http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/651.html
Tweet |
「アベノミクス経済対策は、百害あって一利なし」元経産官僚、エコノミストが語る
http://nikkan-spa.jp/1219331
2016.11.14 日刊SPA!
今年度の第二次補正予算(総額3兆2869億円)が参院本会議で10月11日に可決、成立した。同補正予算は、今年8月に閣議決定した事業規模28兆円超の経済対策の一環だ。元経産官僚の古賀茂明氏は、今回の補正予算についてこう話す。
◆補正予算には、非常に甘いものが紛れ込んでいる
「リニア新幹線への融資や大型クルーズ船のための港湾整備など旧来型の公共事業が多い。今回は『二次補正』、今年度2回目の補正予算です。官僚だった立場からいうと、補正予算には本予算では認められない予算が押し込められることが少なくない。『本予算』『一次補正』『二次補正』となるに従って、優先順位が低くて筋が悪い事業が増えていく傾向があるのです。
今回もそうですが、補正予算は景気対策が目的のことが多く、官邸サイドから『予算額を大きくしろ』という指示が必ず来ます。普通、予算は無駄を削ることが主眼になりますが、補正予算は膨らませることが求められる。
今回の経済対策の総事業規模は28兆円と莫大ですから、補正予算でも非常に甘いものが紛れ込んでいるに違いありません。安倍政権がやるべきことは、日本全体の公共事業の総量を減らすことなのです。
以前は1億円でできた公共事業が今は1.5億円もかかってしまう。そうなると、同じ税金を使って半分の工事しかできない。
工事費が高騰しているときの公共事業バラマキは、莫大な税金の無駄なのです。民間だったら『採算が取れない』と判断して事業を止めますが、役所(官僚)は「『予算がついたから使ってしまえ』としか考えないのです」(古賀氏)
民間企業ではありえない、“税金をドブに捨てる”愚行
安倍政権の最優先課題は「全国的な公共事業の発注総量を抑えて、高騰した工事費を適正レベルにまで下げることだ」と古賀氏は語る。二次補正予算に公共事業を盛り込んで予算額を上積みしても、工事費高騰で従来の3分の2くらいしかインフラ整備ができないためだ。古賀氏はこう続けた。
古賀茂明氏
「今は、建設分野での景気対策をする時期ではないのに、公共事業中心の補正予算になってしまっている。安倍政権は民間企業ではありえないような、税金をドブに捨てるような愚行をしようとしているのです」
それでも自民党が公共事業バラマキに邁進するのはなぜか。古賀氏は「選挙対策で有効であるため」と分析、次のように解説する。
「建設業界からの献金が期待でき、選挙でも応援してくれる。TPP対策の土地改良事業予算を補正予算に盛り込みながら増大させているのは、自民党の集票マシーンの『土地改良事業連合会』に“フル稼働”してもらうためでしょう。TPP対策を進めるのは選挙対策としか考えられない。将来の首相候補として注目される小泉進次郎農林部会長は『土地改良事業拡大に反対』と主張すべきです。しかし、農薬や肥料の価格問題には熱心ですが、“本丸”には斬り込まないのです」(古賀氏)
◆アベノミクスが実体経済に与える影響は皆無に等しい
『デフレの正体』や『里山資本主義』で有名なエコノミストの藻谷浩介氏(日本総研主席研究員)も、全国各地で講演を年間300回以上もこなしつつ、「アベノミクスは百害あって一利なし」であることをデータベースで指摘している。
藻谷浩介氏
8月23日に藻谷氏は外国特派員協会でレクチャーと質疑応答をした。まず日本経済の実態を表す各種データを盛り込んだグラフを映し出し、アベノミクスによって株価が二倍近くにまで跳ね上がったことを示した。そして、ほぼ横ばい状態を続ける「GDP」と「家計最終消費支出」の折れ線グラフを重ね合わせ「アベノミクスが実体経済に与える影響は皆無に等しい」と結論づけた。
「異次元緩和と財政出動(公共事業バラマキ)と成長戦略が三本柱のアベノミクスは、お祭りで『ワッショイ』『ワッショイ』と騒いでいるようなもので、何もインパクトを与えない。『アブカダブラ』(古くは疫病治療の呪文、現在は世界の手品師の掛け声)と唱えているのにも似ています」(藻谷氏)
安倍首相が「アベノミクスを最大限にふかす」と意気込んで、28兆円規模の経済対策を組んでも、ヤブ医者が処方したまったく効かない薬を飲まされ続けているようなもの。副作用ばかりが目立つようになってきているのだ。
【古賀茂明氏】
元改革派経産官僚の古賀茂明氏。報道ステーションのコメンテイターとして「I am not ABE」発言をするなど(後に降板)、安倍政権を厳しく批判
【藻谷浩介氏】
『デフレの正体』『里山資本主義』などで有名な藻谷浩介氏は現在、日本総合研究所主席研究員。「安倍首相が最も嫌う」と言われるエコノミスト
取材・文・撮影/横田一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた最新刊『黙って寝てはいられない』<小泉純一郎/談、吉原毅/編>に編集協力)
― 安倍政権[28兆円経済対策]ワーストムダ事業 ―
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民115掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。