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米大統領選でトランプ氏の優勢が伝わった9日は急速に株安・円高が進んだ。同日の取引時間中に比べて、日経平均は最大で1931円上昇。ドル・円相場は10円近く円安に動いている (c)朝日新聞社
日経平均1万8千円台!「トランプ相場」は続くのか〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161122-00000211-sasahi-soci
AERA 2016年11月28日号
11月18日、日経平均株価は10カ月ぶりに一時1万8千円台、為替は5カ月半ぶりに1ドル=110円台に乗せた。米大統領選のトランプ氏の勝利で株高・ドル高は勢いづくが……。
弱者を煽って勝利した候補者は一転して強者と手を組んだ。株高・ドル高は、その祝砲だ。
貧困白人が抱える憤懣、内向きのアメリカ、既成秩序への反乱──。危うさと否定的なイメージがつきまとうトランプ旋風は、アメリカ経済を失速させかねない、と憂慮された。ところが、フタを開けると市場は「歓迎、トランプ大統領」である。
トランプ相場は三つの要因が押し上げている。(1)共和党政権の誕生(2)財政出動への期待(3)金融緩和基調の継続。
同時に行われた議会選挙で上院・下院とも共和党が過半数を取り、政府と議会のねじれが解消した。トランプ氏は勝利演説で暴言を慎み、「普通の大統領」を演じた。政権移行チームのトップに副大統領候補のペンス氏を据え、共和党との修復が進む。
●漂わす「緩和ムード」
トランプ氏は「既成政治への反逆」を売りにして、共和党主流派をこき下ろし喝采を浴びた。だが、それも当選までのこと。大統領になったら議会の多数派・共和党と組むしかない。罵り合った両者は、ためらいもなく抱き合う。それが政界である。
港湾、鉄道、通信など公共事業を重視するトランプ氏の政策は株式市場で好感された。米国はインフラ建設も民主導、政府が前面に出ることはない。とりわけ共和党は経済への「官の介入」を嫌う。不況には公共事業、というのが日本では常識だが、米国は「ルーズベルト大統領のニューディール政策」が語り継がれるように景気対策の公共事業は画期的とされる。
市場が評価するもう一つの要因がトランプ氏が漂わす「緩和ムード」。大富豪のトランプ氏は規制に縛られることを嫌う。
景気が回復途上にある米国は、金融の量的緩和はすでに打ち切られた。中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、すでに政策金利を上げ、2度目の利上げをうかがっている。金利を引き上げれば、マネーは収縮し、株価は下がる恐れがある。
FRBには、金融バブルがリーマン・ショックを招いた手痛い過去がある。イエレン議長はバブル再燃を心配し金融を締め、節度あるカネの流れを目指す。しかしトランプ氏はイエレン議長を名指しで「クビだ!」と発言、再任しない、という姿勢だ。
歴代大統領はFRBへの干渉を控えてきた。そんな常識に無縁なトランプ氏にウォール街は密かに期待している。
選挙中は「反ウォール街」だった。既得政治権力とは、ワシントンの政治家とウォール街が結託したエスタブリッシュメントではなかったか。
●長女はユダヤ教に改宗
金融界はユダヤ人社会と密接な関係がある。全米ユダヤ人協会はクリントン氏支持に回った。トランプ氏との関係修復が必要だ。
ユダヤ人を無視して商売はできない不動産業界で成功したトランプ氏は分かっている。エスタブリッシュメントの中核にいる連中とうまくやることが大統領として必要なことだと。その象徴が結婚してユダヤ教に改宗した長女イバンカ氏。夫はハーバード大学卒でやり手のユダヤ人実業家ジャレッド・クシュナー氏。選挙を仕切る有能ぶりを発揮した。新政権はユダヤ人脈が要職に就く。これまでどの政権もそうやってきた。「2%のユダヤ社会が米国を支配する」とさえ言われている。
株高・ドル高は関係修復への祝砲である。だが、経済は期待通りに進むとは限らない。
偉大なアメリカを囃してドル高になれば、輸出にブレーキが掛かる。上がり始めた金利は景気を冷やすだろう。
焦点は12月の金融政策。FRBは利上げに踏み切る可能性が大きい。
選挙は社会に分断の傷を残した。敵をつくるトランプ氏の手法は政治の混乱と経済停滞を招く恐れがある。新政権の人事でも、すでに身内の戦いが始まっている。一喜一憂する政局が、溢れるほど膨らんだマネーを右往左往させるだろう。市場は乱高下を繰り返す。政治も経済も落ち着きのない時代を迎えた。(ジャーナリスト・山田厚史)
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