★阿修羅♪ > 経世済民116 > 422.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
正社員化でも報われない氷河期世代の無間地獄 50代で市場価値を倍増する心得  若者・バカ者・よそ者」が社会や企業を活性化
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/422.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 12 月 06 日 06:12:22: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

正社員化でも報われない氷河期世代の無間地獄

河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学

見捨てたツケは、全世代で払うことになりかねない
2016年12月6日(火)
河合 薫

「差はどうやっても縮まらない。結局、正社員と非正規って、"身分格差"だったってことがよくわかりました」

 こう嘆くのは昨年、非正規から正社員になった40歳の女性社員だ。

 彼女は就職氷河期世代のいわゆる「やむなく非正規」。契約が途切れる度に転職を繰り返し、今の会社でやっと「正社員」への切符を得た。

 ところが、“正社員並み”になったのは労働時間だけで、期待したような仕事を任されることもなければ、賃金格差が解消されることもなかったという。

 先月、厚生労働省は、就職氷河期世代の人たちを正社員として雇った企業に対する助成制度を2017年度からスタートさせると発表した。

 氷河期世代は、1990年代後半から2000年代前半に就職活動を行った現在35歳〜44歳の人が該当する。35歳〜44歳の非正規雇用者は393万人で、25歳〜34歳(290万人)、45歳〜54歳(387万人)よりも多い(労働力調査 2015年)。また、中年フリーターと呼ばれる35歳〜54歳の非正規雇用者(女性は既婚者を除く)の増加も問題となっている。

 35〜44歳の正社員比率は4〜6月期が70.5%で、第2次安倍内閣が発足した直後の13年1〜3月期に比べ0.7ポイント低い。一方、15〜24歳の正社員比率は56.0%だが、同じ期間に6ポイント改善しており、厚労省はデフレ脱却には氷河期世代のテコ入れが欠かせないと判断した(日本経済新聞「氷河期世代を正社員に 厚労省、非正規転換に助成金」)。

 助成制度は「過去10年間で5回以上の失業や転職を経験した35歳以上」で、現在無職の人や非正規社員を正社員として採用した企業に対し、中小企業で1人当たり年間60万円、大企業で同50万円支給するというもの。また、求職者が高い意識で就職活動に臨めるように、ハローワークなどにおける就職促進セミナーにも力を入れるそうだ。

 そういえば先日、「ハロートレ—ニング〜急がば学べ〜」と書いたボードを作詞家の秋元康さんがビミョーな笑顔で持っている姿が公開されたけど、これも支援策の一環なのだろうか。

 「ハロートレ—ニング=公的職業訓練」は失業している求職者らを対象に実施しているもので、建設、製造、IT、介護など幅広い分野を網羅している。全国の職業能力開発校などで年約30万人が受講。しかしながら、厚労省の調査では名称や内容を知らない人が7割に上り愛称を募集。秋元さんはその選定委員長だった(1393件の応募あり)。

 「飽きられず、分かりやすい言葉で『ハロトレ』と呼ばれるだろう」(by 秋元康氏)。

 ハロプロのパクリ? ……。ふむ。何なんでしょうね、コレ。

 散々置き去りにされてきた“氷河期世代”に手を差し伸べるのも、せっかくの公的な支援を「是非、使ってね!」と認知度向上に取り組むのもいいけど……、現場との乖離というか、感動ポルノならぬ“非正規ポルノ”というか…。上滑り感アリアリで。現場の声に耳を傾ければ傾けるほど、「そこかい!」とツッコミたくなる。

「実際に正社員になったら、いろいろわかってしまったんです」

 氷河期世代の救済策も、当事者たちにヒアリングすると批判の方が多かった。

•数年後には“お荷物確定”である40代の正社員化を進める企業なんてない
•企業に助成金出して、それって賃金にちゃんと反映されるのか?
•その前に非正規の賃金を上げてくれ
•同一労働同一賃金のほうが先だろ etc、etc…。

 「やっと氷河期にスポットがあたった」と、評価する識者たちとは対照的だ。

 労働の二極化が進んでいる。そう。あらゆる面で確実に二極化が進んでいるのだ。

 おそらく「正社員」の人たちには、壁の向こうは“別世界”。興味もなければ、本気でどうにかしようという気もさらさらないのかもしれない。

 でもね、これって大きな問題なのですよ。単なる雇用問題ではなく、社会問題。なので今回は、「越えられない壁」について、アレコレ考えます。

「私たちのときは、とにかく就職先がなかった。特に大卒の女性を正社員で採用する企業は、ほとんどなくて。それでも当時は、とりあえず非正規でも入ってしまえば、いずれ正社員になれると言われていたんです。

でも、リーマンショックですべて飛びました。正社員化は遠のくばかりだった。

今の会社は3つ目です。契約で採用した後、正社員に転換できる道があるというので、入社当初から少しでも自分のスキルを上げようと努力してきました。

ところが、上司が正社員の候補として推薦するのは30歳前後の若い社員ばかり。私は事務職ですが、少し上の40代の営業職の方も同じでした。営業成績が良くても若い人に先を越されてました。

そもそも正社員になれる絶対数自体も少ないし、入社前に聞いていた話とはずいぶん違うなぁ、って感じでした。大企業だから期待していたんですけど、ね。

それでも40を過ぎると絶対に正社員にはなれないと聞いていたので、諦めずに正社員試験を受け続けました。昨年の人事異動で上司が変わり。新しい上司は性別や年齢で差別する人じゃなかったので、私は滑り込みセーフでどうにか正社員になれました。

正社員になって、賃金は多少上がりました。期待したほどではなかったけど。ただ、今までのように契約が切れた後の心配をしなくていいので、精神的にはかなり落ち着きました。

でも、実際に正社員になったら、いろいろなことがわかってきてしまったんです」

「正社員と非正規は、一生ついて回る“身分格差”」

 彼女はこう続けた。

「なんと、同じ年代でも、最初から正社員の人の方が賃金がずっといい。私の賃金は10歳も年下の人たちと一緒でした。

しかも、最初から正社員じゃないと管理職になれない。賃金もこの先、上がる見込みがないこともわかりました。

今までは同じ仕事をしていても、契約だからって言われて。今は、「最初から正社員じゃないから」って言われる。

確かに、非正規の頃に比べればマシです。正社員になれただけいいじゃないか、っていう人もいます。でも、やっぱり納得できない。

今までは雇用形態の違いだから仕方ないって、諦めることができた。

たまたま自分が大学を出たときの時代が悪かっただけだって、今までは自分を納得させていました。でも、この歳になるとそういう風に思うのも難しくて。

結局、正社員と非正規の差はどうやっても縮まらないんです。

要するに、正社員と非正規って、一生ついて回る“身分格差”なんですよ。悔しいです。なんかしんどいです」

 以上が、冒頭で触れた彼女が語ってくれた詳細である。

 女性の指摘するように、正社員に転換後の待遇が必ずしも転換前に比べて改善されていないケースが存在することは、これまでにもいくつかの調査で報告されている。

・3〜4割の人は正社員転換後も賃金が変わらず、収入が減ったケースも2割ほどある(「正社員になった非正社員」玄田有史 /日本労働研究雑誌)

・最初から正社員の人に比べ、賃金や昇進などで格差が生じる(「正社員転換のその後」李青雅 /労働政策研究報告書)

 また、同じ企業内で正社員に内部転換した人より、転職で「正社員」になる人のほうが賃金が高くなる場合が多いのだが、そこにはトリックがあることがわかっている。

 内部転換の道が用意されていない企業の非正規の賃金は、相対的に低く設定されているケースが多いのだ。

「経験がないから仕方がない」と見放す企業

 なぜ、元非正規は正社員になっても、正社員並みにならないのか?件の女性は上司にそれを聞いた。すると、

「経験がないから仕方がない」

と言われたそうだ。

 私も個人的に知っている人事部の方やトップに、“正社員間格差”について聞いたところ、答えは一緒だった。

「たとえ社会人経験が同年であっても、新卒で正社員として入った人には、企業はポイントポイントで教育を行っている。その分、どうしたって差が生じる」と。

 若い人たちを優先して正社員にするのも、それが理由だと指摘するトップもいた。

 そもそも下のグラフを見ればわかるとおり、正社員の賃金カーブが山型であるのに対し、非正規は平型なため、40代の正社員化は企業にとっても負担となる。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/120200081/graph1.png

(出所:厚生労働省資料)
 一方、現在、政府の基本的なスタンスは、あくまで「正社員化を進める」ことにある。今年1月に発表された「正社員転換・待遇改善実現プラン(5カ年計画)」の中では、「正社員転換・待遇改善実現プラン」として、2016年度から20年度までに達成すべき数値目標を、以下のように設定している。


・不本意非正規労働者の割合(全体平均)を10%以下(2014年平均18.1%)
・若年層(25−34歳)の不本意非正規の割合を現状(2014年平均28.4%)から半減 ・派遣社員・契約社員の不本意非正規の割合を現状(2014年平均派遣社員41.8%、契約社員34.4%)から半減

 数値目標はすべて「正社員化」に関するもので、賃金への言及はない。

 ただ、これはこれで評価すべきこと。

 何度もこのコラムでも指摘しているとおり、「今日と同じ明日がある」という感覚は人の生きる力の土台だ。「会社のルールに違反しない限り、解雇されない」という職務保証があるからこそ、安心して頑張ることができるし、落ち着いて踏ん張ることができる。

 なので、政府が進めようとしている方向性自体はまちがってはいない。うん、間違っていない。

 問題はそこに見え隠れする、“抜け穴”や“からくり”である。

 2018年4月からこの5カ年計画に深く関連する「雇用期間が通算で5年を超えた有期契約労働者を無期契約に転換する制度(2013年4月1日以降に開始された労働契約に適用)」の適用が始まるわけだが、無期雇用に転換しても処遇など労働条件は有期と同じでもいいとされているのだ。

 もし、「正社員じゃない期間」が賃金差の理由になるなら、無期転換だって5年より3年のほうが働く人たちの希望にそったものだし、極論をいえば1年でもいい。でも、そんなルールは適用されない。

 正社員化とセットで処遇改善を政府主導で強引に進めようものなら、経団連から大反発を受けるに決まっている。そりゃあ、そうですよね。企業には非正規雇用する“ワケ”があり、「逃げ道を塞ぐのはやめてよ!」と企業トップが悲鳴をあげるのだ。

氷河期世代軽視のツケが、全世代に及ぶ

 11月29日に行われた「働き方改革実現会議」でも、安倍首相が非正規労働者について「賃金はもちろん、福利厚生、教育、研修の機会にも恵まれていない」とし、採用形態にとどまらず処遇全般の格差是正を取り扱う方針を示したのに対し、経団連の榊原定征会長は慎重な姿勢で応じた。

「賃金、賞与、手当は各企業の労使間で相当時間をかけて決めている。こうした賃金体系は企業の競争力の源泉になっている。日本型の雇用慣行を尊重してほしい」

 企業にとって、40代以上はお荷物予備軍。国にとってもこれからの日本を背負う若年層(25−34歳)の方が大切な存在となる。

 つまり、国も、企業も、氷河期世代を見捨てたのだ。

 非正規雇用者の場合、正社員と比較して社会保険の加入率が著しく低い。つまり、無年金者になる可能性が高い。

 また、健康診断を受ける割合が低く、懐事情から病院受診を控える傾向もあるため、将来、その医療費が財政的な問題になる恐れもある。労働政策研究・研修機構が行った調査では、「過去にお金がなくて病院にいくのを我慢したことがあった」人が、15.9%もいることがわかっている(「壮年非正規労働者の仕事と生活に関する研究」より)。

 結局のところ、氷河期世代をないがしろにするツケが、この先回ってくる可能性が高いってこと。単なる雇用形態の違いが、社会保障を脅かす問題になる。“壁”の向こうの話ではない。実は我が事として考えるべき問題なのだ。

 世の中には、ひとりひとりの努力ではどうにもならないことがある。氷河期世代の非正規問題は、その格好の事例として、今回改めて取り上げました。

 長時間労働を強いる企業だけが、ブラックじゃない。正社員と非正規の格差、元非正規正社員とプロパー正社員との格差……。それらを縮めていくのも企業の責任。そして、当然ながら非正規社員を「正社員になれなった人」だの、「非正規のくせに」などと"身分格差"を助長するようなまなざしを持っているとしたら……。それも、見えない大きな壁になっていることを忘れないでください。

悩める40代〜50代のためのメルマガ「デキる男は尻がイイ−河合薫の『社会の窓』」(毎週水曜日配信・月額500円初月無料!)を創刊しました!どんな質問でも絶対に回答するQ&A、健康社会学のSOC概念など、知と恥の情報満載です。

このコラムについて

河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは、上司の立場、部下の立場をふまえて、真のリーダーとは何かについて考えてみたい。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/120200081/?50代で市場価値を倍増する「5つの心得」

元外資系オヤジ直伝!「グローバル人財のつくり方」

なぜあなたは自分を過小評価するのか?
2016年12月6日(火)
岡村 進
「自分には市場価値なんてないよ」

 次世代人財育成会社を経営する私は、50代のビジネスパースンを対象に研修を行う機会が少なからずある。今の50代はまさに1980年代の日本のバブル経済を垣間見た経験のある、残り少ない現役世代だ。研修で私が「みなさんはご自身の市場価値をどう考えますか?」と聞くと、「自分には市場価値なんてないよ」と自虐的に回答する人が多い。


50代のビジネスパーソンに「みなさんはご自身の市場価値をどう考えますか?」と聞いてみると、「自分には市場価値なんてないよ」と自虐的に回答する人が多い。しかし、市場価値がないわけないじゃないですか。
 一昔前なら私も、「そうだよねー。我々世代はそんな風に育てられてないもんね。若い頃から『歌って踊れるビジネスパースンになれ』と言われてきただけだから。私も同じ!」と心の中で答えただろう。

 しかし、外資系企業の社長を経て、今や零細を通り越して微小(だが誇りでもある!)企業を経営する立場から、これまで経験したことを振り返って言わせてもらえば、「いやいや、そんなことはないでしょう。市場価値がないわけないじゃないですか」と即座に否定する。

 だって、一年間の勤務日数を仮に240日として、一日8時間(実際にはもっと多いでしょうが…)、大学卒業から50歳まで28年間働いてきたと仮定しましょう。いったいどれだけ仕事と向き合ってきたことか。

 合計勤務時間は、8時間×240日×28年間=5万3760時間と、天文学的な数字になる。これだけの時間、仕事をして、逆に手に職がつかないようにする方が、むしろ難しいのではないか。何かしら自分の得意分野は、できてしまうものだ。

“濃縮果汁”のように経験の密度が濃い世代

 しかも、今、50代くらいになっているこの世代は、現代の若手とは違って“濃縮果汁”のように経験の密度が濃いのだ。

 先日、自分の運営している学校に講師としてきてくださった60代の方が、「バブル時代の経験を伝えるのが、自分の責務だ」とおっしゃっていたことに、まったく賛同する。我々は、失敗事例とその原因を並べ立てて単に教訓を伝えたいだけじゃない。同時に、日本人がみな、明るく楽しく勢いよく仕事をしていたことを若い人たちに伝えたいし、年配世代には思い出させたいのだ。そこから若手も年配者も、どうやって自身の市場価値を高めていけばよいかヒントが出てくるから。

入社わずか3カ月で数千万円の貸し付けを審査

 少しだけ生き生きしていた当時のことを披露したい。

 高度経済成長期は、とにかく仕事がたくさんあった。私など入社わずか3カ月で数千万円の貸し付けの審査に一人で出向かされたものだ。申し訳ないが、つい数カ月前まではジーパンをはいて気楽にキャンパスを闊歩していた、あほ学生だ。それが4カ月後には経営者と向き合って丁々発止…などできるわけはもちろんない!

 こちらは、見てはいけないと言われた「質問リスト」をちらちら見ながら、必死に事前に用意した質問をする。先方は、お金を借りたいから真摯に質問に答えてくれる。しかしある時、年配の経営者が「おれはこんなに若い人間に審査されるのか…」とつぶやいたときに、申し訳なさのあまり土下座したくなったのが正直なところだ。

 それからは、格好つけずに相手の懐に飛び込む質問スタイルに変えるよう努力した。所詮、若造は若造…若造らしいやり方があるはずだと気づいたのだ。

 上司に、「テレビを漠然と見るなよ!」と叱られたのもヒントになった。アナウンサーをよく見てみろ。聞かれている側がとても話しやすそうにしている人と、そうでない人とに分かれるだろう。どう聞いたら相手が本音を語ってくれるのか、ヒントを探れというメッセージだった。


入社わずか3カ月で数千万円の貸し付けの審査に一人で出向かされたこともある。冷や汗ものだったが、任せてもらったからこそできるようになったことは多い。
任せてもらったから、できるようになった

 昔は現場研修を総合職全員に課す会社が多かった。私は素晴らしいと思う。私が保険会社に勤めていたときを例に挙げれば、内勤の総合職2名がひと組になって行う保険の販売実習を経験した。そのとき実習の成績がビリになって、正直かなり気持ちがへこんだことがあったが、そのあと、新人の営業職員に同行して販売指導する研修ではかなり実績をあげた。年配ではあったが保険業界では新人だった営業職員の頑張りを応援したい!という気持ちが強かったためだ。

 現場研修を通じて若手が、悔しい、へこむ、なにくそ、と思う、人と共に喜ぶ、しつこくチャレンジする…という失敗と成功の経験を重ねる仕組みが当時にはあった。それ以上に、その成長を暖かく見守る余裕や懐の深さが、当時の会社や上司にはあった。

 数え上げればきりがない、今から思えば本当にありがたい実戦経験の数々。国にも企業にも余裕があった。勢いもあった。成長していた。だから、極端な人手不足の下、若手、さらに若手へと責任を委譲していった。我々はこうして育ててもらったのだ。頭が良いからできたのではなく、任せてもらったからできるようになったのだ。

腹をくくらないと乗り切れない壁もあった

 上司は上司で、先日発売され話題となっている『住友銀行秘史』(私はサラリーマンとしては、こうした内実をつぶさに書籍に書くことを受け容れられずにいるが…)にも描かれているような、結構ぎりぎりの決断を迫られていた時代でもあった。モーレツサラリーマンとして腹のくくりがないと乗り切れない壁も多かったはずだ。

 さて、言っても詮ないこのような昔話をなぜ今さら書くのか? それは、当時と比べれば、“逆回転”したような今の環境では、人がとても育ちにくいことを明確にしたいからだ。この記事を読むような方々には目新しい話ではないだろう。でも研修で同じ話を若手にすれば、みな興味津々で聞いているから面白い。

 「皆さんは普通に生きていたら育ちませんよ! アジア人の若手との競争に負けますよ」…そのことだけでも良いから、本音の現状認識を若い人たちに伝えてあげる意味は大きい。さもないと、鍛える場をもらえずにいる若手は「我々は大丈夫かも?!」と誤解してしまうからだ。せめて、先を考え、深く悩むきっかけぐらいは与えたいと思う。それが、現在の長期デフレ&コンプライアンス呪縛に縛られたビジネスパースンの解放への一歩となるのではないか。

50代へ本音の応援歌を送りたい

 若手へのメッセージはこの辺で端折らせてもらうとして、本日は表題にある通り、50代のシニアへ本音の応援歌を送りたい。

 私は今まで日本および世界の大企業に勤めてきて、52歳で起業した。お金に余裕があって道楽で始めた…わけではない。お金もまだしばらく稼ぐ必要がある。ただし、金融業界でお金にまみれて生きてきたから、死ぬときに「少しは次世代の役に立ったと思いたい!」という自己実現欲求の方が上回る年齢になってきた、それだけのことだ。

 さて、「次世代に生き生きと活躍する人財を作りたい!」と高い理念を掲げたところで、起業にあたって最初に考えなければいけないのは、どろどろの現実だ。まずはオフィスを借りて机をそろえること。それまでは、図書館や公園に通うしかない…。

 いろいろ頑張って、少しビジネスが育ってくると、次に「せめて備品の購入や会計は人に任せたい!」などという欲が出てくる。余談だが、こうした会社の立ち上げ期から働いてくれた社員が、見るに見かねてか、自ら仕事のカバー範囲を広げて会社を支えてくれるようになるのは本当にありがたい。最大の喜びだ。いつかはその気持ちにこたえたいと、自身の励みにもなる。

 さらにもう少し会社が成長すると、「運営をともに行うパートナーを採りたい」などというニーズも生じてくる。そこで突き当たる壁が、誰が微小(笑)企業に勤めに来てくれるか?という難題だ。


50代のシニアへ本音の応援歌を送りたい。
お世辞で言っているわけではない

 そんなプロセスを経て、昔、出会ったビジネスパースンを思い出したり、伝統的大企業で今、50代を迎えた人に研修で向き合ったりしていると、私には誰も彼もが有能人財に映るのだ。

 なんせ、かつて修羅場をくぐってきているから腹が座っているし、組織の力学も見えているから無駄な戦いは避けるし、そこそこの知り合いがいるので調査力も高いし…いちいち良いことづくめなのだ。

 別にお世辞で「市場価値がある!」と言っているわけではなく、本当に必要なのだ。その手を借りたいのだ。うまくっていているスタートアップ企業は雰囲気も明るいし、経験を持った年配者に、本音では頼りたいと思っているためやりがいもある。運よく株でも少し持たせてもらえば、それなりの資産を手に入れる夢もある。

 さてここまで来て、やっと本日の本題となるが、そんな人財ニーズがありながらなぜ流動化が進まないのか? もちろんいろいろな要因があるが、ここでは50代の隠れたポテンシャル発揮を妨げている理由──逆の立場から言えば、ここだけちょっと意識と行動を変えれば、もう今から第二の人生引っ張りだこですよ!というポイントを記してみたい。小さな習慣を少し変えるだけで、ご自身が、定年まで待てずにチャレンジしたくなるかもしれない。


【市場価値倍増の心得 五箇条】

 私が今、大企業にいたとしたら、先々に備えて自分に課していたであろう「市場価値倍増の心得 五箇条」を紹介したい。

【その1】 世代や考えの異なる友人を、毎年3名ずつ増やす

 例えばだが、@20歳以上年下の社外の仲間、A起業家、B(在日)外国人の友人──を毎年1名ずつ増やすと決める。

 自分がまさにそうだが、年配者は放っておけば、自分が正しいと思って視野が狭くなりがちだ。全く異なる世界の人と友人になるためには、年老いてなおかつ自己否定できる頭の柔軟性と心の鮮度の維持が不可欠になる。そういう努力を続けるオヤジが過去を語れば、若手も耳を傾ける。さもないと煙たがられる。

 ■「柔軟性維持装置の重要性」
 ──自分の本能と戦うことで、人はいつまでも成長できる


【その2】 「大会社」ゆえに許される贅沢に慣れない

 例えば、会社の特権の利用は70%までに控えるようにする。具体的には、極力、車(タクシー)に乗らず電車で移動する、ホテル宿泊内規で認められる基準より一つ下のクラスに泊まる、飛行機ならエコノミークラスに乗る、顧客の接待は基準上限の価格の高い場所を選ばず、そのぶん知恵を絞る。たまには個人の金で人とつきあう。

 他人の金なら上限まで使うという姿勢は急には直らない。そもそも下品である。金はとても重要、でも金でできることには限界もある。代わりに脳みそに汗をかかせる! それが日本の美徳ではないか。

 ■「儲けあってこそ使える金」
 ──まずは節約、そのうち、金使いが上手になる。


【その3】 会計を学ぶ

 飲んだくれながらでも、バブル時代の経験を語れば、若手には教訓となる。そこに、多少の数字を交えると、知的に見えてさらに説得力が増す。

 私は目的なき資格に意味はなしと考える。ただ、簿記3級だけは年老いても是非取ることをおすすめしたい。決算帳簿が読めるようになると、金の出し入れへの感受性が高まる。年配者はビジネス勘はあるので、その経験に数字で後講釈をつける力を得られる。

 レストランでも、パチンコ屋でも、製造の現場でも、金融でも…すべての商売は、単価と回転率や稼働率などに分解して考えるとわかりやすい。経験に会計を通じて養われる数字勘が備われば、鬼に金棒だ。

 ■「とにかく会計を学ぶ」
 ──会計知識は、経験知を大きく見せる。言葉の説得力を増す。


【その4】 自分の手を動かす

 若手の仕事を奪うな!という視点はさておき、いつまでも自らの手を動かす意識は大事だ。

 起業した後、たかだかプリンターの設定に数時間かかった時に、愕然とした。昔はプログラミングもどきの作業もしていたのに! 今の時代、せめて人並みに技術の発展に追いついておかないと、思考能力にも影響が出るから要注意だ。

 大げさな話ではなく、まずは「ワード」「エクセル」「パワーポイント」などの資料を自分で作る。しかも文字だけがパンパンに詰まっているようなものではなく、少しイラストやグラフなどを入れて分かりやすいものを自分で作っていれば、なお良し。自身の手を動かして分析し、それを分かりやすく表現し続ければ、思考能力は後退しない。経験をうまく伝える努力は、自分の思考力をも高める。

 ■「自分の内面の劣化を見逃さない」
 ──手を動かし続ければ、頭も回転する。


【その5】 自身の経歴書を毎年書く

 自身の市場価値。ないと思えば、なくなる。ある!と思えば、瞬時に高まる。

 繰り返しになるが、大企業という大きなフィールドで戦ってきた経験は、普通では手に入れられない貴重なものなのだ。そこに方向を定めたスキルや知識の向上の思いが加われば、さらに価値を増す。

 まずは、自身の経歴書(実績、能力・スキルを含む)をA4サイズで最低3ページ以上書いてみる。その時に、過去に働いてきた歴史を一貫して語れるよう、一つの自己アピール・ストーリーを作ることが大事。そして、毎年更新、適宜変更する。それが、定期的に自分の価値を高めるストーリーを見直し、さらに価値を向上させてくれるテーマを探し出すきっかけとなる。

 蛇足だが、日本のビジネスパースンは経験している分野の幅が広いので、例えば第2の人生のキャリアを、X、Y、Zと3つ想定して、それぞれに応じた経歴書を3つ書いてみると、さらにいろいろな発見があるはずだ。実は人生の選択の幅は広いのだ。

 ■「自分には市場価値がある」
 ──生煮えの謙虚さで自身を高い挑戦から逃がさない(私の自戒)。


スタートアップ企業で周りに頼られるという生き方

 外国の友人がいつも言う。「なぜ日本人は自分を過小評価するのか?」と。

 「市場価値を倍増する」と、この原稿のタイトルにつけたが、これは今から倍増するという意味ではない。「すでに絶対に持っているご自身の価値を、埋もれさせずに、そのまま世の中に解き放ってあげてくださいね!」という、私の心からのお願いを込めたものです。

 大企業で部下に煙たがれるより、スタートアップ企業で周りに頼られる生き方を選びたい! 日本でそんな変化が生じるのは、もはや時間の問題だろう。人生の年輪を必要とする企業が世の中にはたくさんあることを、私は人財育成の仕事を通じ て、日頃目の当たりにしている。人生100年時代、50歳ならまだ道半ば。まだまだ成長の喜びを楽しみたい。

 “使えない50代”というのは、ついつい威張って、下をあごで使おうとする人たちのことだ。人生の努力の刈り取りに入るのが早すぎる人たち…。誰しもが自分はそういう人間ではないと思い込みがちだ。だからこそ、陥りやすいワナに気づく仕組みを作って、自らに課せばよい。それだけで、もともと価値のあるスキルや能力は放っておいても自然な輝きを増す。そして人を魅きつけるのだ。


このコラムについて

元外資系オヤジ直伝!「グローバル人財のつくり方」
 日本経済を取り巻く環境がますます厳しくなる中で、今後のグローバル競争の時代を生きていくビジネスパーソンはどのようにキャリアを重ねて行ったらよいのだろう──。
 この連載では、日本の生命保険会社に20年勤務した後、外資系金融会社の日本法人トップも務め、日本企業と外資系企業の双方の良さを知る筆者、岡村進氏が「グローバル“人財”に必要な資質とは何か」「グローバル時代の働き方」「外資系企業の強さはどこにあるのか」といったテーマについて毎回、熱く語っていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/071900056/120300004/


 
これまでの常識が覆された2016年

上野泰也のエコノミック・ソナー

「若者・バカ者・よそ者」が社会や企業を活性化する
2016年12月6日(火)
上野 泰也

米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利をおさめた後、勝利を喜ぶトランプ氏支持の若い女性。掲げたカードや帽子には「MAKE AMERICA GREAT AGAIN!(偉大なアメリカを取り戻す)」の文字。(写真:ロイター/アフロ)
「クォリティー・ペーパー」はもう信用しない

 今年も残りあと1カ月を切るところまで来たわけだが、2016年という年はこれまでの常識が覆される年になったと痛感している。マーケットに身を置くエコノミストとして26年以上も働き続けてきた筆者にとり、英国民投票でのEU離脱派勝利や米大統領選挙でのトランプ候補当選は、実に衝撃的だった。

 事前の予想が外れてしまったことよりもはるかにショックだったのは、世論調査の結果があてにならなかったこと、そして、今の米国では国民のかなり多くが、「ワシントンポスト」や「ニューヨークタイムズ」といった質が高いとされてきた新聞(クォリティー・ペーパー)を含め、既存の大手メディアによる報道を信用していないという事実が露呈したことである。

本当の考えを把握するのが難しくなった

 世論調査による実態に即した人々の意見の吸い上げが、スマートフォン・携帯電話の普及により、技術的に困難になっている面がある。さらに、「隠れトランプ支持派」は「人前でトランプ支持だと言うのが恥ずかしい」といった理由から、世論調査では本当の自分の意見を言わなかったのだという。

 既存メディアを信用していない人々の中には、そうしたメディアが実施する世論調査への回答を拒否したケースもあっただろう。そうなると当然、世論調査の結果にはバイアスが生じる(なお、例外的に「ロサンゼルスタイムズ」と南カリフォルニア大学の合同調査だけは、それらの難点を克服してトランプ候補の優位を予測し続けたという)。

 トランプ氏は上記のような状況変化を適切に読み取って、自らに批判的な既存メディアの報道内容・報道姿勢を攻撃し続けた。そして、そうしたメディアが実施した世論調査で自分に不利な数字が出続けても、いっこうに意に介さなかった。

 これに対し、敗れたクリントン氏は、州ごとの選挙人獲得予想数を含む情勢調査で自らが有利であることをそのまま信用して行動した。選挙戦終盤で民主党上院議員の応援にも力を注ぐなど、陣営の戦略にも緩みが出てしまった。

SNSで共有されたデマ情報

 若年層を中心に情報源として依存するのはSNS経由のニュース配信だが、それらの中には排外主義・保護主義的なムードを煽るものが混じっていたほか、「ローマ法王がトランプ候補支持を表明した」といった類の偽情報もあったことが明らかになっている。

 経済・マーケットに大きく影響する重要な政治イベントの結果を予想する際に手掛かりにしてきた世論調査の数字が以前のようには信用できなくなってしまったという現実に直面して、筆者は大いに困惑している。来年はヨーロッパでフランスの大統領選挙やドイツの連邦議会選挙など、重要イベントが数多い。結果がどう転ぶかわからないという不安心理を従来よりも大きな度合いで抱えつつ、それらのイベントと向き合わざるを得ない。

トランプ氏勝利「良かった」、10〜20代日本人男性で約4割

 最近の流行り言葉で言えば「不確実性が高くなった」ということである。来年5月7日に決選投票が実施されるフランスの大統領選挙では、極右・国民戦線(FN)のルペン氏が勝利する可能性も排除できないと、筆者は警戒的にみている。

 日本では今のところ、全国紙やテレビネットワークといった既存メディアの信用度は、ほとんど落ちていないようである。だが、将来はどうなるかわからない。少なくとも、筆者は自信を持てなくなりつつある。

 産経新聞・FNNが11月12〜13日に実施した世論調査によると、米大統領選でのトランプ氏勝利が良かったと思うという回答が、10・20代男性で38.9%、30代男性で29.3%に達した。

日本でも若者のマスコミ不信が強まるか

 日本の有権者の年齢構成が中高年層に傾斜していく中で、政治の「シルバーポリティクス」化を嫌う人々(自分たちは損をすると考えている若い世代など)から、一種の破局シナリオを望む声が聞かれることもある。すなわち、このまま漫然と赤字財政を続け、社会保障の延命措置を講じても、人口減・少子高齢化が着実に進む中では、遅かれ早かれ行き詰まるのは目に見えている。それなら、日本の財政は破綻に至るのが避けられないと率直に認めた上で、公的部門の大幅カットなどを一気に進めるべきだとする主張である。戦後日本が「焼け野原」から急速な復興を遂げたことも、そこではイメージされているのかもしれない。

 米国の場合、グローバル化で不利な立場に置かれた人々の不満の蓄積が、状況変化の原動力になった。日本の場合、世代間対立を起点に、既存マスコミへの不信感が若年層を中心に強まる可能性がある。そうしたことも、今のうちからしっかり考えておくべきだろう。

「若者・バカ者・よそ者」というキーワード

 話は変わるが、「これまでの常識を覆す」というコンセプトはむろん、日本経済の将来像を明るくする方向の前向きな文脈でも当てはめて考えることができる。

 筆者が最近読んだある本から知り、いつも頭の中で意識するようになったのは、「若者・バカ者・よそ者」というコンセプトである。

 厳寒・積雪のため冬に練習しにくいハンディキャップがある上、夏の猛暑にも選手が慣れておらず、夏の甲子園で優勝経験がなかった、北海道の高校野球。ところが、香田誉士史監督(当時)に率いられた駒大苫小牧高校は、2004年・2005年に夏の大会連覇を達成し、次の年も早稲田実業との延長15回引き分け再試合という激闘の末に敗れたものの、準優勝。夏3連覇にあと一歩まで迫った。このエピソードをテーマにした中村計氏のノンフィクション「勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇」を筆者が読んだ際、次の文章に目が止まった。

「新しい血」が必要だ

 「町おこしに必要なのは、若者と、バカ者と、よそ者の三者だとよく言われる。体力に自信があり、動ける若者。ともすれば非常識にも映るが、誰も思いつかないような発想をするバカ者。そして、まだその土地の価値観に染まっていない、客観的な目を持ったよそ者。香田は、その三役を一人でこなしていたのだと言える」

 町おこしには「若者・バカ者・よそ者」の3つが必要というのは、実に説得力のあるコンセプトであり、個別企業の活性化や、日本経済全体の先行きを明るくする方法にも直結するのではないかと、すぐに筆者は考えた。

 企業トップが活性化を志向する際に、「若者・バカ者・よそ者」の3要素はポジティブだろう。若い新入社員が入ってこなければ、会社組織内の雰囲気はどうしても沈滞しがちである。「新しい血」が入らないまま何年も経過していくと、社員の年齢構成のバランスが崩れて、将来的には業務運営上のさまざまな差し障りも出てきかねない。

「バカ者」の存在を許容できるかどうか

 「バカ者」の存在を許容するかどうかは、企業風土とも関係してくるため常にイエスではないだろうが、常識的でおとなしい人材だけを集めているようだと、斬新な発想は出てきにくい。そして、「よそ者」を取り込む(外部の人材を登用する)ことは、すでに述べた組織活性化の面でも、斬新な発想に基づく新たな展開を模索する上でも、有益な場合が少なくないだろう。

 また、人口減・少子高齢化による長期縮小の道筋をたどっている日本経済全体にとっても、この3要素に注目して必要な政策を展開することが、非常に重要だと考えられる。

 おカネとインフラ整備の両面において少子化対策を格段に強化して「若者」を増やすことは、将来の潜在成長力の引き上げに寄与するとともに、社会保障制度を含む財政バランスの改善に着実につながってくる。

 既存の枠組みにあまりとらわれずに新たな発想をすることのできる「バカ者」を増やすには、知識詰め込み優先の画一的な教育制度や「お受験」社会を見直し、個人の考える力や特性をできるだけ伸ばそうとする教育を行うことにより、行政がその前提となる条件を整備する必要があるだろう。

日本経済の「地盤沈下」を食い止めるために

 「人口が減っても日本経済は大丈夫」という立論をする人の多くは「生産性の向上」という、具体性に欠けた、漠然としたコンセプトに期待を寄せているようである。政策サイドがそうした考え方をすることの適否はともかく、「バカ者」の発想を必要に応じて取り入れた方が生産性は伸びやすいという点には、異論はおそらく出てこないだろう。

 そして、「よそ者」、すなわち観光客や技能労働実習のような一時的な滞在者だけでなく、長期滞在者(要するに移民)を含む海外からの人材の積極的な受け入れが、日本経済の「地盤沈下」を食い止めるためにどうしても必要不可欠だというのが、筆者の持論である。

「反グローバル化のうねり」の行方

 2017年は、米国のトランプ次期大統領の政策運営が実際にはどのようなものになるか、そしてトランプ氏当選が象徴する「反グローバル化のうねり」が欧州の一連の政治イベントにどこまで影響を及ぼすのかが、大きな注目点になる。

 そして日本では、人口減・少子高齢化というクライマックスのない慢性的な危機の進行に対し、政府あるいは個々の企業が、「若者・バカ者・よそ者」の活用も試みながらどのような対策あるいは生き残り策を展開していくのかが、隠れてはいるが重要な焦点になる。


このコラムについて

上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/120200071/
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2016年12月08日 14:53:31 : m4658yx2Ag : wo@m6Re59c8[102]

見なかった事なかった事にして済む問題ではないからねえ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民116掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民116掲示板  
次へ