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六本木ヒルズ森タワー、東京シティービューより(「Wikipedia」より/Kakidai)
森ビル、不可能な荒業を次々断行で東京変貌…道路の上空にヒルズ建設、道路付け替え
http://biz-journal.jp/2016/11/post_17273.html
2016.11.25 文=小川裕夫/フリーランスライター Business Journal
2017年4月、森ビルが満を持して東京・銀座に進出する。「GINZA SIX」と命名された同プロジェクトは、松坂屋の跡地に銀座最大の商業施設を建設するもので、複合施設全体で年商600億円を見込んでいる。
六本木ヒルズなどを手がけてきた森ビルは、日本でもトップクラスの都市開発事業者として知られる。しかし、老舗が集まる銀座には手が届いていなかった。時代の流れとともに銀座を重んじる風潮は弱まっているとはいえ、やはり銀座進出は企業にとって一流の証。森ビルが銀座へと進出することは、同社が企業として一流であることを内外に示すという意味が込められている。
今般、人口減少や日本の経済低迷、オフィスビルの供給過剰といった複合的な要因から、都市開発事業者は軒並み苦戦を強いられている。日本全体の不動産価値は下落する一方だが、そうしたなかでも東京都心部だけは事情が異なる。
20年に開催される東京オリンピックによって再開発バブルのような狂乱状態になっているという事情を抜きにしても、東京都の千代田区・港区・中央区のいわば都心3区では都市開発の熱が冷めない。だが、明らかに都市開発のパイは縮小している。不動産開発事業者は、小さなパイを奪い合うように鎬を削っている。
一躍、“ヒルズ”で全国に名を轟かせた森ビルは、「格式の点においては老舗の都市開発業者に後れを取っていた。銀座への進出は、まさに森ビルにとっても悲願といっていい」(不動産業界紙記者)。
■道路付け替えという異例の荒業
しかし、GINZA SIXは森ビルが銀座に足を踏み入れたというだけの話では終わらない。同プロジェクトは銀座6丁目の10番・11番の2街区を統合し、一体的に再整備する計画が発表されている。
一見すると単なる再開発事業のように見えるプロジェクトだが、同プロジェクトはこれまで東京で着工されてきた再開発事業とは大きく異なる点があると、関係者たちは口を揃える。
同地を見ると、10番・11番の間には区道がある。区画が細切れになる道路は、大規模な都市開発の障壁だった。だからといって道路をなくすことは難しい。ところが、街区の間にある区道を区画の端に寄せて付け替えるという荒業を、森ビルはやってのけてしまったのだ。
こうした道路の付け替えに対して、道路関係の財団法人研究者はこう話す。
「私たちが普段歩いたり、自動車で走ったりする道路は、道路法という法律でその定義が定められています。道路法に定められた道路は、簡単に廃止することができません。それは道路渋滞などの混乱をもたらすだけではなく、道路は防災にも大きく関連しているからです。
そうした大きな公益性を有している道路を廃止することはもちろん、付け替えることだって容易ではありません。それほど行政は道路をインフラとして重要視しています。だから、民間の都市開発事業者がいくら大規模開発といった理由を掲げようとも、行政がやすやすと道路を“明け渡す”ようなことはあり得ません。これまで、道路が原因で大規模開発を泣く泣くあきらめてきた都市開発事業者も多いのです。それなのに、森ビルがどうやって区道の付け替えを可能にしたのか、それが不思議でなりません」
■築地市場の跡地も森ビルが買収か
森ビルがやってのけたのは、今回の銀座における道路の付け替えにとどまらない。ほかの不動産事業者ならば不可能と思われるような案件を、これまでにも次々と実現させてきた。
14年に開業を果たした虎ノ門ヒルズは、環状2号線の真上に立つ。従来、道路の上空にこうした建物を建設することは法律的に不可能だった。しかし、1989年に道路法が改正されて、立体道路制度が創設された。これは道路の上空にもビルなどを建設することを可能にした制度で、東京都などは都市開発が活性化すると期待されている。
環状2号線の上に立つ虎ノ門ヒルズも、立体道路制度を活用して建設されている。立体道路制度は森ビルや虎ノ門ヒルズのために創設された制度ではないが、ほかに活用された事例は、バスタ新宿や北九州モノレールの小倉駅といったように公共施設が大半を占めており、虎ノ門ヒルズのように民間の商業施設に活用される事例は多くない。
森ビルは立体道路制度を巧みに活用し、東京の一等地に虎ノ門ヒルズを実現させた。そうした森ビルの“実力”に、都市開発事業の他社も舌を巻く。同業者からは、「立体道路制度は“森ビル”のためにできた制度」といったやっかみも聞こえてくる。
また、森ビルは虎ノ門エリアを国際新都心にすべく重点的に開発することを発表した。森ビルの意気込みに、東京メトロや独立行政法人都市再生機構も動かされることになり、日比谷線の霞ケ関駅−神谷町駅間の虎ノ門エリアに新駅がつくられることも決定した。まさに、森ビルによって東京の地下鉄までも変貌することになる。
森ビルの勢いはとどまるところを知らない。今、話題になっている築地市場の跡地をめぐっても、しんぶん赤旗が「跡地を森ビルが取得する」と報じた。築地市場は、銀座から近い一等地だ。それだけに、赤旗の報道は移転で気を揉む築地関係者のみならず不動産業界関係者の関心を集めた。
森ビル関係者は「社内でも築地市場跡地を買うといった話は聞かないが、もしそういった話が持ち掛けられたなら、みすみすチャンスは逃さないだろう」と言う。
仮に、森ビルが築地市場跡地を取得すれば、築地市場の周辺は大変貌を遂げるだろう。都市の一プレイヤーでしかなかった森ビルは、もはや単なる都市開発事業者ではなくなりつつある。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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