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OPEC総会議長を務めたカタールのサダ・エネルギー産業相(左)らの記者会見。減産合意に市場は安堵した Photo:REUTERS/アフロ
OPECの減産で進む円安株高、反転リスクとタイミングは
http://diamond.jp/articles/-/110125
2016年12月6日 週刊ダイヤモンド編集部
市場関係者にとってはうれしいサプライズだったに違いない。OPEC(石油輸出国機構)は11月30日の総会で、2008年12月以来の減産を決めた。12月1日の午前中、円の対ドルレートは1ドル=114円台となり、日経平均株価は前日比400円を超える上昇を見せた。
事前協議でサウジアラビアとイランの間に溝があることが報じられ、減産合意は難しいとの観測が流れていた。だが、OPECの総会では「サウジアラビアとしては、国営石油会社のサウジアラコムの上場を控え、OPECの結束を演出し、原油価格下落を防ぐ必要があった。減産合意はミッションだった」(新村直弘・マーケット・リスク・アドバイザリー代表)ようだ。それ故、イランなどに対して例外的な増産を認めたのである。
今回、減産期間を17年1〜6月の6カ月に限定し、夏の需要期の前までとしたところに、原油価格急上昇は回避したいサウジの思惑がある。1バレル=60ドル近くになれば、米国がシェールガスを増産するのは確実だからだ。トランプ政権が誕生すれば、規制緩和により、シェールガス採掘がしやすくなるともいわれる。
他方、生産設備への投資が遅れているイランは、せいぜい緩やかにしか増産できないとのサウジ側の見立てもあったようだ。
■政治イベントが引き金
「原油価格が安定するなら、投資家心理にプラスに働きやすい」(三澤淳一・三井住友トラスト・アセットマネジメント・チーフファンドマネジャー)と現時点では市場は歓迎ムードだ。
「原油安からリスクオフで円高という可能性が小さくなった」(村田雅志・ブラウン・ブラザーズ・ハリマン通貨ストラテジスト)こともあり、17年前半には1ドル=120円という予想も出てきた。
もっとも、中期的に見れば反落リスクは払拭できておらず、減産期間が終わった後の17年7月以降の原油価格の動向は不透明だ。合意したといってもやはり、OPEC加盟国内において、「誰かが抜け駆けして増産するのでは」との疑念は拭い切れない。
また、市場を一気にリスクオフに反転させかねないイベントが今後、めじろ押しだ。英国のEU(欧州連合)離脱が「ハードBrexit」になること、イタリアの国民投票、フランスの大統領選挙、ドイツの総選挙といった欧州の政治イベントと、投機マネーの原油市場からの撤退や産油国からの資金流出を引き起こす可能性のあるFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げなどである。
トランプリスクもある。米国株は次期大統領トランプ氏の景気浮揚政策に期待し上昇しているが、政権運営に失望すれば売り浴びせられ、世界同時株安も免れ得ない。
OPECの減産合意による安堵ムードが長続きするかどうかは不透明だ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)
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