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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第192回 日本の経済成長をつぶす者(週刊実話)
http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/397.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 10 月 15 日 01:53:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第192回 日本の経済成長をつぶす者
http://wjn.jp/article/detail/9588005/
週刊実話 2016年10月20日号


 9月21日、アメリカのニューヨークを訪問中だった安倍晋三内閣総理大臣は、金融関係者らを前に、

 「少子高齢化で労働人口が減少する中、生産性向上の必要性に迫られることで、むしろロボットや人工知能(AI)の活用に拍車が掛かる」
 「高齢化は重荷ではなくボーナスである」

 と語った。

 正直、驚いた。前回「少子高齢化が日本経済を救う」で解説した通り、少子高齢化は日本に衰退ではなく、むしろ経済成長をもたらす。

 少子高齢化で生産年齢人口比率が低下するわが国は、超人手不足が深刻化し、ドローンやロボット、自動運転、パワードスーツ、AIなどの技術投資による生産性向上を迫られる。そして、人手不足期における生産性向上こそが、経済成長をもたらすのだ。中長期的な経済成長は、『人手不足=インフレギャップが、生産性向上=実質賃金の上昇で解決し、豊かになった国民がまたもや需要を拡大。インフレギャップが発生。生産性向上でギャップを埋めると、実質賃金が上昇し、豊かになった国民が−−』という循環構造によってしか達成されない。

 このことを理解すると、わが国にとって高齢化(厳密には少子高齢化による生産年齢人口比率の低下)は、総理が言うようにボーナスであることが分かる。厳密には、経済成長のための絶好のチャンスなのだ。

 筆者は政治家が「少子高齢化は経済成長のチャンス」といった主旨の発言、つまりは筆者のかねての主張と同調する意見を表明したのを初めて見た。少子高齢化による人手不足こそが、われわれに経済成長に必須な生産性向上のための投資を「強制」する。その通りである。

 というわけで、安倍総理大臣は日本経済の問題の本質を理解しているのか、あるいは特定の誰かを富ませる構造改革に背を向け、「日本国民」中心の経済政策にかじを切るのかと思えば、とてもそうは思えない。何しろ、総理は冒頭の発言の直後に、

 「日本の開放性を推進する」

 「一定の条件を満たせば世界最速級のスピードで永住権を獲得できる国になる。乞うご期待です」

 と、外国移民受け入れをアピールしているのだ。

 なぜ、そうなるのか? なぜ、生産性向上のための技術投資、設備投資、公共投資、そして人材投資を、「日本国民の力」で成し遂げると説明できないのか。

 そもそも、人手不足に対する「生産性向上」と「外国人労働者受け入れ」とでは、ソリューション(解決策)としての方向性が真逆である。外国人労働者を受け入れるのであれば、別に生産性向上はいらない。

 代わりに、国民の貧困化が進み(外国人労働者と低賃金競争を強いられるため)、経済成長率も抑制される。20年後には、日本は現在のドイツのような「移民国家」と化しているだろう。

 総理の二面性は、諮問会議の方針にも表れている。

 9月12日、産業競争力会議が未来投資に向けた官民対話と統合する形で発足した「未来投資会議」の第1回会合が開かれた。そこでは土木・建設産業の人手不足解消を目的に、

 「第4次産業革命による『建設現場の生産性革命』に向け、具体的な方針を決めました」
 「建設現場の生産性を、2025年までに20%向上させるよう目指します」

 「そのため、3年以内に、橋やトンネル、ダムなどの公共工事の現場で、測量にドローン等を投入し、施工、検査に至る建設プロセス全体を3次元データでつなぐ、新たな建設手法を導入します」(いずれも安倍総理の発言)

 と、筆者の著作『第4次産業革命』(徳間書店)そのままのソリューションを推進する方針が決定されたのだ。

 しかも、第1回未来投資会議のペーパーをすべて読んだのだが、「外国人単純労働者受け入れ」といった提言は、どこにも入っていなかった。

 つまりは、安倍政権は「政権」として、土木・建設産業の人手不足解消のために「外国人労働者受け入れ」に背を向け、生産性向上のための投資という真っ当な道を選択することにしたのかといえば、さにあらず。9月27日に初会合が開かれた「働き方改革実現会議」において、介護及び土木・建設業に外国人労働者の受け入れを推進することが決定されたのである。

 報道によると、日本政府が相手国と二カ国間協定を結び、国別、分野別の受け入れ数を管理することを検討するとのことである。同様の仕組みは、実は韓国が'04年に導入しており、'15年10月末時点で同国には約28万人の外国人労働者が在留している。今年は、さらに5万8000人の単純労働者が就労する見通しとのことだ。

 要するに、日本政府はこれまでの「高度人材+技能実習生制度」から「外国人短期労働プログラム方式」にかじを切ろうとしているのである。

 日本の土木・建設分野では、ドローンによる測量やロボットによる鉄骨運搬など、すでに「正しい方向の人手不足解消」が始まっている。それにもかかわらず、しかも未来投資会議で「生産性向上のための投資による人手不足解消」と正しいソリューションを提唱しておきながら、反対側で「外国人労働者を入れる」とやってくる。

 デフレ対策のアベノミクス3本の矢に「成長戦略という名の構造改革」が入り込んだのと同様に、どうしても構造改革路線を推し進めたいという、邪な思惑が見え隠れするわけだ。しかも、特定の企業のビジネスの利益最大化が目的なのだから、うんざりする。

 すでに日本は大阪や神奈川の「特区」で、外国人家政婦の受け入れが可能になっている。フィリピンなどから外国人女性を流入させ、「竹中平蔵氏が取締役会長を務めるパソナ」などが「手数料」でもうけるビジネスが始まっているのだ。パソナは昨年の夏時点で、フィリピンの人材大手マグサイサイグローバルと提携している。実に用意周到な話だ。先の「働き方改革実現会議」は来年3月までに実行計画を策定し、政府は通常国会で関連法案を目指すとのことである。

 少なくとも、外国人の単純労働者受け入れだけは防がなければならない。ビジネス目的の外国人労働者受け入れ拡大は、日本経済の成長の機会をつぶすからである。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
 

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コメント
 
1. 2016年10月15日 06:08:59 : jH8zACbjRg : G2yiGiy_8ag[132]
もうね、マスコミなんて要らないんだよ。

2. 2016年10月15日 08:43:26 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2933]

>少子高齢化による人手不足こそが、われわれに経済成長に必須な生産性向上のための投資を「強制」する。その通りである。
>「日本の開放性を推進する」と、外国移民受け入れをアピールしているのだ。
>なぜ、そうなるのか? なぜ、生産性向上のための技術投資、設備投資、公共投資、そして人材投資を、「日本国民の力」で成し遂げると説明できないのか

簡単なことだ

現実には、少子高齢化が進み、規制に縛られ、賃金も高い日本で、減税など強いインセンティブなしに

民間が投資を自発的に増やす可能性は低いし、当然、強制することなどできない


また厳しい財政状況で、頭が硬直した官僚がリスクも取らずに立てる投資計画が成功するはずもない


となれば、現実には移民を増やさなければ、インフラ更新や、医療・介護・年金などの社会保障負担が重くなる中、多くの投資不足の産業が競争に負けて倒産・空洞化していくのは確実であり

いずれスタグとマイナス成長が常態化し、地方インフラ維持も、介護の実質賃金を上げることもできなくなる


そして正論を理解し支持する階層より、トランプを支持するような愚民階層が圧倒的に多く

既得権層と結びついて、税制、規制、社会保障改革は。なかなか進まない


だから、少子高齢化が投資促進にとってプラス要因だとしても、改革が停滞すれば、行き詰るということだ

ま、三橋と違い、少しは現実を理解しているということだろう



3. 2016年10月15日 09:07:48 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-7854]
生放送!とことん共産党 ‏@tokoton_k 12 時間12 時間前
⁅生放送!とことん共産党⁆次回は10月20日(木)午後8時から。テーマは労働問題。ゲストは佐々木亮弁護士。MC・司会は辰巳孝太郎参院議員、木田真理子さんです。人気コーナー「赤旗ナイト」も。
http://www.jcp.or.jp/web_tokusyu/2013/03/post-10.html
https://twitter.com/tokoton_k?ref_src=twsrc%5Etfw

4. 2016年10月15日 09:34:56 : HjCHbiL9yc : r66eSYUSdgw[85]
本論に全く同感。高度な文化をもつ社会の創造のために、あらゆる面で学習と研鑽に励んでいくことが大切だ。

5. 2016年10月15日 09:56:13 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-7852]
次回の放送
10月20日(木)午後8時から テーマ「労働問題」

〖ゲスト〗佐々木亮弁護士

〖MC・司会〗辰巳孝太郎参議院議員、木田真理子さん

「赤旗ナイト」コーナー

番組への質問・ご意見などメールでお寄せください。→tokoton@jcp.or.jp
http://www.jcp.or.jp/web_tokusyu/2013/03/post-10.html


6. 2016年10月15日 10:37:40 : tozknlzeWo : rJnyrKlwqkc[1]
もう少し出生率を向上させる政策はまったく考えないのか。今起こっていることは多くの若い人が生活が苦しいので、対処するのに結婚しない、子供を作らない、出来ないとなっているのがわかっていないらしい。

7. 2016年10月15日 10:49:19 : edNLgkmutI : jM3TyrPfAgg[140]
>特定の企業のビジネスの利益最大化が目的なのだから、うんざりする。
>フィリピンなどから外国人女性を流入させ、「竹中平蔵氏が取締役会長を務めるパソナ」などが「手数料」でもうけるビジネスが始まっているのだ。

出たよ。守銭奴&売国奴の名前が。

 
>少なくとも、外国人の単純労働者受け入れだけは防がなければならない。

珍しくあんたと意見が合ったな。
 


8. 2016年10月15日 23:48:35 : oCrAJL4UVg : BSkALVEdcgY[4]
前提と なるは需要の 水増しか

9. 2016年10月17日 12:42:23 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-7822]
10月20日(木) 20:00〜20:40
「ノーモア!賃金泥棒 ストップ!長時間労働 本当の『働き方改革』を」

⁅ゲスト⁆佐々木亮弁護士

〖MC・司会〗辰巳孝太郎参議院議員、木田真理子さん

「赤旗ナイト」コーナー

番組への質問・ご意見などメールでお寄せください。→tokoton@jcp.or.jp

http://www.jcp.or.jp/web_tokusyu/2013/03/post-10.html


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