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30〜40代から始めたい「実家をたたむ準備」(NIKKEI STYLE)
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/161.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 25 日 11:14:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


30〜40代から始めたい「実家をたたむ準備」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161125-00000002-nikkeisty-life
NIKKEI STYLE 11/25(金) 7:47配信


 たいていの人に、いつか実家のたたみ方を考えなければならない時が訪れます。30〜40代にとってはまだ先の話かもしれませんが、親御さんが元気な今こそやっておきたい対策も。この年末年始から始められることも含めて、実家のたたみ方にどう取り組んでいけばいいのか、考え方と手順を見ていきましょう。

■準備をしないと税金や相続のもめ事に苦しむ

 数年前から空き家問題が話題になっています。「まずは地方から始まりましたが、東京23区内でも今後増えそうです」と話すのは、ファイナンシャルプランナーで1級建築士の佐藤章子さん。「というのは、駅から遠い立地に狭くて設備の古い物件がたくさんあるからです。当座住めればいいと、将来の住宅の価値を考えずに建てたためですが、そうした物件だと子世代は引き継がないでしょう」。一定水準の住宅であっても、既に親と同居しているのでもない限り、実家を引き継ぎたがらない子世代も少なくないと思われます。既にマンション等の自宅を所有していることもあるでしょうし、親世代とはライフスタイルが違うなどの理由も考えられます。

 とはいえ親の死後、実家を放置するわけにはいきません。空き家にしてしまうことはいろいろな意味でリスク。お金の面では2015年施行の法制度により「特定空き家」と自治体から認定されると、固定資産税が上がってしまう場合があります。特定空き家とは適切な管理が行われず、倒壊などで危険だったり衛生上有害な家のことです。

 一方、現在は空き家であっても、取り壊して更地にして売却したり、耐震リフォームをしたりして売却すれば、譲渡所得について3000万円の控除が受けられるという特例があり(2019年までの時限措置)、税金面でかなりお得になります。

 現状の制度を見ても、実家をどうたたむかによってお金の面で大きな差がつきます。制度は変わるので将来はわかりませんが、「実家をたたむ」という意識を持っていれば情報キャッチのアンテナが立ち、いざというときに有利な方法を選べるはずです。

 「お金の面に加えて、何も対策を講じていないと相続の時に兄弟姉妹間でもめることにもなります」(佐藤さん)。相続財産の大半を占めるのは居住用の不動産、要するに実家です。売却すれば分けられますが、もしかしたら兄弟姉妹の誰かが継ぎたいと言い出すかもしれません。売却してお金を分けるにしても、人数で均等に分けると不満を持つ人が現れる可能性もあります。「そもそも実家をどうするのかを考えるのは親の役割ですが、相続のもめ事を避けるには、将来、相続人になる兄弟姉妹も一堂に会して話し合う必要があります」


実家をたたむのはどんな時? どう対処する? (佐藤さんのお話をもとに作成)

■二世帯住宅は相続時にリスク

 では、実家をたたむ必要が出てくる状況とは、どんな時で、どのような対処法があるのでしょう。それをまとめたのが下の図です。「大きく分けると、『両親のどちらかが死亡、もしくは施設に入居。もう一方は子の家に同居等で実家が空き家に』『両親とも高齢者施設に入居し、実家が空き家に』『両親とも死亡して実家を相続』という3つのケースが考えられます」(佐藤さん)

 例えば「両親とも高齢者施設に入居し、実家が空き家に」というケースでは、将来、子が実家に住む可能性がなければ「売却するか、賃貸や民泊として活用する」という選択肢が現状では考えられます。「その時の制度や経済環境により、選択肢の有利・不利は異なりますし、別の選択肢も出てくるでしょうが、まずはこの図で方向性を探ってみてください」(佐藤さん)

 図に挙げたケースのほかに要注意なのは二世帯住宅だと、佐藤さんは指摘します。「ほかに兄弟姉妹がいると、両親とも死亡した後、二世帯住宅をどうするかでもめ事になりやすいのです」。やむを得ず売却することになっても、二世帯住宅はこだわりをもった物件が多く、売れにくいのが実状。建物を壊して更地にして売るしかないケースもあるといいます。「既に二世帯住宅に住んでいる場合は、ほかの兄弟姉妹が相続の時に不満を持たないように、親とともに対策を講じる必要があります」

■まずは実家に預けっぱなしの自分の物を引き取る

 では具体的にどこから手を付けたらいいのでしょう。「まずは実家の片付けから」と佐藤さんは提案します。大量の物が残されたまま親が亡くなり、実家の片付けに子が苦労をしたというのはよくある話です。それ以前に、親が存命中のことを考えても「住まいに物が多いと掃除がしにくくなり、ホコリのせいで老親が健康を害することもあります」(佐藤さん)。

 実家に子供の頃のおもちゃや学用品、運動具、本などを預けっぱなしの人は多いのでは? 30〜40代の人の親御さんと同世代の佐藤さんは「年をとると子供の物でも保管していることがおっくうになるという話をよく耳にします。自分の物を引き取りつつ、親の物の整理整頓を手伝ってあげるといいですね」。

 年末年始は家族が実家に集まりやすいシーズンです。「実家の片付けは、兄弟姉妹と連絡をとって一緒にイベント的にやるのがお勧めです。お孫さんがいるなら連れていくと効果的。親は子どもの言うことにはなかなか耳を貸さなくても、孫の言うことなら喜んで聞くものなので片付けがはかどるはずです」。そんな作業をしていれば、自然な流れで親に「これからどう暮らすつもりか」とか「家はどうするつもりか」といったことを聞けそうです。

 「一度で決められることではないので、次はお盆の時にとか、家族みんなが集まった機会に話し合いを進めていくといいでしょう。30〜40代の人の親御さんなら、まだ先は長いはず。話し合いに時間をかけられるのが強みです。この年末年始はその第一弾にしてみてはいかがでしょう」

 普段は仕事や子育てで忙しくても、ときどき親のために時間を割くことは、自分たち自身が将来困らないための積み立てをしているようなもの。少しずつ着実に進めていきましょう。

(構成 日経BPコンサルティング 「金融コンテンツLab.」、ライター 萬真知子)

[参考] 日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」()は、難しくなりがちなお金の話題を、分かりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信に当たっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。



 

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