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為替の予想を語る人は、予想が当たって金持ちなのか?
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8256
2016年11月21日 塚崎公義 (久留米大学商学部教授) WEDGE Infinity
マスコミで為替予測を語る人は多いですが、彼らの予測は当たるのでしょうか? その結果、彼らは金持ちになっているのでしょうか? 実は、それほど当たっておらず、確率5割程度ではないかと言われています(笑)。
為替レートは、極めて複雑な要因で動きますので、予想するのは大変です。何より大変なのは、「皆がドル高だと思うとドル買い注文が増えて実際にドル高になる」ということです。つまり、皆がドル高だと思うか否かを予想する必要があるわけです。それは、ほとんど不可能でしょう。
そもそも、今のドルが100円なのは、プロの半分が「100円より安くなりそうだ」と考えて売り注文を出し、残り半分のプロが「100円より高くなりそうだ」と考えて買い注文を出しているからなのです。「そんな筈は無い」と思う人は、「多くのプロがドル高を予想しているならば、何が起きるだろう?」と考えてみて下さい。皆がドル買い注文を出すので、今既にドル高になっているはずなのです。
プロの予想が半々に分かれている時に為替レートを予測しても、それほど当たるはずはありません。中には天才的な人もいるかも知れませんし、たとえばドル高バブルが崩壊した局面ではドル安予想が高い確率で当たるのかもしれませんが、そうした例外を除けば、マスコミで述べられる予想も確率5割と考えて良いでしょう。
■それでもプロの予想を聞くのは責任転嫁
それでも、プロの予想がマスコミで流されているということは、聞いている人が多いのでしょう。プロの予想だから当たるのだろうと信じて聞いている人もいるでしょうが、責任転嫁のために聞いている人も少なくないはずです。
たとえば、輸出企業の経理部の若手社員が上司から「輸出代金のドルが入金したのだが、今日売ろうか1カ月待ってから売ろうか?」と相談されたとします。若手社員の予想は5割の確率でしか当たらないので、自分の予想を答えるのは危険過ぎます。そういう時には、「メインバンクの為替部長がドル高を予想していますから、売るのは待ちましょう」と答えれば良いのです。
大学の財務部長が大学の資金を運用する場合にも、自分で運用すると、成功した時に褒められるよりも失敗した時に非難される方が怖いので、プロに運用を丸投げする場合が多いようです。プロの為替予想が当たらないのですから、プロの運用が儲かるという訳ではないのですが、財務部長の責任回避には大いに役立つのです。
■マスコミに登場する人の予想は当たっているのか?
上記の若手が頼りにしたメインバンクの為替部長ですが、彼の予想は当たっているのでしょうか? それは、おそらく大丈夫です。なぜならば、為替部の中で、何人ものプロが予想をしながら取引をして、儲けた人が出世して部長になったわけです。したがって、部長になったということは、部内のライバルより成績が良かったわけです。
為替の評論家も、見通しが外れ続けるとマスコミに呼ばれなくなるので、今残っているのは見通しが当たっている人ばかりです(例外的に見通しが外れても話術だけでマスコミに登場している人もいるようですが)。
これは、彼らの予想が今後も当たるということではありません。たまたま過去の予想が当たってきた運の良い人が部長になったりマスコミに呼ばれたりしているので、今後も当たるとは限らないのです。
以上、失礼なことを書きましたが、あくまでも一般論を述べたまでで、中には本当に能力があって予測が当たる人もいるかもしれません。そういう方が気を悪くされた場合には、お詫び申し上げます。
■株価の予想は為替の予想よりは当たるかも
株価の予想は、為替レートに比べれば、当たる場合が多いようです。特に小型株については、真面目に調べれば、結構な確率で正しい予測が出来ると言われています。それは、情報が行き渡っていないからです。
ドルの値段については、注目している人が多く、情報も行き渡っていますので、あとは勘だけ、といった状況ですが、小型株については、熱心に情報を集めている人が少ないので、チョット調べれば他の投資家にくらべて優位に立てるのです。たとえばレストランチェーンであれば、何店舗か足で廻って見るだけで、店の混み具合や雰囲気、新商品の味までわかります。
こうした情報が小型株の値動きを予測する上では結構役に立つのです。他の投資家が気づいていないこと、つまり株価に織り込まれていないことを自分が気づいたとすれば、「この情報に他の投資家が気づけば買い注文を出すだろう。そうなれば値上がりするだろう」という予測が可能だ、というわけです。
大型株についても同様ですが、大型株は注目して情報を集めている人が多いので、様々な情報がすでに株価に織り込まれている場合が多く、小型株と比べれば「他の投資家が知らない情報を得ることで株価を予想して儲ける」ことが容易ではないようです。
小型株を調査すれば儲かるのに、なぜ人々は調査しないのか?
小型株については、しっかりと調査をすれば株価の予想が比較的当たるようになるとします。「それならば自分も小型株について調べて儲けよう」という人が増えるはずなのですが、なぜ増えないのでしょうか。
それは、小型株の取引量が少ないからです。調査の結果、A社の株価が上がりそうだと気がついた投資家が、A社の株に買い注文を入れます。小型株は取引量が少ないので、ある程度まとまった量の買い注文が入ると、価格が高騰してしまうのです。「100円の株価が120円になるだろうと予想して買い注文を入れた所、株価が120円に値上がりしてしまった」という事が起きかねないのです。
せっかく調べたのに、少量の株式しか買わないのであれば、調べる手間に見合った利益が得られません。一方で、大量の株式を買おうとすると、株価が上がってしまうので、やはり利益は得られません。したがって、小型株について調査をすることは、それほど簡単に儲かる仕事ではないのです。
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