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なぜ「貧困世帯の子供たち」は荒れるのか?
http://nikkan-spa.jp/1218544
2016.11.11 日刊SPA!
国会でも安倍総理と民進党・蓮舫代表との間で議論が応酬され、注目を集める「子供の貧困」。虐待、飢え、いじめなど多くの問題を抱える子供らの声を取材した。
◆子供を貧困から救うには? まずは“認識”を改めるべし
なぜ貧困世帯には荒れる子供たちが現れてしまうのだろうか。認定NPO法人もやいの理事長である大西連氏はその原因をこう分析する。
「幼少期に経験した貧困や虐待が原因でコンプレックスに苛まれ、心が廃れてしまった子供がいることは否めません。例えばこの20年間、都内では約10人のホームレスが未成年者から凶器を使用したリンチを受けて死亡しています。そして、逮捕された少年少女の多くは『ホームレスはゴミだと思った』『怠けているから社会のクズだ』と供述しています。残念ながら、そのなかには貧困家庭で育った少年少女が少なくありません」
なかには一線を踏み越えてしまった子供もいたという。
「暴力団など反社会的勢力の一員に加わってしまう子供もいます。他には20代でメンタルを病んでしまったり、刑務所から出所したけど仕事のない人、刑務所と精神科病棟を出たり入ったりするケースもあるようです」
さらに社会の変化が問題をより複雑なものにしている。
「昔はドラマのような絵に描いたケースが多かったので、外から見ても子供の暴走の原因がわかりやすかった。例えば母子家庭で母親の帰宅が遅い、鍵っ子、暴走族のメンバーといったものでした。ところが、今は核家族化が進み、世間のプライバシー意識も高くなり、実態が見えにくくなっています」
また、東洋大学教授の藤本典裕氏は貧困の経験が子供の心身に与える影響についてこう語る。
「同志社大学が’14年に行った『大阪子ども調査』によると、大阪の子供に自己肯定感について質問したところ『自分には価値がない』と答えた子供は小学生、中学生ともに約2人に1人という結果が出ました。これだけでも衝撃的ですが、特に教育にお金をかけられない貧しい家庭の子供のほうが『価値がない』と答える傾向にあるんです」
そんななかで、我々大人が取るべき解決策として、藤本氏は「一人ひとりの社会的認識を改めるべき」と指摘する。
「NHKの番組を受けて、出演した“貧困女子高生”がスマホを持っていると騒がれ、バッシングが起きましたが、今や高校生にとってスマホは友達との関係を繋ぐ生活必需品。どんな家庭の子供でも所持していてもなんらおかしくはありません。これは食うや食わずの生活をしている『絶対的貧困』の問題と、その日の生活に困るほどではないが、進学や生活環境面で金銭的な不利益を被る『相対的貧困』の違いが混同されたまま理解されていることの現れです。今、なんとかすべきなのは後者だという認識を持つべきです」
また、大西氏は子供を守る場としての「コミュニティづくり」の大切さを強調する。
「大事なのは居場所がない子供を孤立させないこと。そのためにはコミュニティづくりと、それに加えて大人は地域の子供たちに関心を持つことが大事。休日は近くの公園で地元の子供と遊んだり、彼らに何か異変はないか気をつけたりしてほしいです。地元の面倒くさいおじさんを自任する気持ちが大事ですね」
出口の見えない子供の貧困問題。大人が一人ひとりできることを実行するのが解決の糸口だ。
【藤本典裕氏】
東洋大学文学部教育学科教授。’59年、大阪府生まれ。専門は教育学、教育行政学。主な著書に『学校から見える子どもの貧困』『教育行政学』(ともに共編著)などがある
【大西 連氏】
’87年、東京都生まれ。認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長。生活困窮者への相談支援活動に携わりながら、現場からの声を発信、政策提言している
取材・文/カネコシュウヘイ 亀田治五郎 鈴木ユーリ 高島昌俊 永田明輝
―密着ルポ 貧困の子供たち ―
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