしまった今回の米大統領選挙の結果から痛感するのは、「反グローバル化のうねり」がいかに強まっているかという点である。グローバル化による「マクロのメリット」が先進各国で政策的に優先される中で事実上置き去りにされた(あるいは見捨てられた)という「ミクロの不満」が、大きなうねりになっている。英国民投票における欧州連合(EU)離脱決定も、そうした文脈でとらえることができる。
「グローバル化」を大きな原動力にして成長率を高めてきた世界経済は、それがもたらした「負の部分」に対する不満の蓄積が各国の政治を動かす中で、停滞・混迷する道筋へと足を踏み入れつつある。来年はフランス大統領選挙、ドイツやオランダの総選挙など、そうした「うねり」と密接な関わりがある政治マターが欧州でいくつも控えている。
今年の延長線上の展開を警戒して市場が「リスクオフ」に傾き、逃避通貨である円に買いが入る場面が、何度も見られるだろう。これが為替を含む来年のマーケットを考える際に、大きなポイントになる。
<トランプ政策の大きな「謎」は2つ>
もう1つの大きなポイントは「トランプノミクス」の行方である。経済政策で選挙中に大風呂敷を広げてしまったトランプ氏は、最終的にはどのような政策を選んで実行に移そうとするのだろうか。
トランプ氏勝利が濃厚になると、米国の政策の先行き不透明感が強まったと判断した市場は初期反応としてリスク回避志向を強め、株安・ドル安円高・債券高に大きく動いた。いわゆる「トランプショック」である。
しかしその後は、トランプ氏の経済成長志向の強い公約がウォール街の期待感を刺激し、思惑的な株買い・債券売り・ドル買いがおそらくはアルゴリズム取引により増幅されて、「トランプラリー」と呼ばれる動きになった。米国の主要株価指数は史上最高値を更新し、米長期金利は大幅に上昇。ドル実効レートは十数年ぶりの高水準になった。
こうした「トランプラリー」は、期待先行の「ミニバブル」の色彩が濃いと筆者は見ており、持続性には疑問符が付く。むしろ、この先は「トランプパズル」とでも呼べそうな時間帯に入っていくのではないか。トランプ次期政権が実際に打ち出し、実行段階に移すことのできる経済政策がどのような内容になるのかを、あたかもパズルを解くかのごとく市場が考え、悩む時間帯である。問題となる点のうち重要なものを、2つ取り上げたい。
●ホワイトハウスの政策を最終的に左右するキーマンは誰か
大統領首席補佐官にはラインス・プリーバス共和党全国委員長が指名される一方、これと対等のポストとされる首席戦略官・上級顧問には、インターネット上で主張を展開している新しいタイプの排外主義的・保護主義的な右派(オルト・ライト)の代表人物であるスティーブン・バノン選挙対策本部長が指名された。
議会共和党との円滑な意思疎通や妥協を重視するのであればプリーバス氏の意向が、選挙で公約した過激な内容を尊重し2年後の中間選挙に向けてトランプ政権への選挙民の支持をしっかりつなぎとめようとする場合はバノン氏の意向が、トランプ次期大統領の最終判断を決定付けるだろう。
●為替政策はドル高志向かドル安志向か
米長期金利上昇とドル高が、政権発足前の段階から急速に進んでしまっている。だが、米国の企業さらには経済全体がグローバル化した中に置かれているという事実は、選挙でのトランプ氏勝利によって一朝一夕に変わるわけではない。
景気・企業収益・物価には、連邦準備理事会(FRB)が利上げを何回か実施したのと同様の金融引き締め効果が及んでおり、企業収益の減少、住宅投資への悪影響、貿易収支の悪化、製造業関連のマインド指標の悪化などが、遅かれ早かれ観察される可能性が高い。
そうした兆候が出てきたことに慌てふためいて、財務長官などトランプ次期政権の要人がドル高をけん制するトークを発し、ひいてはドル安志向を鮮明にする場合、市場は敏感に反応するだろう。
しかしその場合、20カ国・地域(G20)による通貨安競争回避の合意は捨て去られ、米国も切り下げ競争に参入したという受け止めが市場で広がりやすくなる。欧州・日本・新興国などがこれに対抗してどう出るかを含め、市場は全体として極めて神経質な状態に陥ると見込まれる。
一方、為替相場の形成は自由な市場に委ねるという基本原則をトランプ次期政権で為替政策の責任者になるとみられるスティーブン・ムニューチン次期財務長官が遵守する場合、ドル高が容認されていると市場は受け止めて、ドル買いを進めやすくなる。もっとも、経済指標や企業業績にドル高のデメリットがはっきり反映されてくれば、そうした動きは止まる。
「米国第一」を掲げるトランプ次期大統領は、「強いアメリカ」の復活を掲げて登場した1980年代前半のレーガン大統領と重なり合う面が少なくない。だが、「レーガノミクス」は、ドル高を放置しつつ大型減税を実行したことで貿易収支と財政収支の「双子の赤字」に直面して行き詰まり、1985年9月の「プラザ合意」で協調的なドル相場の押し下げが行われることになった。市場がそうした歴史的な経緯をイメージする場合、トランプ次期政権がドル安容認を鮮明にすれば、ドルが急落することもあろう。
米国次期政権の為替政策には、上記のほかに、中国の為替操作国認定問題、FRB理事空席2つの穴埋め問題、イエレンFRB議長再任問題も関わりあってくる。
期待・思惑先行で足場がしっかりしていない「トランプラリー」というミニバブルは、遅かれ早かれ崩壊するだろう。とはいえ、「お化けの正体見たり」となるまでにどのくらい時間が必要なのかは、現時点では誰にも分からない。
最後に、米国の目先の金融政策にもコメントしたい。トランプ次期政権の政策の具体像がまだ固まっておらず、来年以降の米国の経済見通しは霧がかかったような状態である。
合理的に考えれば、市場のほぼ完全な織り込みという「お膳立て」に乗る形の安易な利上げを連邦公開市場委員会(FOMC)は行うべきではないが、ハト派のイエレン議長でさえ、2枚目の「のりしろ」(将来の利下げ余地)を容易に入手する誘惑には勝てそうにない。1年ぶりの利上げが決まる可能性が非常に高いことは、筆者も認めざるを得ない。
とはいえ、利上げがその先順調に積み重なっていくという市場の織り込みは行き過ぎである。金利上昇・ドル高による米国経済へのダメージに鑑みると、そうした金利水準は遅かれ早かれ修正されるだろう。イエレン議長はFOMC終了後の記者会見で、中立金利の低さに触れながら、今後の利上げ回数は限られるというメッセージを従来よりも強めに発信してくるのではないか。
*上野泰也氏は、みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト。会計検査院を経て、1988年富士銀行に入行。為替ディーラーとして勤務した後、為替、資金、債券各セクションにてマーケットエコノミストを歴任。2000年から現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
(編集:麻生祐司)
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yasunari-ueno-idJPKBN13V08F?sp=true
原油先物が下落、11月OPEC産油量は過去最高更新
[シンガポール 6日 ロイター] - 6日のアジア市場で、原油先物価格が下落している。石油輸出国機構(OPEC)の11月産油量が過去最高を更新したことから、供給過剰が続くとの見方が強まっている。
北海ブレント先物LCOc1は、0.7%安の1バレル=54.55ドル。米原油先物は0.9%安の1バレル=51.32ドル。
http://jp.reuters.com/article/global-oil-idJPKBN13V06H
「人民元が8.8%急落」−ICAPデータ、神経質な市場を振り回す
Justina Lee
2016年12月6日 15:42 JST
トランプ次期米大統領が中国の通貨政策をけん制していることで既に神経質になっている人民元の投資家は6日、衝撃を受けた。ICAPのデータで、元相場が1ドル=7.5元に急落したことが示されたためだ。
ICAPのデータはグーグルとXEドット・コムに表示され、ツイッター上で話題になった。ブルームバーグのデータはそうした動きを示さなかった。トレーダーはエラーが起きたとみている。
ICAPデータは、この日の上海市場のスポット取引が始まる前に1ドル=7.5元前後を付けていた。ICAP(香港)の北アジア地域の最高責任者ベニー・ルク氏は電話取材に対し、この相場水準は確認できないとし、会社として調査していると述べた。
CFETS(中国外国為替取引システム)による人民元の公式レートは上海時間午前11時20分(日本時間午後0時20分)現在、前日比0.24%高の1ドル=6.8669元となっている。
原題:ICAP Showing Yuan Tumbling 8.8% Against Dollar Fuels Jitters (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-06/OHR1EM6TTDS201
中国人民元、続伸−中心レート引き上げで中銀の元相場支援観測強まる
Bloomberg News
2016年12月6日 16:44 JST
中国人民元は6日、対ドルで続伸。中国人民銀行(中央銀行)が元の中心レートを市場予想より元高水準に設定したことで、元相場支援に動いているとの観測が強まった。
人民元は現地時間午後3時2分(日本時間同4時2分)現在、前日比0.08%高の1ドル=6.8778元。元は一時0.3%高と終値ベースで8月以来の大幅高となった後、午後に入りドル高を背景に上げ幅を縮小した。オフショア人民元は0.25%安。
人民銀は中心レートを6.8575ドルと、みずほ銀行とスコシアバンク、三菱東京UFJ銀行の予想平均を上回る水準に引き上げた。
原題:Yuan Rises for a Second Day as Fixing Signals Government Support(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-06/OHR6KB6S973201
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