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三越本店(撮影=編集部)
三越伊勢丹、各店舗が軒並み売上減地獄突入の兆候…爆買い消滅で旗艦店も一斉に撃沈
http://biz-journal.jp/2016/10/post_16940.html
2016.10.19 文=編集部 Business Journal
百貨店が大量閉鎖の時代に突入した。三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、傘下の三越伊勢丹が運営する三越千葉店と三越多摩センター店を2017年3月20日に閉店する。
三越千葉店の前身は、1930年設立の奈良屋。かつては千葉県トップの百貨店だった。三越に隣接するそごう千葉店に対抗するため、奈良屋と三越が共同出資してニューナラヤを開業し、84年に千葉三越に看板を掛け替え、03年に三越伊勢丹直営の三越千葉店となった。
93年に、そごう千葉店はJR千葉駅前に移転し、「日本最大級」を誇る巨艦店を開業。そごう千葉店に客を奪われた三越千葉店は、業績不振が続く。ピーク時の91年に507億円あった売上高は、16年3月期は126億円と約4分の1にまで落ち込んだ。三越伊勢丹の直営百貨店9店のなかで、千葉店が最大の営業赤字を出している。
三越千葉店の売り場面積は2.4万平米で、そごう千葉店6.9万平米の約3分の1。売上高はそごう千葉店(680億円)の2割にも満たない。そごう千葉店に完敗して、三越千葉店は閉店に追い込まれた。
一方、三越多摩センター店は2000年に多摩そごう跡に開業した商業施設・ココリア多摩センターにテナントとして出店した。ピーク時の07年には70億円弱の売り上げがあったが、16年3月期は63億円と低迷していた。
■三越伊勢丹、次の閉店候補
三越伊勢丹HDの16年4〜6月期の連結売上高は前年同期比5%減の2946億円、営業利益は48%減の60億円だった。衣料品の販売不振やインバウンド需要が剥落したのが響いた。
営業利益がほぼ半減したのは、海外ブランド品や腕時計、宝飾品など高級品を大量に買う訪日観光客の爆買いが失速したことが大きかった。中国政府は今年4月から海外で購入した高級腕時計などの関税を大幅に引き上げたため爆買いは終息した。代わって、化粧品や大衆薬など手頃な値段の日用品を買うようになった。
三越伊勢丹の月次資料によると、16年4〜8月累計の売上高は、伊勢丹新宿本店が前年同期比5.2%減、三越日本橋本店が4.0%減、三越銀座店が9.8%減。都心の旗艦3店がマイナス成長となった。爆買いの恩恵をもっとも受け、毎月の売り上げが2ケタの伸びを記録してきた三越銀座店は勢いを失った。
当初から、インバウンド消費が望めない郊外店も軒並み売り上げを落とした。伊勢丹立川店が5.9%減、伊勢丹松戸店が6.2%減、伊勢丹浦和店が3.4%減、伊勢丹相模原店が11.2%減、伊勢丹府中店が16.8%減、三越千葉店が7.0%減である。
伊勢丹相模原店(売上高229億円、売場面積2.9万平米)と伊勢丹府中店(同189億円、2.9万平米)は、閉鎖を決めた三越千葉店より落ち込みが大きい。伊勢丹松戸店(同192億円、3.2万平米)は、千葉店とほぼ同程度の落ち込み幅だ。
三越伊勢丹は都心の旗艦3店で郊外店の不振を補ってきたが、旗艦3店はインバウンドバブルが弾け業績が悪化してきた。それで不振の郊外店の整理に着手せざるを得なくなった。
三越伊勢丹HDは中期経営計画で「2018年度、連結営業利益500億円」の目標を掲げている。不振が続く地方・郊外店を整理し、経営資源を東京都心の旗艦店に集約して収益力の向上を目指すことになる。郊外店の閉店の次は、札幌丸井三越など国内のグループの地方百貨店10店の閉店が俎上に載せられる可能性が高い。
■大手百貨店の地方店の閉店予備軍
百貨店の国内売上高は91年の9兆7130億円をピークに減少が続いた。日本百貨店協会の調査によると、15年の全国百貨店の売上高は6兆1742億円で前年より0.2%減った。
15年はインバウンド消費に沸いた1年だったが、その恩恵を受けた地域は限られた。売上高が前年を上回ったのは東京23区(3.4%増)、大阪市(1.6%増)、福岡市(0.9%増)の3都市のみだった。福岡市は、中国からのクルーズ船の寄港地となったことでインバウンド消費を押し上げた。だが、爆買いが終わり、インバウンド効果はもはや期待できない。今後は、ショッピングセンターやインターネット通信販売などに客足を奪われた、地方や郊外の百貨店が閉鎖に追い込まれる動きが加速する。
大手百貨店が閉店を打ち出した店舗には共通性がある。マーケティング専門紙「日経MJ」の8月17日付記事『2015年度百貨店調査、店舗別売上高ランキング』に基づくと、店舗売上高150億円が閉店の境界線になっていることがわかる。
セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は、地方・郊外店4店を閉店する。そごう柏店(売上高114億円、売り場面積3.2万平米)、西武旭川店(同105億円、2.4万平米)、西武八尾店(同155億円、3.8万平米)、西武筑波店(同128億円、2.6万平米)である。
阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)は、大阪市の郊外にある堺 北花田阪急(同88億円、1.6万平米)を閉店する。
大手百貨店グループ(地方の提携店も含む)で、売上高が150億円未満の店舗は三越伊勢丹HDが3店、大丸松坂屋を傘下に持つJ.フロント リテイリングが8店、高島屋が4店、阪急阪神百貨店を運営するH2Oが8店、そごう・西武が7店ある。
商店街の中心にある百貨店が閉店すると空洞化を招くとして、地元の抵抗は強かった。だが、地方の店舗を支える力を失った大手百貨店にしてみれば、背に腹を代えられない状況だ。
百貨店は大量閉店時代に突入した。
【参考資料】
※日経MJ『2015年度百貨店調査、店舗別売上高ランキング』に基づく
■三越伊勢丹HD
松山三越(愛媛県松山市、売り上げ148億円)
新潟三越(新潟県新潟市、同142億円)
岩田屋久留米(福岡県福岡市、同124億円)
■J.フロントリテイリング
高知大丸(高知県高知市、同132億円)
大丸須磨(兵庫県神戸市、同95億円)
松坂屋高槻(大阪府高槻市、同90億円)
松坂屋豊田(愛知県豊田市、同83億円)
大丸芦屋(兵庫県芦屋市、同71億円)
鳥取大丸(鳥取県鳥取市、同61億円)
大丸山科(京都府京都市、同39億円)
大丸浦和パルコ(埼玉県さいたま市、同37億円)
■高島屋
堺(大阪府堺市、同138億円)
大宮(埼玉県さいたま市、同105億円)
港南台(神奈川県横浜市、同99億円)
米子高島屋(鳥取県米子市、同59億円)
■そごう・西武
西武福井(福井県福井市、同125億円)
そごう西神(兵庫県神戸市、同124億円)
西武小田原(神奈川県小田原市、同122億円)
西武大津(滋賀県大津市、同112億円)
西武秋田(秋田県秋田市、同102億円)
西武岡崎(愛知県岡崎市、同94億円)
そごう西神店は、エイチ・ツー・オー リテイリングに譲渡することが決まっている。
セブン&アイ・ホールディングスでは、このほかにイトーヨーカドーやショッピングセンターのアリオに出店していた小型店を10店閉鎖する。アリオ上田(長野県上田市)の小型店を皮切りとして17年1月に3店閉めるほか、2月に4店、4月に1店、8月にも2店を閉鎖する。
残る小型店はイトーヨーカドー三島店(静岡県三島市)とセブンパークアリオ柏店(千葉県柏市)に出店する2店だけとなる。
■エイチ・ツー・オー リテイリング
阪急メンズ東京(東京都千代田区、同145億円)
宝塚阪急(兵庫県宝塚市、同78億円)
都筑阪急(神奈川県横浜市、同50億円)
阪急百貨店大井食品館(東京都品川区、同47億円)
阪神・にしのみや(兵庫県西宮市、同45億円)
あまがさき阪神(兵庫県尼崎市、同35億円)
三田阪急(兵庫県三田市、同14億円)
阪神・御影(兵庫県神戸市、同5億円)
(文=編集部)
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