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※転職サービス「DODA」平均年収ランキング 2015 から※2014年9月〜2015年8月の1年間に、DODAエージェントサービスに登録した約22万人のデータを元に、正社員として就業中の20〜59歳の平均年収と生涯賃金を算出。DODA全体の2015...
文系エンジニアが世界で通用しない理由〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161025-00000218-sasahi-sci
AERA 2016年10月31日号
プログラミングがブームだということはわかった。未来を生きる子どもたちの「必修科目」であることも。究めたら、どんな働き方が待っているのか。
もし、自分の子どもが「プログラミングを学びたい」と言い出したら──。
ある人は、Facebook(フェイスブック)の創業者マーク・ザッカーバーグのような姿を思い描き、夢のある華々しい仕事だと思うかもしれない。またある人は、パソコンに向かってひたすらコードを書く「プログラマ」を想像し、低賃金で長時間労働を強いられる「きつい仕事」を思い浮かべるかもしれない。
実際にプログラミングを身につけた人たちは何と呼ばれ、どんな仕事をしているのか。
人材サービス会社インテリジェンスで長く転職サービス「DODA」を担当し、IT人材の転職を支援してきた上杉真由さんを訪ねた。
●開発の一部は海外に
上杉さんによると、ザッカーバーグからひたすらコードを書き続ける人まで、イメージされる幅広い仕事を包含する呼び方は「ITエンジニア」。
DODAが調査した「平均年収ランキング2015」では、こうしたITエンジニアの平均年収は489万円。職種別ランキングでは3位だった=左ページの表参照。そして、表に登場するエンジニアを働く場所でみると、次の四つに分類できる。
一つ目は、システムインテグレーター(SIer)と呼ばれる会社で働く人々。クライアントのニーズに応じてシステムを作り、それを納品する。NTTデータや富士通、日本ユニシスといった企業で働くエンジニアたちだ。
二つ目は、自社でサービス・製品を抱えるLINE、ヤフーなどの企業で開発や運用に携わる人々。サービス・製品は、BtoCの場合もあれば、BtoBの場合もある。表の「研究開発」「サーバーエンジニア」「SE・プログラマ」「ネットワークエンジニア」「テクニカルサポート」の人たちは、主にこういった二つのタイプの職場で働いている。
三つ目は、コンサルティングファームで働くITコンサルタントと呼ばれる人々。SIerよりもさらに上流の工程で、戦略や企画の立案などを行う。
そして四つ目は、事業会社の社内SEと呼ばれる人々。その会社のシステムの企画・導入から運用までを行う。
年収体系は、
「IT技術の進歩や世の中のニーズにともなって、徐々に上がってきています。なかには1千万円、2千万円という年収を得るエンジニアも珍しくはありません」
と上杉さん。労働環境についても、リモートワークを導入したり残業を削減したりして、「働きやすさ」をアピールする企業も増加している。業界全体として「きつい長時間労働」からは脱却しつつあるのだという。
ただし、と上杉さんは付け加える。
「日本のIT業界にはピラミッド型の下請け構造が存在します」
1次請けの企業が要件定義をやり、2次請け企業がそれをもとに設計して、3次請け企業は設計書をもとに開発とテストをやる、といった具合だ。2次、3次となるにつれ、エンジニアの給与が低くなるのが必然。
「1次請けにあたる大手企業の年収体系を100とした場合、2次請けの企業は90くらい、3次請けでは、85くらいになってしまう。全体では待遇改善が図られているとはいえ、構造に起因するこうした『差』はどうしてもあります」(上杉さん)
昨今は、中国、インドを筆頭に、フィリピン、ベトナムなどアジアの優秀なエンジニアが台頭し、開発業務の一部を海外に委託する例も増えている。そのため、ただ指示通りプログラミングができるだけでは日本人エンジニアのバリューは示せない。下流工程だけに関わっていると、海外人材に自分の仕事が奪われるのでは、と脅威を感じているエンジニアも多いという。
では、これからの時代に勝ち残るためには、どんなスキルを身につければいいのか。
●世界水準の報酬額
大手ベンチャーや、大手SIerなど、日々さまざまな企業をみている上杉さんは言う。
「どの企業でも『優秀なITエンジニア』といわれる人たちは、技術的なスキルだけでなく高いビジネススキルも持っている」
ITエンジニアが関わるプロジェクトは、多くの人との協業。そのため、コミュニケーションやマネジメントの能力、課題解決能力といったビジネススキルは必要不可欠なのだ。
人気のフリマアプリ「メルカリ」を運営し、ここ数年、年収1千万円クラスのエンジニアを複数採用しているメルカリで最高技術責任者を務める柄沢聡太郎さんは、優秀なエンジニア像をこう捉えている。
「論理的思考や想像力、視野の広さを持つ人。特定のプログラミング言語や流行の技術によらない基礎的な力をつけて、経験を積んでいることが大事です。それがあれば、技術的潮流が変化しても通用する。また、本当に優秀なエンジニアは、グローバルな目線でキャリアを考えているので、当社の採用活動では世界水準に照らして後れを取ることがないように、エンジニアの報酬額を決めています」
どこで何を学べばITエンジニアになれるのか。
弁護士になるためには法学部で学び、医者になるためには医学部で学ぶように、ITエンジニアになるには大学でコンピューターサイエンスを学ぶことが必須なのだろうか。
「日本のITエンジニアにはさまざまな経歴の人がいて、大学でコンピューターサイエンスを専攻していない人も数多く活躍しています。文系出身の人だっていますよ」(上杉さん)
IT教育に詳しいライターの神谷加代さんも、
「ITエンジニアになりたいという人に、特定の大学名を挙げてそこにいくべきだ、とは言いにくい」
国内で、コンピューターサイエンスの歴史がある大学としては東京大学、東京工業大学、慶応義塾大学があるが、将来的にどういう領域の仕事をしたいのかによっても、大学で学ぶべきことは違ってくるのだ。
●まず作品を完成させる
東工大でコンピューターサイエンスを学んだ末永匡さん(36)は、博士課程を中退後、ディー・エヌ・エーなどに勤務した後に渡米。14年、知人と共にサンフランシスコでスマートフォンアプリのWebページ化を手がけるTombo, Inc.を創業し、現在に至っている。
末永さんは言う。
「大学時代の専門性は、日本で就職するときは直接的な評価につながっていないと感じた」
キャリア全体でみても、
「自分で具体的に何かを作った経験のほうが身になった」
と話す。小説家や漫画家を目指す人にとって、まずは作品を完成させることが大切なのと同じことだ、と。
「自分で何らかのプログラムを作って、それを公開して、得られた反響をもとに改善を繰り返す。その一連の経験から得られるものはとても大きい」
末永さんは、仕事としてだけでなく、個人的にもプログラムを作り、ブログやエンジニアの集まる勉強会などで成果を発表してきた。大規模な実験設備が必要になる他の理系分野と異なり、「ノートパソコン一台と紙と鉛筆があれば独学できる」。
●米国は大学の専門重視
一方で、
「すごく高度なことをやろうとする場合は、コンピューターサイエンスの学部でたたき込まれた理論的基礎が役立つと感じる」
という。高度な領域とは例えば、電車の乗り換え検索やカーナビに使われる経路探索問題、大量のデータ処理を高速化すること、暗号通信、プログラミング言語そのものの作成などだ。
末永さんはこうも言う。
「エンジニアとしてアメリカで働く可能性を考えるなら、コンピューターサイエンスで学位を持っておいたほうがビザを取りやすい、という事情もあるんですよ」
東京大学大学院で自然言語処理を研究し、博士号を持つ羽鳥潤さん(31)は、12年から、シリコンバレーにあるアップル本社でソフトウェアの研究開発に携わっている。仕事の内容は、いわゆる自然言語処理、コンピューターによる人間の言語の解析や理解に関連することで、
「自分の大学院時代からの専門分野の研究開発を続けていると言っていい」
大学で培った専門性を生かしてアメリカ企業に就職した羽鳥さんは、日米の違いをこう感じている。
「理系専門職の場合、アメリカの会社では日本より、大学での専門がかなり重視される傾向があると思います。特にシリコンバレーのエンジニア職は、コンピューターサイエンスのバックグラウンドがあることが前提になっていて、そうでないとなかなか採用されない印象がある」
何をめざし、どこを舞台に働くか。ITエンジニアのキャリアパスは千差万別だ。(ライター・柳澤明郁)
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