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コカ・コーラ、キリンの経営計画にはどちらも「収益力アップ」の文字が。提携を機にサントリーやアサヒ飲料の利益率に近づけるか Photo by Hidekazu Izumi
コカ・キリン飲料連合はキリン身売りへの布石か
http://diamond.jp/articles/-/106914
2016年11月7日 週刊ダイヤモンド編集部
飲料業界首位のコカ・コーラと4位であるキリンビバレッジの提携交渉が明らかになった。当面は、物流や調達での協業にとどまるが、業界内では製造委託や事業売却の観測も噴出。業界再編加速のトリガーになるのは必至の情勢だ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 泉 秀一)
長らく、「もうからない事業」といわれてきた飲料業界。その市場構造からの脱皮を目指し、ついに飲料大手2社が手を握る。
10月26日、国内清涼飲料業界で首位のコカ・コーラグループと同4位のキリンビバレッジを傘下に持つキリンホールディングス(HD)は、資本業務提携を検討していることを発表した。
資本の持ち合い比率は数パーセント程度とみられ、店舗や自動販売機への商品の配送、原料や資材の調達で協業する予定。販売やマーケティング分野は提携に含まれないが、将来的に自動販売機に陳列する商品の相互供給や、共同商品の開発を行う可能性もある。
現状は「まだこれから協議のテーブルに着くステージ」(キリン関係者)だが、両社の提携の実現はほぼ確実視されている。というのも、「今回の提携はキリンHDと米コカ・コーラ主導で、両社トップの意思によって動きだした案件」(キリン幹部)だからだ。
きっかけとされるのは、米国で昨年行われたコカ・コーラグループの米国ボトラーの会合だ。コカ・コーラは、商品の原液を販売する本体と、原液を購入して商品の製造、販売を行うボトラーに分かれており、キリンは傘下に米国のボトラーを持つ。
「その会合に出席したキリンHDの磯崎功典社長と米コカ・コーラのムーター・ケント最高経営責任者(CEO)の間で今回の提携につながる会話がなされた」(キリン関係者)
そして今年4月、日本の二大ボトラーであるコカ・コーライーストジャパンとコカ・コーラウエストが統合の基本合意を発表。来春には統合会社を立ち上げ、北海道や沖縄など一部の地域を除けば、東西統合により国内のコカ・コーラグループの物流や調達がほぼ統一される見通しが立った。
また統合会社の社長には、かつてキリンが約4割出資していた近畿コカ・コーラ出身で、キリンとの間に太いパイプを持つ現コカ・ウエストの吉松民雄社長が就任する。これらが呼び水となり、キリンがトップ会談の内容を実現しようと動いたのである。
■株式持ち合いで現実味帯びるキリンの身売り
今回の提携の主眼はコストダウンにある。サントリー食品インターナショナルと共に2強と呼ばれるコカ・コーラだが、本体とボトラーの間の利益配分の“ゆがみ”によりボトラーの利益率は低迷。キリンもブランド力の低迷によって価格競争に陥り、利益を生めない体質になっている。
事実、2015年12月期の営業利益率は、2位のサントリーの5.8%、3位のアサヒ飲料の4.6%に対し、コカ・イーストが2.1%、コカ・ウエスト3.2%、キリンは1.5%にとどまる。
だからこそ両社は手を握ったわけだが、業界関係者の間では「株式を持ち合う割に、物流や調達だけの協業では物足りない」という意見もある。その中でささやかれているのが、製造部門での協業の可能性だ。
キリンは近年、商品の自社製造比率を下げ、パッカー(飲料受託製造業者)への委託比率を高めている。13年には舞鶴工場を閉鎖して現在は2工場のみと、工場の縮小化に向かっている。
一方、コカ・コーラはコカ・イースト8工場、コカ・ウエスト9工場と多く、東西統合により「工場が余る」(業界関係者)。
そこで、業界内では、キリンの製造の一部をコカ・コーラが引き受けるという観測が上がっている。コカ・コーラとしては工場の稼働率を上げられ、キリンからすればコカ・コーラの工場で製造することで、パッカーからの配送コストを削減できる。
加えて、キリンは飲料事業を「将来的な売却の可能性も否定しない」(磯崎社長)という低収益事業に位置付けており、仮に売却をする際は、自社工場が少なく、自社製造比率が低ければ売りやすいというメリットがある。一方のコカ・コーラはキリンと資本関係を築くことで、キリンの売却時に有力な候補先として名を挙げられる。双方にとって、将来を見据えた“オプション”を持てることに、今回の提携の真意はある。
今後、気になるのは業界6位のダイドードリンコの動向だ。年初にダイドーはキリンと自販機商品の相互供給の提携を結び、協業を深化させるとみられていた。ところが、コカ・コーラ×キリン連合には「加わらない方針」(ダイドー関係者)で、アサヒ飲料や業界5位の伊藤園との協業も現実味を帯びる。
コカ・コーラ×キリン、サントリー、そしてこれから形成されるであろう第三極。長らくくすぶっていた飲料業界の再編がいよいよ最終局面に入ろうとしている。
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