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日本国債 中国の購入急増
1〜8月の買越額、3倍超 米利上げ見越し資金移動
中国が日本国債の購入を急増させている。2016年1〜8月の買越額は約9兆円で、前年同期の3倍超に膨らんだ。中国の外貨準備を運用する中国人民銀行(中央銀行)が米利上げを見越して米国債の保有高を減らし、一部資金を日本国債に回している可能性が高い。国際金融情勢は不安定で、中国による「爆買い」が続くかは不透明感がある。
財務省の対内証券投資によると、中国から日本国内への証券投資は今年1月から最新データの8月までで8兆9000億円の買い越しとなった。昨年後半から買い越しの月が増え、4月は単月で3兆円強に達した。
増加しているのは証券投資の中でも、満期までの期間が1年以下と短い国庫短期証券などの国債が中心だ。市場関係者の間では足元でも中国マネーが国債市場に流入しているとの見方が多い。
中国では外債投資の規制が厳しいことから、日本への証券投資の大部分は中国人民銀行によるものとみられる。
中国マネーの動きは、米財務省のデータと照らし合わせると分かりやすい。中国は米国債の保有残高を今年1月から8月までに約5兆円減らした。中国が米国債を減らし、日本国債を増やしている構図が浮かぶ。専門家は「中国はドル資産の分散を進めている」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏)とみている。
中国は世界で最大の米国債保有国。昨年12月に始まった米利上げが今後も続けば、保有する米国債の価格下落(利回りは上昇)が進む可能性が高い。このため米国債を減らす動きが出やすい。
中国には人民元の国際化に向け、ドルの一極集中を弱めたいとの考えがある。このため中国自身が「ドル保有を減らしたい意向もある」(日本総研の関辰一氏)。
中国以外の国を含めた海外の外貨準備や中銀の米国債保有も直近ピークの2015年7月から8%減少している。「米利上げ観測を機に利益確定売りに動いている」(ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの村田雅志氏)ためだ。中国の米国債保有減額の背景には、資本流出懸念が昨夏に比べると弱まっていることがあるとの見方もある。
中国にとっては投資先の分散以外にも日本国債買いのメリットが生じている。今年に入り、中国は手元のドルを非常に有利な条件で円に交換できるようになっている。この方法では日本の短期債に投資しても、実質的に利益を確保できる状況になっている。
今後も大規模購入が続くかは不透明だ。市場では年内の米利上げを見込む向きが強い半面、来年以降のさらなる利上げは現時点で見通せない。中国による日本国債の購入は短期債が中心で、金融情勢の変化に応じて柔軟に資金をシフトできる状態にあるとみられる。
[日経新聞10月23日朝刊P.3]
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