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小売業界で進む「弱肉強食」、閉店チャンスに売り場拡大
[東京 4日 ロイター] - 個人消費が盛り上がりを欠く中、販売最前線での「新旧交代」が鮮明になってきた。不振にあえぐ総合スーパー(GMS)や百貨店などが大量の閉店や売り場縮小を進める一方、それを「千載一隅のチャンス」として閉鎖店舗を引き継いで新規出店したり、売り場面積を拡大させる企業も目立つ。こうした企業は多様な場所に出店できる柔軟な店舗スタイルを持ち、移り変わりの早い消費者ニーズに対応できることが強みとなっている。
<広がる利用者の需要に対応>
10月に上野マルイに続き12月には新宿「タカシマヤタイムズスクエア」、17年春には東武百貨店池袋店──。これまで郊外の路面店での出店が中心だったニトリホールディングス (9843.T)が、都市部への出店を加速している。
上野マルイの8階フロア全体に広がるニトリの売り場。丸井グループ (8252.T)は若者向けファッションが売りというイメージが強いが、現在の利用者は20―60歳まで幅広く、30歳代以上が80%を占めているという。
「テナントを決める際には利用者の要望を聞く」(担当者)のが丸井の基本方針で、利用者ニーズは「ファッション偏重ではなく、(様々に)広がっている」という。それに合致したテナントとして、ニトリの進出が決まった。 ニトリの都心進出は、2015年4月のプランタン銀座への出店が皮切りとなった。 似鳥昭雄会長兼CEO(最高経営責任者)は「売れなくても良い、おしゃれな店を作ろうと思った」とその理由を明かす。実際には想定以上の集客があり「百貨店などいろいろな物件から出店の声が掛かった」という。
<出店コストは半分以下も>
今中間期、J.フロント リテイリング (3086.T)や三越伊勢丹ホールディングス (3099.T)など大手百貨店各社は軒並み通期業績見通しの下方修正に踏み切った。訪日外国人(インバウンド)の需要が想定以上に弱まったうえ、百貨店の主要顧客だった中間層の需要の低迷が続いているためだ。
Jフロントの山本良一社長は「百貨店は売上収益と経費の両面で抜本的な構造改革が急務」と危機感を持つ。非効率部分の面積圧縮、不動産賃貸への転換も選択肢としながら「集客力、収益力を伴った魅力ある売り場づくりを進める」と宣言。非効率部分の代表例として、百貨店のメーン事業だった婦人服の売り場を挙げ、他業態への賃貸も含めて効率化を進める意向を示している。
「居抜き物件の再生の相談が引きも切らずやってきて、それに追われて大わらわな状況」と語るのは、ドンキホーテホールディングス (7532.T)の大原孝治社長。GMSなどの大量閉店が続く現状を「千載一遇のチャンス」と言い切る。 家電量販店もGMSも店舗網縮小の傾向にあり、拡大基調にある業態が限られている。特に新規出店需要の少ない郊外では、ドンキへの出店要請が多いという。同社の16年6月期の新規出店は40店舗と過去最多だったが、このうち34店舗が既存店舗をそのまま活用する「居抜き物件」。17年6月期についても「80%程度は居抜きになる」との見通しを示す。
小売店舗は一定周期で改装投資が必要となるが不振店舗ではそれがままならず、店舗の老朽化がさらなる客離れを引き起こすなど、悪循環に陥ってしまう。一方、出店場所を探す企業にとっては、「居抜き」は出店コストの抑制につながる。両者にとってメリットが大きい。
ドンキによると「物件規模やロケーションで異なるが、居抜きの場合、新規出店に比べて出店コストは半分かそれ以下で済む。さらには、新築に比べて賃料も20―30%安いことが多い」(高橋光夫専務・CFO)という。また、同社には「標準店舗」という概念がないため、店舗規模の大小問わず対応できる点も強みになっている。
<新旧業態の交代、一気に進む可能性も>
1日に大手百貨店が公表した10月売上高速報によると、中国の大型連休「国慶節」があったにもかかわらず4社そろって前年割れとなった。百貨店は、郊外店だけでなく、昨年まで収益を支えていた都心店舗も苦境に立たされている。
百貨店の売上高はピーク時から35%減と縮小しているにもかかわらず、売り場面積は15%程度しか減っていない。足元の逆風について、百貨店協会関係者は「リーマンショック級の低迷もあり得る」と話しており、継続が困難になる店舗がさらに増えることも予想される。ユニーやイトーヨーカ堂が閉店計画を打ち出しているGMS業界も、店舗閉鎖の打ち止め感は出ておらず、残る店舗の回復シナリオは描き切れていない。
消費低迷の直撃で衰弱しつつある伝統的な業態が縮小し、身の軽い新興勢力がとってかわる流通業界は、まさに「弱肉強食」の状況にある。小売り業界関係者のなかには、足元の動きを「業界の潮目の変わり目」と話す向きもあり、一気に新旧業態の交代が進む可能性も指摘されている。
(清水律子 編集:北松克朗)
http://jp.reuters.com/article/retail-suvival-idJPKBN12Z0AB
世界に向かう原油の波、一段の相場下落も
原油輸出国はより多くの原油をタンカーに積み込んでいる
By TIM PUKO
2016 年 11 月 4 日 15:00 JST
先週、記録的な量の原油が米国の貯蔵施設に到着した。一部は単に計算が遅れたものとみられるが、多くは実際に米国に到着した原油だったようだ。そして今も大量の原油が米国に向かっている。
こうした下落圧力を受け、3日の米原油価格は過去1カ月間の最安値に下落した。先週の原油在庫の増加幅が34年前の統計開始以来で最大だったこともあり、2日連続の下落となった。輸入量は過去4年で最大となった。海外の輸出国は今もフル生産しており、世界中で販売するためにより多くの原油をタンカーに積み込んでいる。
原油在庫が本当に減少し、2年にわたる供給過剰の終わりを示唆していると期待していた強気のトレーダーにとって、こうした輸入原油の急増は悪い兆しだ。
数週間前には多くの人が大量の輸入原油の到着を見込んでいたが、最近になってこの見方を疑い始めていた。9月初め、米原油在庫は1週間で1450万バレル減と、1999年以降で最大の減少幅を記録した。これは先週の増加幅とほぼ同じだ。先週の急激な増加は、大型の嵐で入港を妨げられていたタンカーが一斉に到着したことによるものとみられる。そうした原油の到着には多くの人の予想より約1カ月余計にかかったが、これはデータを管理している米エネルギー情報局(EIA)の計算が遅れただけかもしれない。
船舶や米税関のデータを調査しているクリッパーデータによると、EIAが発表した輸入量は10月半ばに税関で記録された量を下回っただけだ。EIAとクリッパーデータのデータはいずれも、原油在庫の過去3週間の総増加幅は約850万バレルだった。3週間にわたって徐々に増加しているクリッパーデータの在庫に対し、EIAのそれは2週間の減少の後、3週目に大幅に増加している。
原油市場にとってさらに不吉なのは、嵐の季節が終わろうとしているなか、タンカーが到着し続ける可能性があることだ。石油輸出国機構(OPEC)を中心とする輸出国は生産を削減ないし凍結する計画を実行していない。そうした取り決めは意見の不一致で行き詰まり、原油生産量は減少の兆しを見せるどころか、増加し続けている。
2日に公表されたロシアのデータは、原油生産量が旧ソ連崩壊後の記録を更新したことを示している。米投資銀行パイパー・ジャフレーのエネルギー部門、シモンズ・アンド・カンパニー・インターナショナルによると、ロシアだけで日量約50万バレル増産したほか、OPEC加盟国が減産を目指すことで合意してからわずか1カ月で、リビアとナイジェリアを合わせた産油量が50万バレル増加した。
ゴールドマン・サックス・グループが今週発表した文書によると、OPECの原油生産量は10月に既にかなり増加しているため、協議されている程度の減産では、OPECが合意に向けて協議していることを発表する直前の同社の予想生産量にほぼ一致する程度の効果しかない。
シモンズのアナリスト、ガイ・ベイバー氏は「OPECとしては、事態の改善をもたらすようなことを実施するのがますます難しくなっている」と指摘した。
そうした原油の増産分はまだ世界の市場に到達していない。クリッパーデータによると、世界の原油輸出国が過去2カ月に船積みした原油は1年前から急増した。世界に出荷される原油は昨年10月に比べて13%近く増加し、1日当たり4840万バレルとなっている。低迷している原油価格には一段の下落余地があるのかもしれない。
クリッパーデータのコモディティー調査ディレクター、マット・スミス氏は「輸送中の原油が減少するまで、この市場のリバランスはまず見られないだろう」と述べた。
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オピニオン:米大統領選後はドル安と新興国株高へ=居林通氏
居林通
居林通UBS証券ウェルス・マネジメント本部 ジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッド
[東京 4日] - 今回の米大統領選挙で鮮明になったのは、米国政治の左傾化・保護主義化であり、為替市場へのインプリケーションとしては、選挙結果にかかわらず「ドル安」だと、UBS証券ウェルス・マネジメント本部ジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッドの居林通氏は指摘する。
株式市場への影響については、次期米政権のドル安志向が米国株や新興国株にポジティブな要因となる一方で、日本株や欧州大陸株には、金融緩和の縮小局面と重なる可能性とも相まって、ネガティブな要因になりそうだという。
同氏の見解は以下の通り。
<ドル円は来年末98円へ下方修正>
我々は、11月8日の米大統領選・連邦議会選について、6つのシナリオ別に生起確率をはじき出している。直近では、私用メール問題の再燃を受けて、民主党のヒラリー・クリントン候補のリードは縮小傾向にあるものの、共和党のドナルド・トランプ候補勝利の可能性は15%程度しかないと見ている。
我々が最も確率が高いと想定しているシナリオは、クリントン大統領の下で、民主党が上院、共和党が下院の過半をそれぞれ獲得するシナリオで、42.5%。次に、クリントン大統領とねじれ議会(共和党が上下両院で過半)の組み合わせで32.5%。そして、トランプ大統領の下で共和党が上下両院の過半を押さえて完勝するシナリオが15%、クリントン民主党の完勝シナリオが10%だ。
それ以外の組み合わせ、つまりトランプ大統領の下で、民主党が上下両院の過半を獲得する(あるいは上院と下院の過半をそれぞれ民主党と共和党が取る)可能性はゼロ%と見積もっている。両候補の支持率にはそれほど差がないにもかかわらず、民主党優位と考えるのは米大統領選が各州の選挙人を通じて行われるという独自のシステムであるからだ。
ただ、重要なポイントは、たとえトランプ氏は敗退したとしても、大統領候補になっている時点で、クリントン氏の選挙活動に大きなインパクトを与え、すでに米国の将来の政策に様々な影響を及ぼしていることである。
周知の通り、共和党は伝統的に「小さな政府」「自由貿易」を志向してきた。ところが、トランプ氏は民主党のお株を奪うように「大きな政府」「保護主義」を前面に押し出した選挙活動を展開している。これに、バーニー・サンダース上院議員らがけん引する民主党内のリベラル派ポピュリズムの影響も加わって、経済に関しては米国の左傾化・保護主義化が顕著になったのが今回の選挙の特色だったと言えよう。
ストラテジストの目から見れば、この左傾化・保護主義化のインプリケーションは素直に「ドル安」である。米主要500社の収益が金融危機後の2009年以来となる長期の減益局面に昨年来入っていることから、過度なドル高をけん制するような発言が民主党陣営からも相次いでいる。ドル指数で見ると、年初来すでに2割程度のドル安が進んでいるが、来年はさらに下げ足を速める可能性が高い。
ドル円で言えば、来年末には98円まで下がると見ている。今年中旬に立てた来年末の予想レートは107円だったので、大幅に下方修正した格好だ。
むろん、目先は、12月に米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げが想定されることから、下値もサポートされ、102―104円程度で踏みとどまるだろうが、来年には利上げのドル高円安効果も弱まり、再び下落基調を強めるだろう。数年内に日銀が金融緩和のテーパリング(縮小)に向かう可能性が高い点も、この流れを後押しすることになりそうだ。
<厳しい日本株、選別物色相場続く>
では、ドル安を前提に考えると、大統領選後はどのような資産クラスが有望なのか。一番は、新興国株だろう。2014年以降の米FRBのテーパリングに伴うドル高の進行によってドル建て債務負担が急増するなどして、新興国景気は下向きの圧力をずっと受け続けてきたが、今後はその流れが変わる可能性がある。
1株当たり利益(EPS)ベースで見て、2011年以降広がった新興国企業と先進国企業の株価パフォーマンス差も急速に縮まっていくと予想される。新興国景気が持ち直せば、下落基調が続いていた原油などコモディティー相場の反転上昇にも期待が持てそうだ。
先進国株は、リーマンショック後の金融緩和の支えが取り払われていくので、総じて言えば厳しい展開が予想されるが、米国株については、大統領選後はドル安志向による企業収益回復期待を背景に、例外的に堅調な推移が見込めそうだ。同様に、英国についても、欧州連合(EU)離脱選択後のポンド安を受けた株高基調の継続が予想される。
一方、通貨高で引き続き「負け組」となりそうなのが、欧州大陸株と日本株だ。特に日本株は厳しい。ドル円が98円になると、来期の企業業績は、下手をすると純利益ベースで減益となりかねない。今期も営業利益ベースではすでに15%の減益であり、純利益ベースでぎりぎり増益といった状況だ。
足元で日経平均株価は1万7000円前後と、6―7月の底値から10%程度戻っているが、この水準がフェアバリュー(適正値)に近いとみられる。さらに大きく上があるかと言えば、非常に難しい状況だ。選別投資を一層進めるべき局面だろう。
日本株についてもう少し補足すれば、今年の前半は、景気動向に左右されにくいと言われる医薬・食品などのディフェンシブ銘柄が強かった。長期国債の利回りがマイナスとなる中で、配当利回りが1%でも、安定性を理由に選好されたわけだ。
しかし、日銀がイールドカーブコントロール(長短金利操作)を導入したことで、今後は10年超の超長期ゾーンの金利がプラス幅を拡大していく可能性がある。本来、株式市場に入るべきではなかったお金が債券相場に回帰し、医薬・食品株などのパフォーマンスが厳しくなるかもしれない。先ほど選別投資と言ったが、日本株を選好するならば、今後は新興国・コモディティー関連の銘柄などに視線を移す必要がありそうだ。
<金融政策のワイルドカード>
ちなみに、ここまでの話は、次期米政権がドル安を志向するとの見通しと、米国以外の先進国、特に日欧の中銀がテーパリングに向かうとの予想が前提だが、このシナリオが狂うとすれば、後者の金融政策で大きなサプライズがあるときだろう(米大統領選は、どちらの候補が勝利してもドル高志向になるというサプライズは起きそうにない)。
金融政策のビッグサプライズとは、すなわちヘリコプターマネーである。中銀保有の国債を償還期限の定めのない永久債に転換したり、政府の償還義務を免除したりすることだ。通貨の暴落を招きかねない劇薬であり、慎重居士のドイツがいるユーロ圏では真剣に議論されそうにない。将来的に可能性があるとすれば、先進国では日本ぐらいしか思い浮かばない。
むろん、必要な法改正の難易度に加えて、国内外の政治的な反発を考えれば、極めて非現実的なシナリオに思えるが、戦前の金本位制停止も当時の常識では「あり得ない選択肢」だったはずだ。保護主義への傾斜が予想される次期米政権下で、ドル安が進み、円高デフレ回帰で追い詰められた末に、日本がこのワイルドカードを絶対に切らないという保証はない。
*居林通氏は、UBS証券ウェルス・マネジメント本部のジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッドでエグゼクティブ・ディレクター。大手投資信託やヘッドファンドなどで運用に携わった後、2006年UBS証券入社。
*本稿は、居林通氏へのインタビューをもとに、同氏の個人的見解に基づいて書かれています。
(聞き手:麻生祐司)
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――関連コラム:次期米大統領にレームダック化の恐れ=安井明彦氏
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラム及び米大統領選特集に掲載されたものです。
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