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ちょっと待って!「個人年金」って本当におトクな仕組みなの? 老後に不安を感じるあなたへ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49915
2016.10.28 松崎 のり子 現代ビジネス
■「老後が不安」という人の6割は何もしていない
老後破綻、老後貧乏という言葉がセンセーショナルに取り上げられ、この先、年金には頼れない、老後資金は数千万円、いや一億円必要だなどと不安をあおる記事も多く見られます。
どんな若い人に聞いても「老後の生活が不安です」と言うでしょう。
若い人だけではありません。2016年に金融広報中央委員会が行った「金融リテラシー調査」によると、50代でさえ約6割の人が老後資金をどう貯めるかの計画を立てていないとか。
漠然とした不安はあるが、何をしていいかわからない。
「5000円からでもいいから、老後資金の積み立てしてみてはどうですか」と若い人に言うと、なんだかぴんっときていない顔をされます。もっとすごい効果がある方法を期待しているというふうです。
その状態で、「老後の生活のたしになるワンルームマンション投資がおすすめ」「将来はもう公的年金に頼れないから個人年金保険に加入したほうがいい」「毎月分配金が出る投資信託を買えば、年金のたしになる」という話を聞くと、深く考えずに飛びついてしまう。
そういう人たちを、業界の専門用語で「カモ」と言います。
どれもこれも、あなたの老後のためというより、今、銀行や保険会社が儲かる商品ばかり。相手は販売のプロですから、納得させて買ってもらうためのマニュアルを持っています。少なくとも、何も知らない状態で話を聞くのはネギだけでなくポン酢まで背負っていくようなもの。
公的年金制度が維持され、我々がこの先もらえるお金の目安としては、サラリーマンと専業主婦という世帯で、月21万円ともいわれています。
21万円ではたりないと思うのなら、若いうちから毎月少しずつでも老後のために積み立てをすることと、21万円で暮らせるような生活サイズをキープすることが必要です。
消費に使うお金は、一度膨らんだものを減らすのは大変。膨らませないことを、若いうちから心がける。買い物をしようとしてお金をサイフから出す前に、もう一度本当に必要かを問いかけてみる。それが、老後の安心生活にもつながるのです。
■個人年金は正しい選択か?
多くの人が「公的年金は破綻するかもしれない」「将来、年金はもらえそうにないから年金保険料を払いたくない」と考えているようです。
国に頼れないなら、自分で備えるしかない。なら、民間の「個人年金」に入ろう、という発想になります。個人年金というネーミングですが、正確には「個人年金保険」、つまり保険商品です。
保険ショップなどで預金よりも増えるとすすめられ、中には外貨で運用する「外貨建て個人年金保険」のほうが、さらに増えますよと言われる場合も。
本当に、個人年金保険で備えるべきか。そもそも公的年金はもらえないのか、そこから考えてみましょう。
もし、公的年金が破綻したらどうなるのか。その時はどっと生活保護の申請が増えることになるでしょう。現在、公的年金の原資には、加入者が払う保険料とこれまでの積立金、そして半分は税金が投入されています。
ところが生活保護を支給するとなると、それは全額、税金を使うということに。つまり、国としては意地でも年金を支給し続けたほうがよいのです。無論、支給年齢の引き上げや支給額が今より下がることはあるでしょう。
ただ、「もらえない」ことはないし、「もらえないだろう」と保険料の支払いを止めてしまうと、もらう資格すらなくしてしまいかねません。
もし金融機関で「公的年金は当てにならない」と言われたら、それはセールストークの前ふりだと思っておきましょう。
■割に合わないことだらけの個人年金保険
とはいえ、公的年金だけで生活するのは苦しいのが事実。
よく、世帯で22万円程度というモデルケースを聞きますが、この金額はあくまで定年まで勤めた会社員家庭の世帯の数字。単身者や、会社員ではなかった(厚生年金に加入していなかった)人の場合は、かなり低くなります。
だから個人年金保険、というのはちょっと待って。それは決しておトクな選択ではありません。
まず、公的年金と違い、もらえる期間に限りがあります。一生涯もらえるわけではありません。もし今30歳の人が60歳や65歳から10年間年金を受け取るためには、30年もの間、毎月ずっと保険料を払い続ける必要があります。
しかも円建ての保険は国債などで運用するため、マイナス金利政策のもとでは大きく増えることはないでしょう。これだけでも割に合わない気がしますよね。
では、「外貨建てならもっと増えると聞くし、こっちはどうか?」というと、今度は為替の変動リスクがあります。受け取る時に、為替が外貨に対し円安になっていればよいのですが、円高だった場合は払い込んだ金額より目減りしますし、どちらにしろ為替手数料は取られます。
30年後の為替相場を見通せる自信は、たぶんどんな敏腕トレーダーにもないのではないでしょうか。素人の個人がそんなリスクを取る必要はないでしょう。
■確定拠出年金という選択
とはいえ、じつは国も「公的年金だけでなく、自分で備えてほしい」と考え、個人が年金としてお金を受け取れる有利な制度を作っています。
それが「確定拠出年金(DC)」です(企業型、個人型がある)。
これは毎月一定額を積み立て、その資金を預金や投資信託などで運用し、増やしたお金を60歳以降に年金、あるいは一時金として受け取ることができる制度です。このDCが優れているのは、税金の優遇が大きいこと。
まず、通常なら税金がかかるはずの、預金の利子や運用で得た利益は非課税で受け取れます。さらに、大きな節税効果があるのです。私たちが払う所得税は、年収からさまざまな控除を引いた残りの金額(課税所得)に税率をかけて計算されます。
DCで積み立てたお金は所得控除の対象となり、まるまる収入から引くことができるため、税金がかかる所得を減らせるのがメリット。
所得税が減れば住民税も減るので、ダブルでトクに。もちろん、積み立てたお金は60歳以降に受け取れ、税金も軽くなる。個人年金より何倍も何十倍もおトクな制度ですよ。
会社員、自営業、公務員、専業主婦のほとんどの人が利用できるようになるので、ぜひ利用しましょう。
松崎のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト。20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』『ESSE』『Caz』などのマネー記事を取材・編集し、お金にまつわる多くの知識を得る。自分自身も、家電は買ったことがない(すべて誕生日にプレゼントしてもらう!)、食卓は常に白いものメイン(もやし、ちくわ、えのき、豆腐)などと徹底したこだわりを持ち、割り勘の支払い時は、友人の間で「おサイフを開くスピードが遅い人」として有名。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成した。また、「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアを研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
【消費経済リサーチルーム】https://www.facebook.com/ecreport/
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