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ポイント還元は無駄遣い? 「おトク」に騙されない方法教えます! この世は巧妙なワナだらけ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49916
2016.10.21 松崎 のり子 現代ビジネス
■「お金が貯まる人と貯まらない人の違いって、なんですか?」
消費経済ジャーナリストとして私が取材を受ける時、このように聞かれることがよくあります。
お金が貯まる人と貯まらない人の違いは、「貯め方」ではなく「使い方」。貯まらないと嘆いている多くの人の使い方には、お金が「漏れていく」穴があるのです。
特に「おトク」が大好きな人。おトク、割引、ポイント倍増などというキーワードにつられて、ついサイフを開いています。
私は長年、主婦誌やマネー誌の編集者として、お金を貯める達人や、逆に赤字家計に悩む読者の取材をしてきました。中でも、節約テクの記事は何度も担当し、自分自身でも実践してみたものです。しかし、ある時から、「これって本当に節約になっている?」と思うようになってきたことがあります。
■節約好きこそ、実はムダ遣いをしている!
例えば、食費節約の定番であるまとめ買い、ポイントアップデーや5%オフデーでの集中買い、なんでもクレジットカード払いにしてポイントを貯める、ネットショッピングでのストック買い、などなど。
多分、これらを「おトクな買い方」と思っている人も多いのではないでしょうか? しかし、それは「ムダ遣い」と紙一重なのです。
経験的にそう感じてきた私が、「やはりそうだったのか!」と腑に落ちたのは、ある経済理論に出会った時でした。
それは「行動経済学」というもので、ダニエル・カーネマンという心理学者が提唱したプロスペクト理論が、2002年にノーベル経済学賞を受賞したことから研究が広まった、まだ新しい分野です。
行動経済学がどんなことを扱っているのか、ごく簡単に言うと、「人は損をすることを異様に嫌う。そのためできるだけ損を避けようとして行動する」ということ。
従来、人間は合理的な行動をとるものと考えられてきたのですが、実は気分や感情に左右され、損につながるような不合理な選択をしてしまうのだというのです。
カーネマンのプロスペクト理論では、私たちが1万円トクした嬉しさよりも、1万円損した痛みのほうをより強く感じるということを分析しています。この、「とにかく損をしたくない」という心理・感情が、逆にトクではない行動をさせてしまう――と言われると、ドキッとしませんか?
そのほうがトクだと思い込んでしていた買い物や選択が、果たして正しかったのか。
そういう目で見ると、1円でもトクしたい、安く買いたい、どんどんポイントを貯めたい――そんな節約好きの人こそ、知らないうちに手元のお金がダラダラ漏れているのかもしれません。
節約好きこそ、見せかけのトクにつられて、本当に必要ではないものまで買ってしまう。私はこれを「おトクのワナ」と呼んでいます。このワナにはまると、お金の漏れはどんどん拡大していきます。
「節約のつもりがムダ遣い」という消費行動が、貯まらない原因の一つだと覚えておいてください。
■貯めてる人のお金の「使い方」
では、お金を貯めている人はどんなお金の使い方をするのか。気恥ずかしいのですが、ここで私の例をご紹介しましょう。
社会人になったばかりの頃、世の中にはまだバブルの残り香がありました。不動産を買ったら必ず値が上がる、どんどん転売すれば雪ダルマ式に儲かっていくという、懐かしい神話の世界です。
マンションを買うにも頭金は2割必要といわれ、私は30歳までに1000万円、貯めようと決意しました。
毎月3万円から積み立てをスタートし、最後のほうは月10万円、ボーナスや一時金もすべて貯蓄、という貯め方です。これで頭金を作り、不動産を買ってどんどん儲け、将来左うちわで暮らす生活をもくろんでいたわけです。
その夢はバブル終焉とともにあっけなく消えましたが。
とはいえ、東京で部屋を借りて一人暮らしのOLですから、生活費は家賃を除き7万円程度。食費と日用品費3万円、光熱費1万円、被服費1万円、交際費1万円、その他1万円という予算ですが、これでは家具や家電を買うお金がたりません。
■「クリスマス」というチャンス
どうしたかというと、当時のボーイフレンドに、誕生日やクリスマスプレゼントとして家電をねだって買っていただいていました(笑)。20代の頃ですから、普通はプレゼントにもらうのはアクセサリーやファッション小物ですよね。
でも、「3万円でブランド品を買うつもりがあるなら、ぜひ電子レンジにしてほしい」と。同じ金額なら、自分が欲しいものを買ってもらうべきだろうと考えたわけです。
たぶん、相手は悲しかったと思いますが。おかげで我が家には順調に家具と家電が揃いました。また、当時はクリスマスのディナーが何万円もする時代です。
「非日常のディナーを味わいたいのが目的なら、フレンチでなくてもいいのでは」
と考え、「それならフグにしよう」と提案。クリスマスの和食はすいているうえ、フレンチよりは安い。でも、十分非日常的な体験なわけです。
つまり、お金の使い方はひと通りではなく、常識に左右されることなく自分自身が満足できる使い方をできるのが、お金持ち思考なのだということです。
ムダなお金は使わない、でも、特にガマンもしない。目的が見えていれば、むやみにお金を使いたくなることもない。
私自身、全くお金持ちではなかったのですが、30歳で目標の1000万円の貯蓄を達成できました。
消費欲がもっとも高い20代をこうして暮らしてきたおかげで、現在でも全くお金を使いたくなりません。さらに、いかに安く買える店を探すとか、いかに安く旅行に行くかを日々考えてきたので、それが今の仕事につながったともいえます。
■貯めるテクより、使わないテク
お金の使い方はその人の生き方を示します。
お金を貯めている人はケチではなく、自分が使うところと使いたくないところがはっきりわかっているから、むやみな消費をしない人なのです。
お金を使うところ、使わないところの物差しを自分なりに決めることが、ムダな消費から解放されるスタートだといえます。
ただし、人に使うお金を削るのはNGです。
「ケチな人」と思われた瞬間、人もお金も逃げていくもの。たとえお金があっても周りに友達のいない人生では寂しいですよね。
飲みにつき合う予算がないなら、少し高めのランチにつき合う。高価なプレゼントが厳しければ、自分がおすすめの本を買って渡す。お金をかけられないなら、手間をかけ、知恵をしぼればいいのです。
お金をかけずに満足度を高める方法はいくらでもあるのですから。
「人」こそかけがえのない「人生貯金」のひとつだと思います。
■「お金を使わせる仕掛け」を知ろう
ある生活情報誌の編集部にいた頃、取材先に行くとこんな説明をよくしたものです。
その雑誌の発売日が、10日と25日の月2回だったので、「25日発売の号は、給料日なのでちょっとぜいたくな肉料理やおもてなしレシピを、10日は給料日から日数も経っている月中になるので、節約を意識したレシピややりくりの記事などを掲載するんですよ」と。
実際にはそこまで厳密だったわけではないのですが、人間の消費マインドを読みとって、それにアピールするのが販売ビジネスの基本であることは間違いありません。
そういう目を持ってスーパーへ買い物に行くと、給料日前の20日ころに5%オフのセールをする店が多いことに気づくでしょう。
しかも、クレジットカードの提示、またはクレジット払いの時に割引が適用になるというケースをよく見かけます。
もうわかりましたよね。サイフのひもが固くなる給料日前に、消費モチベーションが上がる5%オフデーを持ってくる。さらにクレジット払いのメリットをうたうことで、手元に現金がなくても買えるようにハードルを下げる――そんな店側の思惑がうかがえます。
2014年の消費税増税前の駆け込み購入を覚えている人も多いと思います。あの時、ドラッグストアを見ていても、セール価格としてついている値段はいつもより高かった気がします。
フラットに考えるなら、黙っていてもお客が買ってくれる時期にわざわざ大きな値下げをしなくてもよいわけで、売れなくなった増税後のほうが大きく値引きして買ってもらいたいことでしょう。
それ以外にも、ネット通販サイトの期間限定ポイント、さまざまな値引きクーポン、開店記念の一品サービスなどなど、売り手側が作った「お金を使わせるための仕掛け」に、私たちは囲まれています。
その仕掛けを上手に利用すれば、もちろんメリットはあります。でも仕掛けに気づかず、「おトクそう!」と飛びついてしまうと、お金の漏れが止まらなくなるのです。
相手はビジネスのプロ。簡単には気づかないたくさんのワナや仕掛けを張り巡らせています。
また、私たち自身が持つ、行動経済学で解明される「なるべくトクしたい、損はイヤ」という心理を上手についた手法も使われています。注意深く見てみると、この世界は巧妙なワナだらけなのです。
そのワナに気づくだけで、あなたの「お金の漏れ」は確実に減らせます。
5年でラクラク1000万円を貯めた著者が、知らないと差がつくお金のからくりを解き明かす!巷にはびこる「オトク」のワナ、「見えにくいお金」のワナ、「預金や保険」のワナに気をつけよ!
松崎のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト。20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』『ESSE』『Caz』などのマネー記事を取材・編集し、お金にまつわる多くの知識を得る。自分自身も、家電は買ったことがない(すべて誕生日にプレゼントしてもらう!)、食卓は常に白いものメイン(もやし、ちくわ、えのき、豆腐)などと徹底したこだわりを持ち、割り勘の支払い時は、友人の間で「おサイフを開くスピードが遅い人」として有名。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成した。また、「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアを研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
【消費経済リサーチルーム】https://www.facebook.com/ecreport/
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