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内閣官房参与も務める浜田教授
アベノミクス終了 浜田教授の懺悔と黒田総裁の暴走
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161125-00006818-sbunshun-bus_all
森岡 英樹(ジャーナリスト) <週刊文春2016年12月1日号『THIS WEEK 経済』より>
11月15日付の日経新聞朝刊を読んだ金融関係者は驚愕した。アベノミクスの理論的支柱である浜田宏一・エール大名誉教授(80)が金融緩和政策の限界を認めたのだ。
〈私がかつて『デフレは(通貨供給量の少なさに起因する)マネタリーな現象だ』と主張していたのは事実で、学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない〉
金利がゼロに近くなれば量的緩和は効かなくなり、マイナス金利を深掘りすると金融機関のバランスシートを損ねるという。
「アベノミクスは、第一の矢である金融緩和が肝。第二の矢である財政出動はこれまでもやってきたし、第三の矢である成長戦略は成果が出ていない。その第一の矢が折れつつあることを提唱者が認めたのです」(経済部記者)
ある経済学者は「80歳になってもなお学び続け、誤りを認められる浜田先生は学者として誠実な人」と評価するが、壮大な実験の被験者となってきた国民は浮かばれない。
問題は、“実行犯”である日銀がいまなお失敗を認めず、“逃走”を続けていることだ。
2013年、黒田東彦氏が日銀総裁に就任し「2年程度で2%の物価上昇目標」を掲げたが、いまだ達成できず、時期を2018年度に先送りした。リフレ派の代表格として副総裁に送り込まれた岩田規久男氏は、「2年で2%」という目標が達成できない場合は辞職すると公言していたが、その気配はない。
そして、今や黒田総裁は「神になった」(金融関係者)と囁かれている。
11月17日の参院財政金融委員会。黒田氏は、利ざや縮小で金融機関の基礎的な収益力が低下する中、課題克服には「(経営統合も)一つの選択肢としてあり得る」と指摘したのだ。これを聞いた地銀幹部が怒る。
「マイナス金利政策で収益力が急減しているのに、経営統合も選択肢とはマッチポンプそのもの。金利だけでなく、金融機関の経営戦略にまで口出しするとは、日銀は全知全能の神になったのか」
フランケンシュタイン博士の生んだ怪物は、創造主の意図を超え暴走を始めた。浜田教授の生んだ「異次元緩和」、そして黒田総裁も、なお暴走を続けている。
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