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取材に応じるジム・ロジャーズ氏
ジム・ロジャーズ氏「日本株も円も買わない」 カリスマ投資家が今でも日本に悲観的なワケ
http://toyokeizai.net/articles/-/148019
2016年12月04日 大西 康之 :フリージャーナリスト 東洋経済
米国の著名投資家、ジム・ロジャーズ氏が来日し、12月3日に東京ビッグサイトで開かれた投資家向けイベント「MASTER OF WEALTH」(フォレスト出版主催)で、日本企業のインドでの事業開発を支援するAVSのサチン・チョードリー会長と対談した。それに先立ちロジャース氏は単独取材に応じた。かつてジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドを設立した伝説の投資家が「トランプ後の世界経済の行方」を語る。
――大方の事前予想を裏切ってドナルド・トランプ氏が米大統領に決まりました。
記録を確かめてもらえば分かるが、私にとってはサプライズではなかった。折に触れてトランプ氏が勝つよと言っていたからね。
――その後は米国でも日本でも株価上昇が続いています。「トランプ相場」はいつまで続くでしょうか。
トランプ氏が掲げた経済政策のいくつかは、米国経済に良い効果をもたらす。減税をすれば消費が活気付くし、絶望的に老朽化している米国のインフラに投資するのは良いことだ。国防にカネを使えば防衛産業が潤い、メキシコとの間に壁を建設する人々も儲かるだろう。
■米国の財務状況は危うい
ただし忘れてはいけないのは、そうした政策には財源が必要ということだ。米国は今や、リーマンショックの時よりも巨額の借金を抱えている。危うい状況だと言わざるをえない。
選挙に勝ったトランプ氏は「TPP(環太平洋経済連携協定)から抜ける」と言ったが、それ以外は貿易について語っていない。もし大統領就任後に中国やロシアに対して貿易戦争を仕掛けるような発言をしたら、その時は持っている米国株を全て売るべきだろう。
――トランプ大統領の誕生で世界経済はどう変わりますか。
一喜一憂をするべきではない。トランプ氏が大統領になったからといって世界経済のファンダメンタルズが大きく変わるわけではない。問題は世界の国々が借金を抱えすぎたため経済成長にブレーキがかかり、今の世代が親世代より豊かになれなくなっていること。その子ども達は、さらに豊かになるのが難しい。
こうした状況の中、世界中の人々が不満を抱えており、そこにシンプルな答えを掲げた人が白馬の騎士のように現れて『救ってあげよう』と言えば、誰もが熱狂してしまう。米国だけでなく欧州やアジアなど、世界中で同じことが起きている。しかしそれで解決するほど問題は単純ではない。一人の指導者に過剰な期待を持つべきではない。
――トランプ政権下では移民が厳しく制限されそうです。米国経済への影響は?
経済成長のエンジンはオープン・エコノミーだ。私が住むシンガポールは1960年代、アジアで最も貧しい国の一つだったが、開放政策を取ったことで今の豊かさを手に入れた。米国も同じだ。移民を受け入れることで経済成長を実現してきた。扉を閉ざせば経済は停滞するだろう。
――日本も移民を受け入れるべきでしょうか。
私は日本が大好きだ。もし日本が財政破綻したら、私はどこで、美味しいお寿司を食べれば良いのだろうか、と考えてしまう。ただし、日本の破綻はすでに始まっているとも言える。人口減少が始まり、負債はまるでロケットのように増え続けている。日本の平均株価は2016年の時点で25年前より安いは、こんな国は他にはない。それによって人口が突然増えるものではないが、移民を受け入れるべきだろう。日本の人は嫌がるかもしれないが。
■「若くて頭のいい人達は、やがて日本を去る」
――以前、ロジャーズさんは「日本株を全部、売る」と言っていました。トランプ氏が大統領選に勝った後、日本株は上昇に転じているが投資するつもりはありませんか。
今は日本株をインデックスで保有しているが、それだけだ。現在、円は持っていない。歴史を振り返れば昔日の経済大国が最貧国になったケースはいくつもある。日本の状況は良くない。若くて頭のいい人達は、やがてこの国を去るのではないかと思う。
「今は日本株をインデックスで保有しているが、それだけだ。現在、円は持っていない」
――ところで、米国は本当にTPPから離脱するでしょうか。
トランプ氏があれだけはっきり言っているのだから、アメリカはTPPから抜けるのだろう。それはアメリカ経済にとって悪いニュースだ。しかし、アジアにおけるアメリカの存在感が薄れることは、アジアの国々にとっては良いことかもしれない。中国の存在感が高まり、中国とロシアが接近することによって伸びる産業もあるだろう。
――OPEC(石油輸出国機構)が原油の減産で合意しました。原油価格は持ち直しますか。
過去50年、OPECの減産で価格が上がったこともあれば、下がったこともある。産油国は嘘をつくしズルもするので、今回の減産合意が実効性を持つかどうかは今後をよく見ていかないとわからない。ファンダメンタルズを見れば供給は着実に減っているため、需給が逼迫に向かうのは間違いない。しかし、シェールガス事業者は今の原油価格水準では増産を決断できないだろう。
――2017年、世界経済はどう推移するでしょうか。
心配だらけだ。中国が債務国になるだろうし、欧州では政治的な混乱が避けられない。おそらく、いくつかの国、いくつかの大企業が破綻するだろう。サプライズの多い年になる可能性があるように思う。
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