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雨宮寛二「新・IT革命」
アップル、深刻な人材不足露呈…クックCEOに「人を魅了」は困難である
http://biz-journal.jp/2016/10/post_17050.html
2016.10.31 文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員 Business Journal
米アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)が先頃来日した。極秘スケジュールということであったが、行く先々で報道されたため行動の詳細が明らかになった。今回の目的は、任天堂などの提携先の企業訪問やApple Payの実査、さらには安倍晋三首相との会談などであった。
クックCEOといえば、アップル創業者で元CEOの故スティーブ・ジョブズが後継者として指名した人物で知られるが、CEO就任から5年の歳月が経過した。ジョブズ氏と比較されながらの5年間は、彼にとって険しい道のりであったに違いない。
10月16日付日本経済新聞電子版のインタビューで、「CEO就任から既に5年が経ちました」という質問に対して、クックCEOは次のように答えている。
「次の5年はこれまでの5年と同じで、その前の5年とも同じ。少ない製品に集中し、全てのエネルギーを投じる。何にフォーカスすべきかということを間違えてはならない。大きな意味で世界に貢献し、私たちにしかできない方法で世界を変えていくものを作り出したい」
この発言には、今後のアップルを占ううえで、極めて重要な答えが隠されている。アップルの経営はジョブズ氏がいた時となんら変わらないし、今後も変わらないということであるが、それは「両利きの経営」を行っていくことを意味する。
すなわち、既存のコア・コンピタンスであるiPhoneやiPad、Macの改良・改善に取り組む一方で、新たに「画期的な革新」も創り出していくという経営である。それなら、クック氏がCEOとして経営を統率してきたこれまでの5年間も、両利きの経営ができてきたということになる。
既存製品の改良・改善のほうはすぐに察しがつくが、この5年間にアップルは「画期的な革新」を起こせたのであろうか。この期間に新たにリリースした製品といえばApple Watchであるが、これを新たな革新と捉えているなら、イノベーションの本筋が今のアップルにみえていないことになる。
Apple Watchは、既存のスマート・ウォッチの改良・改善にすぎないことをアップルは忘れてはならない。クックCEOの発言で理解できるように、アップルは今後もひとつの製品に開発を集中して、世の中を変える意向である。ひとつの製品に集中して開発を進め、満を持して発売にこぎつけるのは、ジョブズ氏の真骨頂であった。
iPhoneに代表されるように、ミニマイズを徹底し、シンプルな製品を消費者に届けるというスピリットは、今でもアップルユーザーを魅了し続けている。その役割をオペレーションのプロであるクックCEOに託すのは見当外れであろう。今のアップルにそれを担う人物が見えてこないのは、極めて残念である。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)
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