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日銀視界不良「黒田流」…物価2%目標
毎日新聞2016年11月1日 22時10分(最終更新 11月1日 23時39分)
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金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田東彦総裁=東京都中央区の日銀本店で2016年11月1日午後3時50分、猪飼健史撮影
日銀の2%の物価上昇目標が黒田東彦総裁の任期中に達成できない見通しになったことは、強気の目標をぶち上げて人々のデフレ意識払拭(ふっしょく)を目指した「黒田流」の手法が、名実共に壁に突き当たったことを意味する。日銀は1日の金融政策決定会合で追加緩和を見送り、目標達成に向けて短期決戦から持久戦への転換を鮮明にしたが、日銀に対する世間の期待感は大きく後退しているのが実情だ。【坂井隆之、安藤大介】
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追加緩和見送り持久戦
「何をもって責任とするかは難しい問題だ」。決定会合後の記者会見で、任期中の目標達成が困難になった責任を問われた黒田総裁は、苦笑いを浮かべ、質問をはぐらかした。
長引くデフレからの脱却の切り札として2013年に登用された黒田総裁は、就任直後の同年4月、日銀が銀行などに流すお金の量を2年で倍増させるなどの「異次元緩和」を断行。2%の物価上昇目標を「2年程度で実現する」と宣言した。世界経済の動向にも左右される物価の目標達成時期を掲げるのは、世界の中央銀行でも極めて異例だったが、黒田総裁は「あらゆる手段を動員しており、達成できると思っている」と言い切った。
だが、達成時期は逃げ水のようにずれていった。物価上昇率は14年4月に1.5%まで高まったが、その後は失速。黒田総裁は異次元緩和導入から2年後の15年4月に、達成時期を16年度前半に先送り。その後も延期を重ね、今回の会合でついに5年間の任期中の達成が不可能であることを自ら認めた。会見で黒田氏は「単に『できるだけ早期に』と言うだけでは、長く続いたデフレから違った段階に移ることを理解してもらえるか」と述べ、人々の物価上昇期待を高め消費や投資を刺激する上で、年限を区切ったことは適切だったと強調した。
しかし、実現困難な高い目標を掲げて社会の雰囲気を一変させる「一種のかけ」(早川英男元日銀理事)とも言える手法が、ゆがみを生んだのも事実だ。目標達成が後ずれしたことで大規模緩和は長期化を余儀なくされ、日銀の国債保有額は発行残高の3分の1超まで膨張。日銀が国債を買い占めたことで国債市場の取引も停滞し、東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「経済や財政の状況を映し出す市場の機能は大きく低下している」と弊害を指摘する。
また、日銀が目標達成への強い意志を示そうと、16年1月に前触れなくマイナス金利導入を決定するなど「サプライズ」を連発した結果、市場は混乱。市場参加者は会合ごとに追加緩和を予想し、「市場で無用な変動が生じる不毛なサイクル」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)を招いた。
日銀は9月会合で行った金融政策の総括的検証で、短期間で目標達成を目指す姿勢を修正した。だが「物価上昇率が安定的に2%の目標を超えるまで緩和を続ける」との新たな約束を示し、緩和策の「出口」はさらに遠のいた。黒田総裁は会見で自らの再任の可能性を問われ「内閣で決めることであり、答えを差し控える」と明言を避けたが、日銀は長期にわたり難題を抱え込むことになりそうだ。
市場の期待後退
今回の会合で日銀は、目標とする物価上昇率2%への到達見通しを約1年間先送りしたものの、追加緩和は見送った。日銀は前回の9月会合で実施した総括的検証で、「物価上昇には時間がかかる可能性がある」と認め、従来の短期決戦モードを改める姿勢を示しており、今回は路線転換を裏付けた格好だ。
金融市場では日銀が大方の予想を覆して追加緩和を行った14年10月の決定会合以来、「サプライズ」への警戒が強まり、今年1月の会合でマイナス金利の導入を決めた後は毎回、為替相場が乱高下する不安定な状況が生じていた。
日銀が9月の会合で新たな金融政策の枠組みを導入したのは、世の中にお金を流すために実施している国債の大量購入に限界が見え始め、作戦変更を余儀なくされたためだが、同時に、決定会合の度に市場が不安定化する悪循環を断ち切る狙いもあった。今回の会合前には、黒田総裁が国会答弁などで追加緩和を見送る考えを示唆。こうした「対話路線」が功を奏し、1日の外国為替市場で円相場はほとんど動かず、市場は冷静に受け止めた。ただ、市場の「無風状態」は日銀に対する期待後退の裏返しでもある。日銀は展望リポートで17年度の物価上昇率を前年度比1・5%と予想。黒田総裁は記者会見で「2%の目標を達成するためできることは何でもやる」と強調した。
だが、市場は17年度の物価上昇率を0%台と見ており、実現に懐疑的だ。
SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは「日銀は来年7月会合で物価見通しの下方修正を迫られる」と指摘する。みずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミストは「日銀が公約するだけでは人々のデフレ意識は変えられないだろう。経済成長を底上げする成長戦略が大切だと中央銀行の立場から発信していくべきだ」と話す。
http://mainichi.jp/articles/20161102/k00/00m/020/092000c
日銀
物価目標5回目先送り……総裁任期中は困難
毎日新聞2016年11月1日 22時06分(最終更新 11月2日 00時10分)
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日銀は1日の金融政策決定会合で、物価上昇率2%の目標達成時期を、従来の「2017年度中」から「18年度ごろ」に先送りすることを決めた。見通し通りなら、黒田東彦総裁が任期切れを迎える18年4月までに目標を達成できないことになる。黒田総裁は記者会見で、想定外の原油安などが物価低迷の原因とした上で、「(物価目標と)私の任期に特別な関係はない」と述べた。
<視界不良「黒田流」…物価2%目標>
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<アベノミクス物価2%上昇はいつまで「道半ば」か>
黒田総裁は就任直後の13年4月、2%の物価目標について「2年程度を念頭にできるだけ早期に実現する」と宣言したが、これで5回も達成時期を先延ばしすることになる。黒田総裁は記者会見で「物価見通しが後ずれしているのは欧米の中央銀行も同じ。石油の動向は予測が難しいし、新興国の減速も予測しがたい。何をもって責任とするかは難しい問題だ」と述べた。
日銀は同日の会合で、16年度の物価見通しを従来の0.1%からマイナス0.1%に引き下げるとともに、17年度を1・7%から1.5%、18年度を1.9%から1.7%にそれぞれ引き下げた。1年で1.6ポイントも物価が上昇するとの強気の見通しだが、黒田総裁は「13年4月の量的・質的緩和開始から1年後にプラス1.5%程度まで上がっており不自然ではない。石油価格は上昇気味であり、物価自体も上がっていく」と説明した。ただ、目標実現が遠のくばかりだと、日銀への信頼が揺らいで国民の間に「物価は上がりにくい」との見方が定着、消費が冷え込む悪循環につながる懸念もある。
同日の決定会合では金融政策を維持し、短期金利と長期金利の誘導目標を継続することも賛成多数で決めた。【坂井隆之】
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http://mainichi.jp/articles/20161102/k00/00m/020/090000c
物価上昇、日銀頼み限界 展望リポート「春の賃金交渉注目」
2016/11/2 0:10日本経済新聞 電子版
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日銀の黒田東彦総裁は1日の金融政策決定会合後の記者会見で、人びとに染みついたデフレ心理の払拭が「そう簡単にできない」と率直に認めた。物価2%目標の達成時期を「2018年度ごろ」に先送りしたが、実現のメドが立っているわけではない。総裁の発言からは、金融緩和に頼るだけではデフレから抜け出せないとの本音がにじむ。
「(物価2%に向けた)モメンタム(勢い)は維持しているが、幾分弱まっている」。黒田総裁は…
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF01H0P_R01C16A1EA2000/
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