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【第218回】 2016年10月19日 熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
日銀新政策、真の狙いは「利払い費の長期低減」ではないか
日銀のイールドカーブ・コントロール
本当の狙いは?
日銀の黒田総裁の任期は2018年4月。あと残り1年半を残して、総括的な検証を行った。筆者は、そこでイールドカーブ・コントロールを打ち出した本当の狙いは、国の利払費を先々まで最小限に抑えることではないかと考えている。
建前は、長期、超長期の金利まで下がると金融機関の体力を奪うから、長期金利を0%にする目標(金利ターゲット)を設けて、超長期金利のプラス金利を保証すると読める。しかし実際は、プラス金利の超長期国債を金融機関が一斉に買いに来るからプラス金利であっても、金利水準はかなり低くなるだろう。
2016年度の20・30・40年債の市中消化額は、25.8兆円。その金利が平均0.5%だとすると、年間利払費は1290億円と計算できる。この利払費は、民間金融機関の金利収入でもあるから、今後も金融機関の体力が奪われる状況は本質的に変わらない。
2020年度の利払費は、今後の金利水準を短期・中長期をゼロ、超長期金利が現状並みと仮定すると、現在の約10兆円(2016年度予算ベース)から、5.7兆円まで減少する可能性がある。
黒田総裁にすれば、自分の退任後、長期、超長期金利まで低位に抑えることができて、政府の財政再建に大きなメリットを残すことができる。これが、後々、「黒田総裁の遺産」と言われることだろう。
大きく変わってくる
2020年度以降の財政再建
将来の金利コストが累積的に軽減されるとすれば、2020年度以降の財政再建のイメージも大きく変わってくる。
従来は、2019年10月に消費税率が予定通りに10%に引き上げることができて、ようやく基礎的財政収支(国・地方のプライマリーバランス)の赤字縮小に何とか目処がつくことが皆の念頭にあった。
あと少しで黒字化できるから、次は増えていく税収で、利払費を賄えばよい。具体的に、利払費に対応する国債発行が数年後に10兆円以上と漸次増えていくとみられてきた。
少し丁寧に説明すると、プライマリーバランスの黒字化は、政府債務の元本返済の増加ペースをゼロにして、国債発行額を金利分の借り換えに限定するという意味合いである。
この段階では、政府債務残高は借り換えのための金利分によって増加が続く。その次の段階として、財政収支が金利分をすべて賄えるくらいに改善すれば、はじめて政府債務残高が減っていく(図表1)。
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財務省の2025年度までの仮定計算(注)によれば、利払費の見通しは2020〜2025年度まで約15〜22兆円に増えていくというものである(図表2)。この見通しによれば、政府債務残高を減らすまでの道のりは著しく遠いようにみえる。
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おそらく、黒田総裁のお陰で、2020年度以降、利払費は、仮定計算よりも大きく減額されて、国債発行額も同様に減るだろう。
万一、プライマリーバランスが黒字化できなくても、2025年度までの政府債務残高は増加ペースが著しく低下すると予想される。逆に、財政再建に熱心な取り組みを2020〜2025年度にかけて時の政権が行えば、ネットの国債発行額(新規国債発行額−償還額)をマイナスにすることも可能になるかもしれない。見方を変えれば、黒田総裁は、プライマリーバランスを黒字化した2020年度以降の財政再建を大きく進めることに貢献したという評価ができる。
(注)財務省のHPにある「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」(2016年2月分)より。
ますます描きにくくなった
日銀の出口戦略
一方、9月の総括的な検証で日銀が政策の枠組みを変えたことで、日銀の出口戦略はますます描きにくくなった。流通市場でマイナス金利になった国債を購入して、それらを償還時まで保有すると、巨大な損失が生じる。
しかも、政府が発行する国債は、市中消化された分を片端から購入する状況が半永久的に続く。財政再建のために犠牲になるのは日銀である。
今後、年間80兆円の購入ペースが多少減ったとしても2020年度近くには、担保需要分や長期運用分以外はすべて国債を日銀が抱え込むことになる。ならば、日銀が長期国債の保有を減額する出口戦略はどのように展望されるのだろうか。
筆者の予想では、日銀の出口は政府が財政再建を果たした後になるとみる。プライマリーバランスが黒字化して、その後で国債発行額をネット減額できた位から、政府が日銀の保有国債を繰上げ償還することができそうだ。つまり、日銀のバランスシートが小さくなるのは、そこからであろう。
しかし、長期金利のターゲットを0%に定めていると、日銀の保有国債は減らせない。だから、財政再建の途上で長期金利ターゲットを停止する可能性がある(イールドカーブ・コントロールも停止)。これは、事実上のテーパリングといえる。
視点を変えて、金融機関の金利収入はいつになれば大きく増えるのだろうか。国の利払費によって金利収入をまかなうことは、先々、かなり難しいという予想は成り立つ。
一方、企業・個人向けの貸出金利に依存するのも不確実に思える。資金運用の「冬の時代」は10年以上先まで覚悟しなくてはいけないのだろうか。
http://diamond.jp/articles/-/105038
ECB、仮想通貨への規制強化を要請
[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は18日、ビットコインをはじめとするデジタル通貨に関する新規制について内容を強化するよう欧州連合(EU)に求めた。これら仮想通貨の流通で、ユーロ圏への資金供給に関するECBの統制力が弱まることを懸念している。
欧州委員会が提示している規制の草案は、テロ対策として仮想通貨を実際の通貨に換金する場合の身分証明のチェックを強化し、疑いのある取引は通報することを求めている。
ECBは、EUの各機関はデジタル通貨の利用を促進すべきでなく、デジタル通貨は通貨や現金としての法的地位を欠いていることを明確にすべきだとする見解を表明した。
欧州議会とEU理事会に向けた意見書で、ECBは「経済主体が仮想通貨単位に頼るならば、今の慣行ではリスクは限定的でも、今後その使用が増幅した場合には、本質的に中央銀行の資金供給に関する統制力に影響を及ぼす」と指摘。「(EUの立法機構は)こうした事情を踏まえ、仮想通貨の利用拡大を促すべきでない」とした。
ECBは欧州委員会の提案は、商品やサービスの購入時の仮想通貨の使用をカバーしておらず、 不十分だと主張する。
「そのような取引は、提案で示された規制手段のいずれによってもカバーされておらず、違法な行為に対する資金供給手段を提供しかねない」としている。
http://jp.reuters.com/article/ecb-bitcoin-eu-idJPKBN12I26L
【インサイト】ドイツ銀、回復の舞台は米国ではない−今は退却の時
Lionel Laurent
2016年10月19日 06:48 JST
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ドイツ銀行のジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)の前にはうれしくない選択肢ばかりが並んでいる。それでも、法的問題の費用を払えると市場と監督当局を安心させ資本基盤を強化し、通期黒字を回復するという仕事を、ぐんぐん迫ってくる時間切れまでに果たすために、どれかを選ばなければならない。
関係者によれば、ドイツ銀は米国から部分的な撤退を検討している。しかし米国は投資銀行にとって世界最大の収入源であり、景気はドイツ銀の地元のユーロ圏よりもはるかにいい。コーリションによれば、ドイツ銀は米国の投資銀行業務番付で7位につけており、この地盤を失うことは利益に響くと同時に地位も失墜させるだろう。
そうではあるが、米国での事業縮小は恐らく、資産運用事業の売却などに比べるとやはり理にかなっているだろう。こうした事業は不安定な投資銀行への依存を減らす貴重な多様性をもたらすからだ。世界全体では投資銀行事業はドイツ銀の利益の重しとなっている。評価損を含めた差し引きでの有形株主資本利益率は昨年、マイナス4.9%だった。これに対し、資産運用部門はプラス30.4%を確保している。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ifIngiSZyPGw/v2/1200x-1.png
率直に言って、欧州の銀行は世界的な野心、特に米国に関して考え直す時だ。米銀との競争はますます厳しくなっている。米銀はバランスシートの強さも収益力も欧州銀より上で、世界での市場シェアも大きい。さらに、米国に子会社を置く大手金融機関に対する規制と資本要件は厳しさを増しており、米国での事業展開には高いコストがかかる。
ドイツ銀が今、米国事業を徹底的に見直せば、同国の新規則への対応や資産圧縮で先行することができるかもしれない。また、欧州やドイツの銀行という性質が強まれば、ドイツの議員らに守ってもらうことが容易になる。さらに、ドイツ銀の差し迫った目標が米司法省からより好条件の合意を引き出すことだとすれば、米国事業の縮小はそれ自体が米当局による罰則の一部になり得る。
これでドイツ銀の再建が容易になるわけではない。クライアンCEOの再編計画は繰り返し障壁にぶつかっているし、恐らく練り直しが必要になるだろう。しかしともかく、今の新しい環境の中、米国で世界の重量級銀行と競争していくのは厳し過ぎる。撤退すれば米銀が労せずしてシェアを獲得することにはなるだろう。しかしこれは、ドイツ銀にとって望ましくない多くの選択肢の中で、まだしも最善の道の一つだ。株主と監督当局、政治家からもっと支持を得るためになら、決断する価値はある。
(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません)
原題:The U.S. Is No Country for Deutsche Bank’s Recovery: Gadfly(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-18/OF8RXO6KLVR801
ポールソン氏の「アドバンテージ」、年初来成績マイナス18.5%−関係者
Katia Porzecanski
2016年10月19日 02:01 JST
? アドバンテージの9月リターンはマイナス2.8%
? 同業他社では成績の持ち直しがみられる
米資産家ジョン・ポールソン氏は自身のヘッジファンド2本で損失拡大に見舞われている。今年は運用成績が好転しているヘッジファンドもあるが、ポールソン氏には手が及ばない可能性もある。
ポールソン社の「アドバンテージ」ファンドは9月のリターンがマイナス2.8%。年初来ではマイナス18.5%となった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。同ファンドはスピンオフや破綻などのイベント経過中の企業に投資する。企業の合併・買収(M&A)を投資対象とする「ポールソン・パートナーズ」の9月のリターンはマイナス4.5%で、今年の損失は22.3%に拡大した。
ヘッジファンド・リサーチによると、M&Aアービトラージ戦略のヘッジファンドの成績は今年1−9月に平均プラス2.2%。イベントドリブン戦略のリターンは同プラス6.8%だった。
ポールソン社の広報担当者は運用成績に関するコメントを控えた。
原題:Paulson Loss Said to Deepen as Advantage Fund Falls 18.5% in ’16(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-18/OF94XX6JIJVH01
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