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慌てて動くは損のもと 「トランプ相場」に一喜一憂すべからず
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161202-00010001-nikkeisty-bus_all
NIKKEI STYLE 12/2(金) 11:40配信
米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝ったことで世界の株式相場は大幅高となりました。財政出動による景気刺激策が期待されているのが背景です。しかし、トランプ氏は過激発言と保護主義的な政策が警戒され、選挙戦では劣勢でした。万が一勝てば世界経済への不透明感が高まるとされていただけに、勝利による株高を予想できた人は少ないのではないでしょうか。
現に開票中にトランプ氏の優勢が伝えられると、東京株式相場は大幅に下げました。退職後に株式投資されている方は一時ヒヤッとしたでしょう。中には慌てて売ってしまった人もいるかもしれません。
では、今後は一体どうなるのでしょう? アナリストや評論家が様々な見通しを出していますが、予想はあくまで予想でしかありません。番狂わせのトランプ氏当選の例を示すまでもなく、実際には何が起こるかわからないのです。
市場は常に不確実性の中にあり、予測は困難です。今回の動きを振り返っても、東京市場は選挙の開票時間が日本時間の昼間になったため、トランプ氏優勢が伝えられると市場は動揺し、予想外の出来事に売りが加速しました。ところが、東京市場の取引終了後に勝利が確定したトランプ氏の会見が極めて冷静な内容だったことがわかると、今度は一転して楽観的な見通しが広がり、日本時間夜間のシカゴ市場では日経平均先物が急速に値を戻しました。
結果としてニューヨーク株式相場は下げることなく上昇を続けたのです。そのあたりの変化を読むということは実に難しいことです。では退職後に株式投資している人は、突発的な出来事に対してどう対応すればいいのでしょうか?
私は2つのことを考えるべきだと思います。1つ目は何らかの出来事で大きく相場が動いたときは、慌てて動いてはいけないということです。今回のような大きな変化、英国による欧州連合(EU)離脱決定のときもそうですが、こういうときは実体経済の変化というよりも多くの人の思惑や不安心理、過大な期待感が、相場変動の原因になっているからです。だとすれば、動くのは実体経済がどうなるかという方向が見えてきてからでも遅くはありません。慌てて動くと損をしてしまうということがありうるからです。
資産運用のエキスパートとして高名なチャールズ・エリス氏はその著書「敗者のゲーム」の中で、「長期にわたる資産運用で大切なことは『市場に居続けること』だ」と述べています。下手に予想して市場から出たり入ったりを繰り返すと、往々にして読みが外れがちになります。そもそも、その都度かかる売買コストだってバカになりません。従って、まず考えるべきことは市場の動きに惑わされて、慌てて市場から退出することではなく、株式の保有を続けるということです。
ただし、そのためには前提があります。それが2つ目のポイントです。「何もしなくてもいい」という状態にするには、自分自身の資産のポートフォリオを適切なものにしておく必要があります。いうまでもなく、資産運用で最も大事なのは自分の許容度に見合った形でリスク資産を持つことです。リスクが高い株式などの割合は一定程度にとどめ、残りは安全資産として保有するべきです。
特に退職者は老後資金として運用している人が多いでしょうから、安全資産を持つことは重要です。安全資産の例としてはインフレに強い「物価連動国債」や「個人向け国債変動10年」、そして流動性を確保する普通預金などが挙げられます。
リスク資産については、特定の国や市場に偏ることなく世界全体の市場規模(あるいは経済規模)に合わせた比率でグローバルに分散投資をするのが大原則でしょう。日本の人口は減少するので将来的に大きな経済成長が期待できないとしても、世界の人口全体としては増え続けていますから、経済発展が進むはずです。だとすれば、世界全体に投資することによってその恩恵を受けることができます。
私は相場の世界に40年近く関わっていましたが、資産運用というのは一見複雑に見えるけれども意外とシンプルなものです。「適切に資産を配分し、あとは市場に居続ける」ということさえ実行していれば、いかなるショックが来てもそれほど不安を感じる必要はないはずです。どうかトランプ相場に一喜一憂せずに運用してください。
「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は12月15日付の予定です。
大江英樹(おおえ・ひでき) 野村証券で個人の資産運用や確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。行動経済学会の会員で、行動ファイナンスからみた個人消費や投資行動に詳しい。著書に「定年楽園」(きんざい)など。近著は「投資賢者の心理学」(日本経済新聞出版社)。CFP、日本証券アナリスト協会検定会員。
オフィス・リベルタス ホームページhttp://www.officelibertas.co.jp/
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