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アベノミクス貯金崩す海外勢、買越額7割消える−日銀頼みがあだ 米銀、株取引で苦戦 債券市場の動揺、年末に世界的株安の引金
http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/537.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 10 月 19 日 15:48:51: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

アベノミクス貯金崩す海外勢、買越額7割消える−日銀頼みがあだ
長谷川敏郎、佐野七緒
2016年10月19日 07:00 JST更新日時 2016年10月19日 12:28 JST
• 先物含む累計買越額のピークは昨年5月の21.5兆円
• ETF爆買いがコーポレートガバナンス期待を阻害

安倍政権誕生以来、積み上がった海外投資家の日本株買越額が急速に減っている。デフレ脱却、円安による企業業績の改善シナリオが揺らぎ、期待が失望へと逆回転を始めたためだ。需給面で一時は海外勢も驚かせた日本銀行や公的年金の買いも、今や相場のダイナミズムを奪う要因へと変質してきた。
  海外勢は2012年末の安倍政権誕生を機に日本株買いを強め、東京証券取引所によると、13年に現物株を15兆円、14年は8527億円買い越した。累計買越額のピークは15年5月に18.8兆円、先物との合算では21.5兆円に達したが、その後は売り姿勢に転換。ことし1ー9月には6.2兆円を売り越し、同期間の売越額としては1987年の4.1兆円を上回り、過去最高となった。アベノミクス相場でたまった買越額は現物でピークから5割、先物も含めると7割が消えた。売買代金の7割を占める海外勢の変化は、株価や日々の売買代金にも影響を及ぼしている。

安倍首相

Japan’s Prime Minister Shinzo Abe attends a reception at the Japanese American National Museum May 1, 2015
  JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは、海外勢の日本株買いは「13年に大きく盛り上がり、14年には為替だけでなく、『第3の矢』やガバナンス改革のストーリーで盛り上がった」と指摘。なかなか結果が出ず、「15年は様子を見ていたが、見切りを付けたのが15年9月あたりという印象」と言う。この頃、労働市場改革などで成果が出ないアベノミクスに対し、口々に飽きた、失望したという声を海外投資家から聞くようになり、「政策への見切りは前にきていた」と振り返る。

TOPIXのパフォーマンス、欧米主要国を軒並み下回る
  TOPIXの年初来騰落率は17日時点でマイナス13%。主要国ではフランスCAC40指数のマイナス3.6%、ドイツDAX指数のマイナス1.5%、米S&P500種株価指数のプラス4%、英FTSE100指数のプラス11%などを軒並み下回る。ブルームバーグ・データにある世界94の主要株価指数の中で日本は87位、これ以上に悪いのは中国上海やイタリアなど数少ない。
  アベノミクスによる日銀の金融緩和期待や米国景気の堅調を背景に、ドル・円相場は12年末の1ドル=80円台から昨年6月には125円までドル高・円安が進行。しかし、世界経済の足取りの弱さからその後は円高方向に振れ、日銀はことし1月にマイナス金利政策を開始、7月は上場投資信託(ETF)の買い入れ額増額、9月には金融緩和策の新たな枠組みを導入したが、現在も100円台前半で円は高止まりしている。マイナス金利による収益懸念で、銀行など金融株も大幅な下落を強いられた。


https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iTryX22JdMYk/v2/-1x-1.png

  日本の企業業績は独自の押し上げ要因に乏しい。ピクテ投信の松元浩常務執行役員は、「個人的には長期的に日本株に強気だが、多くの同僚はそう信じていない。人々が自信をもつ証拠がない」とし、「日本株を減らし、アジア新興国など他のアセットクラスに資金を移す議論がある」と言う。海外勢の間で日本株が再評価されるには、「カタリストが必要」との見方だ。

為替影響力失った日銀、ETF買いはガバナンス面で矛盾
  アベノミクスは、海外勢にとって「結局は日銀頼みだったという認識が強い。その日銀が為替を動かす力がなくなった。国債購入を増やせず、ETF購入を増やしたのは良いが、ここからさらに倍にはできないとみている」とJPモルガン証の阪上氏は解説。結局のところ、「先々の展望が見えないというのが海外投資家売りの根幹」とも話す。
  日銀によるETFの巨額な買い入れも、海外勢が日本株を敬遠し始めた一因とみる向きがある。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「海外勢はコーポレートガバナンスの進展を期待して日本株を買ってきた。しかし、ガバナンスが良い企業も悪い企業もETF買いで当局が支える」と指摘。ガバナンスが悪く、本来は下がるべき企業の株価が支えられれば、「企業は経営改革を迫られる意識が働かなくなる。ETF増額後の海外投資家の売り加速は、当局の矛盾する政策に失望しているため」とみる。
  相場のこう着ムードの高まりで、日本株の売買は低迷している。東証1部の9月の1日当たり売買代金は平均で2兆2988億円と、2年ぶりの低水準。ピクテ投信の松元氏は、「長期のファンダメンタル投資家が適正なレベルで買う機会を待っている。日銀はETF購入を止めるべきだ」と言う。政府の市場介入で株価指数が低迷、売買が減っているのは中国上海市場も同様だ。

売り圧力足元は一服、長期的に評価の声も
  もっとも、海外勢の日本株に対する猛烈な売り姿勢は10月に入り小康状態にある。第1週(3−7日)は6週ぶりに買い越し、買越額は2805億円と7月2週以来の高水準となった。米国で回復を示す経済統計が相次ぎ、年内の米利上げ観測の高まりから為替がややドル高・円安方向に振れ、短期筋の買い戻しなども誘い、TOPIXは4カ月ぶりの高値圏に戻した。
  バンク・ジュリアス・ベアのアジア調査責任者、マーク・マシューズ氏(シンガポール在住)はアベノミクスに対する理解者の1人。「成功してきているが、手っ取り早い解決策ではないと理解される必要がある。とても長いタームの構造的な経済の回復で、これらの変化は何年もかかる」との認識だ。最近の海外勢の日本株売りは円高が大きく影響しており、株価収益率(PER)が昨年から低下した中、「もし円安が始まれば、株価が上がらない理由はない」としている。
  前経済再生相の甘利明代議士は国会内でブルームバーグの取材に応じ、海外投資家の日本株に対する売り姿勢について「具体的に成長の姿が見えないという現象面を捉え、若干悲観的に判断しているかもしれない。ただ、どういう絵図の中のどういう過程にあるかを政府がきちんと説明すれば、納得するだろう」と述べた。アベノミクスは遅れはあるが、プランとしては間違っていないとし、「前向きに見て良い。準備は出来上がっており、あとは経営者がリスクを取って挑戦する、踏み出していくことが一番大事だ」と言う。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-18/OF4UGH6TTDS101

 

アングル:債券市場の動揺、年末にかけ世界的株安の引き金にも

[ロンドン 18日 ロイター] - 世界の債券利回りは今月、金融緩和の変化が意識されて上昇している。この動揺が年末にかけての政治イベントと共鳴すると、投資家が高騰した株と債券から大挙して資金を引き揚げる恐れもある。

今月は、主要各国が金融緩和頼みから減税や財政支出拡大にシフトする兆しを投資家が察知し、過去最低まで下がっていた債券利回りが急上昇した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)が世界のファンドマネジャーを対象に今週実施した調査では、今後半年間、世界の株価を動かす最大の要因は米国債利回りになるとの見方が示された。回答者の4分の3は、米国債価格は高過ぎると答えている。

今後数カ月間、市場に転換点をもたらしそうな政治日程は目白押しだ。11月の米大統領選挙、憲法改正の是非を問う12月のイタリア国民投票に加え、来年3月には英国が欧州連合(EU)離脱交渉に着手する計画。来年はまた、ドイツとフランスで選挙が控えている。

BAMLは顧客に対し、所得格差の縮小を求める声が高まっているため、各国政府の政策が金融資産の価格を押し上げている量的緩和やマイナス金利から離れていくだろうとの見方を示した。

中央銀行サイドからも変化の兆しがうかがえる。米連邦準備理事会(FRB)は12月の利上げを示唆し続けており、欧州中央銀行(ECB)と日銀は追加緩和の示唆を控えるようになった。英国は国民投票でEU離脱派が勝利して以来ポンドが2割近く下がったためインフレが懸念され、イングランド銀行(中銀)の追加緩和の可能性はさらに後退したようだ。

さらには石油輸出国機構(OPEC)の減産合意を受け、石油価格は1月の底値から2倍近くに上昇しており、債券市場にとっては悪材料がそろいかねない状況だ。

金融緩和で押し上げられた債券と株が下落すれば、投資家は年末までに利益を確定しようと売りに殺到しかねない。

下落余地はたっぷりある。ロイターが四半期毎に調査している資産23種類のうち、17種類は年初に比べて上昇している上、多くはその幅が大きい。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の経済アドバイザー、ヨアヒム・フェルズ氏は「今年ボラティリティが急上昇する確率は高まっている。市場は低金利環境とハト派的な中銀に甘やかされ、すっかりおとなしくなっている。この枠組みが試練を迎えるだろう。その時期は近いかもしれない」と語った。

<横並びのリスク>

BAMLの最新の調査では、(1)優良株への投資(2)欧米の投資適格級社債への投資(3)低ボラティリティ戦略─の3つが今年、最も集中的に行われている取引だが、いずれも債券利回りの上昇に弱い。

また、企業収益が低迷しているにもかかわらず、世界の主要株価指数の中には過去最高値近辺で推移し、バリュエーションが過去10年間の最高に近いものもある。トムソン・ロイターのデータによると、世界の企業利益は今年1%の増加にとどまる見通しだ。

欧州の銀行を巡る不安や中国の景気減速、米ドル高による新興国市場やコモディティ価格への影響も、暗雲を広げ続けている。

シティグループのアナリストによると、現在は成長や物価、金利の見通しが異例なほど安定しているが、それがリスクを生む恐れがある。

シティのティナ・フォーダム、ティーア・レート両氏は「確実性が高いとの認識は合意形成を生み、合意形成は慢心を、慢心はリスクを生む。合意が形成された結果、市場のポジションが横並びになり、一極に集中したときにはなおさらだ」と書いた。

(Jamie McGeever、Vikram Subhedar記者)
http://jp.reuters.com/article/bond-market-stock-idJPKCN12J0D5

 

あングル:米銀の株式トレーディング苦戦、顧客が債券にシフト

[18日 ロイター] - 米大手銀行の株式トレーディングが苦戦を強いられている。これまで第3・四半期決算を発表した各行のうち、ゴールドマン・サックス(GS.N)とJPモルガン・チェース(JPM.N)が小幅の増収を確保したが、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)(BAC.N)とシティグループ(C.N)は収入が大きく落ち込んだ。

第3・四半期は銀行の顧客の資金が株式から債券へと戻った。銀行幹部は米大統領選や英国の欧州連合(EU)離脱問題、米連邦準備理事会(FRB)の利上げなどを巡る懸念を、株式トレーディング退潮の要因に挙げた。株式は債券よりリスクが大きいとみられ、市場の不透明感が強い局面では投資家に敬遠される傾向がある。

こうした市場環境に起因する株式トレーディングの減収は一時的と思われ、銀行の事業戦略に影響しないだろうとの声が出ている。

ただ、ムーディーズ・インベスターズ・サービスの銀行アナリスト、アナ・アルソフ氏は、第3・四半期の株式市場はボラティリティが乏しく、投資家が取引に積極的になる理由は少なかったと指摘。株式トレーディングの落ち込みは、市場にある自然な循環の結果だとの見方を示した。

株式トレーディングは利益率が比較的小さいにもかかわらず、銀行はこれまで積極的に投資してきた。債券商品よりエクイティ関連商品を保有する方が総じて資本規制の適用が緩やかになるからだ。

ノムラのアナリスト、スティーブン・チュバク氏は「エクイティ事業の成長と持続力についてはある程度の不安があるものの、新たな規制の枠組みの面では扱いがかなり銀行にとってフレンドリーだ」と指摘した。

調査会社コアリションによると、銀行業界が獲得した現物株および派生商品、プライムブローカレッジを含めた株式トレーディングの収入は2010─15年に23%増加した一方、債券トレーディングは36%の減収になった。

第3・四半期のトレーディング状況についてバンカメのドノフリオ最高財務責任者(CFO)は、株式が減収しても債券の増収がそれを補ったと強調し、全体としては問題なかったと説明した。

一方で最も重大な事態になっているのは、シティグループかもしれない。経営陣は株式トレーディングにおける世界ランキングを現在の8位ないし9位から5位か6位に引き上げる方針を表明している。ところが第3・四半期の調整後のトレーディング収入は前年同期比で32%減となり、複数の幹部はライバルとの厳しい市場シェア争奪戦などが原因で取り組みの成果がまだ実を結んでいないと認めた。

コルバット最高経営責任者(CEO)は「こうした環境では(成果を出すまでに)少しばかり時間がかかる」と話した。

19日には株式をトレーディングの柱としているモルガン・スタンレー(MS.N)が第3・四半期決算の発表を予定している。

(Olivia Oran記者)
http://jp.reuters.com/article/usa-banks-results-stocks-idJPKCN12J0EU  

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コメント
 
1. 2016年10月19日 21:42:01 : oCrAJL4UVg : BSkALVEdcgY[78]
付き物さ アベノミクスに 逆説は

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